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夫婦間の資金移動で資産運用「そのお金、誰のもの?」税理士が解説

相続税

夫婦間の資金移動で資産運用「そのお金、誰のもの?」税理士が解説
shimi / PIXTA

夫婦での資産形成は、子どもの教育費や将来のライフステージの変化、老後の生活費に備えるために、避けては通れない問題だ。

ただし、中には「多忙で時間が取れない」「投資に詳しくない」などの理由で、自分の資金を配偶者に預けて、運用を任せているというケースも少なくないようだ。

もし、夫または妻の資金を、一方の配偶者の証券口座に移して資産運用をした場合、贈与税や相続税の扱いはどうなるのだろうか。田邊美佳税理士に聞いた。

●運用しているのが妻でも夫の「名義財産」となるケースも

ーー仮に夫の資金を、妻の証券口座に移し、妻が資産運用をした場合、渡した資金は贈与税の対象となるのでしょうか。

夫が妻に対して金銭を贈与し、そのお金で妻が資産運用を行っているのであれば、年間110万円の基礎控除を超える部分は贈与税が課税されます。

一方、特に贈与を行ったわけではなく、妻が夫の財産を管理する中で妻名義の証券口座を作って資金を移動した、または生活費の余剰金を妻名義口座で運用している、などの場合には、妻への贈与は成立しているとはいえず、贈与税は課税されません。この場合は妻の名義であっても夫の財産、すなわち名義財産だと認識しておく必要があります。

贈与は口頭で成立しますが、夫婦間ではそれが「贈与なのか、預かっているだけなのか」の判断がつきづらいので、贈与をするなら贈与契約書を作っておくことが望ましいでしょう。

ーー上記のケースで、資産運用により運用益が出た場合、その運用益は誰のものになるのでしょうか。

資金移動時に贈与が成立しているのであれば、運用益はもちろん妻のものになります。一方で、夫の代わりに管理・運用を行っているだけだと判断されれば、運用益は夫のものになります。

●夫婦どちらが先に亡くなるかで申告方法が変わることがある

ーー運用中に、夫または妻の相続が発生した場合、相続税の扱いはどうなるでしょうか。

妻名義の証券口座が名義財産に該当する場合には、夫に相続が発生した際には夫の財産として相続税申告に含める必要があります。

逆に妻が先に亡くなってしまった場合、逆名義財産(名義は妻だが実際には夫の財産)となりますので、妻の相続財産からは除外して相続税申告を行うことになります。

ただし、実務的には妻が先に亡くなった場合には名義通り、つまりは妻の財産として相続税申告を行い、子どもに相続させて夫の財産が増えないようにしてしまうことがあります。

どちらが先に亡くなるかで申告の方法が変わることがありますので、名義財産がある場合には税務署や税理士に相談していただけたらと思います。

【取材協力税理士】
田邊美佳(たなべ・みか)税理士
オネスタ税務会計事務所所長。公認会計士・税理士・行政書士・ファイナンシャルプランナー。相続税申告、生前対策業務に特化。国際相続案件にも対応可能。
事務所名 : オネスタ税務会計事務所
事務所URL:https://onesta-tax.com/

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