個人事業主・副業会社員のための経費相談所【vol.2 按分割合どうする?】
確定申告

本シリーズでは、フリーランスのライターである筆者が「みんなの税務相談(※ 無料で税理士に相談できる掲示板型Q&A)」に寄せられた投稿の中から、個人事業主や副業をしている会社員の方に役立つQ&Aをまとめてご紹介しています。
第2回となる今回は「家事按分」について。
自宅で仕事をされている場合には、家賃などの費用は按分(あんぶん)することで経費計上できますが、どのくらいの割合が適切なのか悩む方も多いようです。
それではさっそく投稿されたお悩みと、それに対する税理士の見解をみていきましょう。
● Q.ワンルームの家賃、何割を経費にするのが妥当?
ワンルームの自宅で仕事をしています。家賃の何割を経費として計算するのが妥当なのでしょうか?
ーーA.「合理的な割合で経費計上すること」
事業で使用している面積と、全体の面積で按分して計上するなどの方法が考えられます。
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● Q.持ち家購入の費用、按分して経費にできる?
自宅兼事務所として中古マンションを購入(住宅ローンなし)。仲介手数料や印紙代、登記費用等は按分して経費計上できますか?
また購入代金は減価償却費として経費にできますか?
ーーA.「経費にできる。購入代金は減価償却費で計上」
いずれも経費にできますか、自宅を事務所としたときの計算根拠を明確にするため、仕事専用の部屋を持ち、事業用割合で按分して計上しましょう。マンションの減価償却費は、購入価額を按分して耐用年数にわたり償却します。
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● Q.水道光熱費や通信費の家事按分について
水道光熱費や通信費、車両費などは、どのように按分を決めるのか教えてください。例えば1週間のうち5日を事業に使う場合、按分は70%でいいでしょうか?
ーーA.「床面積や使用日数で按分」
水道光熱費は床面積按分、通信費や車両費は使用頻度で按分する場合が多いですが、「1週間のうち5日で70%」も有効な按分方法です。
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● Q.自家用車での通勤。ガソリン代を経費計上する際の計算方法は?
フリーランスの美容師で、サロンまで自家用車で通っています。ガソリン代を経費に計上したいのですが、算出方法が分かりません。
ーーA.「走行距離や使用日数で按分」
走行距離で按分でも構いませんが、1週間のうち業務用に使用する日数での按分でもよろしいかと思います。
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● Q.庭木の剪定費用は按分できる?
自宅兼事務所で事業分を30%として申告しようと考えています。庭木の剪定にかかる費用も、事業分30%を経費とすることは可能ですか?
ーーA.「庭木の剪定が事業に関係あるかで判断」
庭木と事業との関係が30%あれば経費にできると考えます。税務調査があった際に事業との関係性を立証する必要があるので、丁寧に割合を計算しましょう。
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以上のように、いずれの税理士回答も「論理的根拠が必要である」というのがポイントとなっています。自宅兼事務所などにかかる費用の家事按分に悩まれている方は、「第三者に論理的に説明できる割合を計上する」と覚えておくとよいかもしれません。
次回のvol.3では、減価償却資産についてご紹介します。
▼vol.1 看板犬は経費にできる?
https://www.zeiri4.com/c_5/n_1093/
※質問と回答は一部編集しています
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