元国税局職員の芸人による「税務署の部署と役職の解説」

元 国税局職員 さんきゅう倉田です。好きなビールは麦芽100%なのに「発泡酒」と表記される『水曜日のネコ』です(どうしてビールと表記できないかは、また改めて記事にします)。
みなさんは、税金関係で困ったら、税務署に行くか区役所に行くか、税理士の先生を訪ねると思います。滅多に行かない税務署、どの部門を訪ねればいいのかさっぱり分からないかと思います。そこで、地域や税務署の規模によって、多少異なりますが、税務署の部門別の役割や職員の役職について紹介します。
税務署の主な5つの部門
部門は主に、5つ。管理運営部門、徴収部門、個人課税部門、法人課税部門、資産課税部門です。
管理運営部門
何年か前に行われた「内部事務一元化」という革命的なシステム変更で誕生しました。各税目と管理部門と共通していた作業、納税者からの質問や相談、納税証明、転出入や開業などの各種届出の提出が行えます。1年目の職員はこちらに配属されると、聞いています。
徴収部門
滞納者に対して、差し押さえを行います。裁判所の令状なしで捜査・差し押さえを行うことができます。
個人課税部門
個人の所得税や消費税を調査します。
法人課税部門
法人、つまり会社を調査します。ぼくはここにいました。
資産課税部門
個人の贈与税や相続税を調査します。
税務署の主な4つの役職
それぞれの部門には、主に4つの役職があります。事務官、調査官&徴収官、上席国税調査官&上席国税徴収官、統括国税調査官&統括国税徴収官です。徴収部門だけ、調査官ではなく、徴収官となり、持っている権限が法律上異なります。
事務官→調査官→上席→統括官と出世して行きますが、統括官にならずに上席のまま勇退される方もいます。
統括官は、基本的には税務調査は行わず、調査先を選んだり、部下の報告を聞いたり指示を出したりします。また、調査に同行することもありますし、経験の豊富さで圧倒的なパフォーマンスを見せてくれます。
また、上席も調査一筋でずっとやってきていますので、侮れません。不正発見への嗅覚は、犬の100倍です。
そんな調査官たちの調査力が一目で分かるようにまとめました。あくまで目安です。
- 事務官1年目→スライムの税務調査に2ターンかかる
- 事務官3年目→ゴーレムを税務調査できる
- 調査官1年目→りゅうおうを税務調査できる
- 調査官8年目→ゾーマをひのきのぼうで税務調査できる
- 上席1年目→メタル系の会社に逃げられなくなる&毒の沼をがさ入れできる
- 上席15年目→しんりゅうを1ターンで税務調査できる
- 上席27年目→あらゆる地形の効果を受けずに税務調査できる&ほとんどの税理士が仲間になる
- 統括1年目→ダンジョン内の裏帳簿の場所が分かる&あらゆる領収証をはねかえす&もらえる追徴ゴールドが2倍になる
- 統括15年目→帰宅時のすばやさが最大になる。
全員が統括国税調査官になるわけではありません。上席の能力が統括官に劣っているとは限りませんし、法人税の調査をやったことのない統括官が法人課税部門にいることもあります。上記の「つよさ」はあくまで僕の感覚的な目安です。
おわりに
なお、統括官の上には、総務課長、副署長や署長といった、税務署を束ねる神のような人間が存在します。みなさんとの生活や税務調査に介入してくることはまずありませんが、彼らにコネクションのある税理士の先生は、顧問契約を結んでいる個人や法人のところに税務調査があり、納得のいかない調査方法などが行われれば、便宜を図るように物申すことがあります。
それにより、便宜が図られるかどうかについては言及しませんが、影響は0ではないのではないでしょうか。コネのある先生だったらラッキーかもしれません。でも、あまり期待しないことです。上席の中には、神をも倒す勇者がいますので。
もっと記事を読みたい方はこちら
無料会員登録でメルマガをお届け!