「リモートワークビザ」で夢の海外移住! 日本の税金はどうなるのか
税金・お金

近頃注目されている「リモートワークビザ」。これは、他国で働く外国人に対し、自国に居住することを認める制度のことで、デジタルノマドビザとも呼ばれている。
リモートワークビザを導入している国に移住すれば、日本企業から給与をもらいながら海外生活を送ることが可能になるが、その場合の税金はどうなるのか。福留聡税理士に聞いた。
●非居住者の給与に日本の所得税はかからない
日本の所得税法では、納税義務者である個人を「居住者」と「非居住者」に区分しています。
「居住者」とは「国内に住所を有している」、または「現在まで引き続き1年以上居所を有する」個人のことです。
「住所」とは「個人の生活の本拠」のことで、客観的事実によって判定されるため、住民票の有無は関係ありません。また「居所」とは、「その人の生活の本拠という程度には至らないものの、その人が現実に居住している場所」とされています。
居住者の場合は「全世界所得課税」となり、日本で稼得した所得のみならず、日本以外の国で稼得した所得も含めて、日本の所得税が課されます。
一方で非居住者の場合、日本の所得税は「国内源泉所得」にのみ課されます。
つまり、日本企業から給与・報酬を受け取っていても、海外で業務を行っているのであれば「国外源泉所得」となるため、日本の所得税はかかりません。
ただし、海外在住者が業務を行うため日本に出張するなど、日本国内において業務を行う場合は「国内源泉所得」となり、日本において課税関係が生じるケースがあります。
その際、日本企業から受け取る給与・報酬には、原則20.42%の所得税が課されます(非居住者の居住地国の租税条約により要件が異なるため、確認が必要)。
●海外からのリモート勤務でも社会保険は継続
海外からリモートワークで勤務した場合でも、日本国内の企業と雇用関係を続けたまま給与・報酬が支払われる場合は、原則として健康保険、厚生年金保険、雇用保険の加入はそのまま継続します。
また、社会保障協定を結んでいる国であれば、社会保険の二重負担の防止や、年金加入期間の通算の措置が受けられます。
●国内で所得があるなら確定申告の必要も
前述のとおり、日本国内の会社に勤めている給与所得者が、1年以上の予定で海外に移住すると、一般的には日本国内に住所を有しない者と推定され、所得税法上の非居住者となります。
ただし、給与・報酬以外に「国内源泉所得」があるときは、日本で確定申告が必要になる場合があります。
確定申告を行う際には、「納税管理人」を定め、非居住者の納税地を所轄する税務署長に「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を提出し、納税管理人を通じて確定申告および納税を行いましょう。
【取材協力税理士】
福留 聡 (日本・米国ワシントン州)公認会計士、(日本・米国)税理士、行政書士
監査法人で上場企業の監査業務等を経験後、IPO支援、決算支援、IFRS導入支援、日米の法人の税務顧問等を行っている。本、雑誌、DVD等で約50の出版をしており、代表的な著作として『7つのステップでわかる税効果会計実務入門』がある。
事務所名 : 福留聡税理士事務所、福留聡国際会計アドバイザリー株式会社、福留聡クラウド会計給与合同会社
事務所URL:http://www.cpasatoshifukudome.biz/