ふるさと納税、脱「紙と電話」で負担軽く 自治体のデジタル化を支援
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ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」の運営会社トラストバンク(東京都目黒区)は、地方自治体の業務のデジタル化を支援する事業を始める。いまだに紙が多く、電話のやりとりにも頼る職場の負担を減らし、職員が、付加価値の高い行政サービスに注力しやすくする狙い。
●2019年4月以降、サービス開始
「パブリテック事業」という名称で、まずは、ふるさと納税業務のデジタル化を支援する。ふるさと納税を受ける自治体は、寄付者が住む自治体に資料を送るなどの事務処理の負担が大きい。特に年末の「駆け込み寄付」に伴う負担増はひどく、担当者は悲鳴をあげている。
例えばAmazonギフト券などを返礼品にし、批判を浴びつつ2018年に249億円の寄付を集めた静岡県小山町。通常6人体制のところ、対応が追いつかずに他課から応援を呼び、年始は30〜40人体制で業務にあたったという。極端な事例だが、他自治体も負担増に悩むのは同じだ。
パブリテック事業では、ふるさと納税業務のデジタル化を「入り口」とし、段階を踏んで自治体全体の業務や地域全体のデジタル化にもつなげたい考え。2019年4月以降、サービスをスタートさせる。
AIを用いた業務処理やチャットボット(自動応答)を含むコミュニケーション、窓口での申請業務に特化したソフトウェアの展開などのサービスを念頭に入れているという。
●「自治体の課題が解決される」
トラストバンクは、ふるさとチョイスなどを通じ、全国の8割にあたる1400以上の自治体と関係を構築している。このパイプを生かし、デジタル化の支援を着実に進めたいという。
トラストバンクの親会社チェンジ(東京都港区)の福留大士社長は、東京都内でこの日開いた会見で「自治体では相変わらず紙が多く、コミュニケーションの中核も電話。デジタル化により、自治体の課題が解決されるというのが我々の見立てだ」と述べた。
支援するターゲットの自治体の規模については、「人手不足だったり、予算が少なかったりするところ。(人口が)数万人の基礎自治体を狙っていきたい」(福留氏)とした。















