「翔んで埼玉」最大のライバル千葉県との抗争…税収で勝つのはどっち?
税金・お金

埼玉をとことんディスった漫画「翔んで埼玉」(原作:魔夜峰央)の実写化映画(http://www.tondesaitama.com/)が2月22日に公開され、3日間の都道府県興行収入で地元・埼玉県が東京都を抑え1位になるなど、大きな話題となっている。
映画では、埼玉県人は東京都民から強烈な迫害を受け、通行手形がないと東京に出入りすることすらできず、強制送還されしまう架空の世界が舞台。GACKT演じる埼玉県人・麻実麗が、東京都知事の息子である壇ノ浦百美(二階堂ふみ)らと協力して、通行手形撤廃を求めて戦う。
「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ!」などの強烈なワードが随所に散りばめられているが、その裏返しで、ストーリーには埼玉への強烈な地元愛が一貫しており、埼玉県民の多くに好意的にとらえられているようだ。
●1人あたりの税収では、ライバル千葉に敗北
映画では、埼玉の最大のライバルとして、千葉が立ちふさがるほか、高みの見物をする神奈川や、秘境・群馬など、関東一帯が舞台になっている。映画では、様々なランキングが登場して、埼玉を他の都道府県を比較している。
では、税理士ドットコムということで、税金の面で埼玉を見てみたい。地方税の税収において、埼玉はどういう位置付けなのか。特に、最大のライバルである千葉と比べてどうなのだろうか。
平成30年度版の地方財政白書には、全国平均を100とした人口1人あたりの税収額の指数が掲載されている。地方税の合計額について、この指数を比較すると、埼玉の88.4に対して、千葉は92.9。千葉に敗れてしまっている。参考数値として、実際の金額は埼玉10万563円、千葉10万6959円。
ちなみに、茨城91.3、群馬96、東京167、神奈川104.4、栃木96.6で、埼玉は最も1人あたりの税収が低い。これはちょっと辛いデータだ(映画中にほとんど栃木が出てこないため、並び順の最後としています)。
●埼玉は何もなくても「人は多い」
ただ、このデータはあくまで人口1人あたりの税収額だ。住民基本台帳(2018年1月1日)のデータでは、埼玉の人口は736万人。ライバル千葉は629万人で、茨城295万人、群馬199万人、そして、最大勢力である東京は1363万人、第2勢力である神奈川が917万人で、栃木が198万人だ。
埼玉の人口を1として、先ほど説明した1人あたりの税収指数を人口で補正する(例えば、千葉には0.85を掛け合わせる)と、結果は様変わりする。
埼玉の88.4に対して、千葉79.5で、埼玉は千葉に勝利することになる。「埼玉は何もなくても人がたくさんいる」ということで、人口規模も考慮したトータルの税収パワーでは千葉を上回るのだ。
ただ、東京309、神奈川130ということで、「真の敵」たちの力は埼玉を大きく上回っている。では、この敵たちにどう立ち向かうのか。これ以上はネタバレになるので、映画をぜひ見てほしい。