領収書は写真やスキャンでも有効?電子帳簿保存法の「スキャナ保存」について解説

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領収書は写真やスキャンでも有効?電子帳簿保存法の「スキャナ保存」について解説

監修: 高木 澄典 税理士

「紙の領収書」は保管場所の確保が必要だったり紛失の懸念があったりと、何かと面倒なことが多いです。

実は、電子データを保存すれば紙の原本保存が不要となる「電子帳簿保存法」という制度があります。これにより、紙の領収書をスキャンして保存したもののほか、スマートフォンなどで撮影した写真データも有効になりました。そこで電子帳簿保存法におけるスキャナ保存について解説します。

目次

電子帳簿保存法について

領収書は一定期間保存しなければならない義務があり、申告状況などにより個人事業主は5年または7年、法人は7年または10年と決められています。

過去に行われた日本経済団体連合会の試算によると、日本の経済界全体における税務書類の紙による保存コストは年間約3000億円にもなるそうです。

そのような「紙の保存」で発生するコストを削減するために、請求書や領収書などの税務書類を、電子データによる保存を認めた制度が「電子帳簿保存法」です。

領収書は写真やスキャンでの「スキャナ保存」OK

平成17年(2005年)の税制改正により「スキャナ保存」制度が導入され、領収書などをスキャナーで読み取って電子データを保存することで、紙の原本の破棄が認められるようになりました。

しかしながら、スキャニングのために固定型スキャナを使う必要があるなど、要件が非常に厳しいこともあり、実状として導入数があまり多くありませんでした。

そこでさらなる改正が度々行われ、現在ではスマートフォンやデジタルカメラでの撮影による電子データの保存が認められています

さらに令和3年(2021年)度の税制改正では、電子データの保存に関する条件がより緩和されました。

なお令和6年(2024年)1月から、電子帳簿保存法が定める電子保存の形式のうち、電子取引データ保存が完全義務化されました。そのため、ほぼすべての事業者・個人事業主の対応が必須となりました(スキャナ保存、電子帳簿等保存は任意)。

領収書を写真やスキャンで保存するときの注意点

電子帳簿保存法を正しく適用するためには、以下のポイントを理解しておく必要があります。

電子帳簿保存制度を利用する際の承認は不要

これまで電子保存帳簿制度を利用するためには、利用開始3か月前に「国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の承認申請書」の提出・承認が必要でしたが、令和3年度の改正により承認が不要となりました。

スマホ・デジカメ撮影した画像は解像度に注意

スマートフォンやデジタルカメラで撮影した画像については解像度の要件を満たしていなくてはなりません。具体的には、国税庁が発表している「電子帳簿保存法一問一答」によると、約387万画素以上必要とされています。

スキャナ保存した書類は即時破棄が可能

令和3年度の改正では、第三者による定期的な検査などの「適正事務処理要件」が廃止されました。そのため、スキャニング処理が完了した紙の原本書類はすぐに破棄することが可能となります。

なお、令和5年(2023年)度の税制改正により、令和6年1月以後に保存を行う国税関係書類をスキャナで読み取った際の解像度、階調及び大きさに関する情報の保存時に満たすべき要件が廃止されました。

認定事業者が発行する「タイムスタンプ」について

不正を防ぐため、現行、電子保存する書類には認定事業者(※)により発行される「タイムスタンプ」の付与が必要となっており、付与期限は電子化してから3営業日以内と決められています。

この点においても、令和3年度の税制改正により付与期限が約2か月以内に延長されました。また、データの削除や改変ができないシステムを利用している場合には、タイムスタンプの付与そのものが不要となります。

※認定を受けたタイムスタンプ事業者とは、総務大臣による時刻認証業務認定を取得した事業者を指します

データの改ざんで重いペナルティも

令和3年度の改正により制度が簡素化されるため、作業負担が軽減されるメリットがある一方、水増しなどの不正の横行が懸念されるところです。

そのため、電子データの改ざんが発覚した場合のペナルティについても改正が行われ、通常の重加算税に加えて申告漏れなどにかかる本税の10%が加算されることになりました

なお、令和7年(2025年)度の税制改正により、特定電磁的記録であり、保存要件を満たす場合は、重加算税の加重の対象から除外することとなりました。これは、令和9年(2027年)1月1日から適用されます。

おわりに

2024年からは、電子取引のデータ保存が完全義務化されています。そのため、電子取引のデータ保存とスキャナ保存の要件を満たすシステムの活用が、経理効率化には欠かせないと言えるでしょう。

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