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富裕層が海外移住を選ぶ理由ーー「節税」だけじゃないリアルな事情とは?

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富裕層が海外移住を選ぶ理由ーー「節税」だけじゃないリアルな事情とは?
tsukat / PIXTA

一定の富裕層の間で、海外移住が人気を集めている。外務省の調査によると、2024年10月1日時点の海外在留邦人総数は約129万人で、そのうち永住者は過去最多の約58万人にのぼる。

グローバル化が進む中、確かにお金に余裕があれば、必ずしも国内居住にこだわる必要はないだろう。もっとも、移住を現実のものとするには、移住に伴う資産管理や税務申告についても、正しく対応する必要がある。

そこで、税理士法人を母体に持つアイユーコンサルティンググループでは、グローバルなライフスタイルを多角的にサポートする「海外移住コンシェルジュサービス」を、2025年7月に開始する。なお、このサービスが利用できるのは、「財産規模3億円以上の個人・法人オーナー」に限られる。

海外移住を検討するメリットや注意点、昨今の動向などについて、代表の岩永悠税理士にお話を伺った。

●日本よりも低い税率の国への移住で、所得税ほか相続・贈与税が軽減される

ーー富裕層が海外移住をすることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

「移住する国によりますが、まず、所得税や法人税の負担軽減が期待できます。

たとえば日本の所得税の最高税率は45%(住民税も入れると55%)ですが、税率が日本よりも低い国を選ぶことで実効税率を抑えることが見込めます。

資産管理の観点では、贈与税のない国や税負担の軽い国に移住することで、生前贈与を効率的に進めやすくなります。

また、相続税のない国へ移住することで、次世代への資産移転をより効率的に進めることも可能です。」

●居住者判定や出国税の扱いに注意が必要

ーーメリットだけでなく、税制面や資産管理における注意点についてもお教えください。

「日本の『居住者判定※1』は、形式でなく実態が重視されるため、生活拠点によっては日本での課税が続く場合があります。

また、出国時に『出国税※2』が課されるケースもあるため、保有資産の把握と事前対策が極めて重要です。加えて、移住先の税制への理解不足は大きなリスクになり得ますので、移住前に税務を含めた専門家への相談は必須と言えるでしょう。

まずは、所有している資産の把握・整理から始めることが、スムーズな移住への第一歩となります。

※1 日本国内に住所があるかまたは現在まで引き続いて1年以上居所がある個人は居住者となり、所得税法において納税義務が発生する。
※2 国外転出時課税。2015年7月1日以後に国外転出をする一定の居住者が1億円以上の有価証券等を所有している場合、含み益に所得税および復興特別所得税が課税される。

ーー海外と日本との二拠点生活を送る際、税制面ではどのようなことに気をつければいいのでしょうか。

「前述のとおり、税を考える上で、二拠点生活をされる方は特にどの国で『居住者』とみなされるかが重要となります。ご自身の移住プランと照らし合わせながら、ご自身がいつからどの国の『居住者』となるのかを、租税条約に基づく居住者判定により把握することが大切です。

また、相続や贈与においては、資産を渡される方だけでなく、受け取る方がどの国の『居住者』となるのか把握することが重要となります。日本の居住者とみなされると、海外移住したにも関わらず、税負担の軽減は見込めないので注意が必要です。」

●海外移住には「セカンドライフの充実」「教育環境の確保」などさまざまなニーズがある

ーー「海外移住コンシェルジュサービス」では、どのような目的・動機で海外移住を検討されている方が多いのでしょうか?

「最近では、人生の節目に合わせてライフスタイルを見直し、海外移住を選択肢に入れる方が増えています。たとえば、『セカンドライフの充実』や『お子様の教育環境の確保』といった、ご家族の将来を見据えての移住を検討される方は、特に増えている印象です。

また、自然災害のリスクが少ないエリアで安心して暮らしたいというニーズや、ご家族が海外に住み、ご本人は日本との二拠点生活を送るといった柔軟なスタイルを志向する方も増加傾向にあります。

こうしたライフスタイル起点の移住に加えて、資産の保全や税負担の軽減といった経済的な観点からの検討も並行して行う方は多い印象です。

最終的には、『家族とどう生きていくか』という価値観を出発点に、それぞれにとって最適な拠点を選ぶという考え方が広がってきているように感じます。」

ーー同サービスの具体的な支援方法をお教えください。

「税務・ビザ取得・投資・居住先の選定・教育まで、複合的な課題に対しワンストップで支援させていただきます。現地専門家とのネットワークにより、移住前だけでなく移住後までサポートすることが可能です。

まずは、お客様の資産を把握させていただいた上で移住先、移住時期に合わせたご提案をいたします。

今後さらに加速する海外移住や二拠点生活に対し、当社は『信頼される移住パートナー』として、専門性と実務力を基盤に支援領域を広げていきます。

税・国際資産管理は特に複雑化しておりますので、お客様ひとりひとりに合わせた『オーダーメイド』の移住プランをご提案させていただきます。」

<アイユーコンサルティンググループについて>
2013年の創業以来、全国でも数少ない資産税(相続税・贈与税・事業承継・組織再編)専門の税理士法人として、国内トップクラスの案件(2024年実績1,424件、累計5,700件超)を手掛ける。2019年には税理士法人アイユーコンサルティングを母体としたグループ化に着手し、M&A時のDD(デューデリジェンス)案件やIPO支援を主軸とする㈱アイユーミライデザイン、顧問業務特化型の税理士法人IUManagementを設立するなど、事業領域のすそ野を拡大。
2025年7月には、「海外移住コンシェルジュサービス」が本格始動予定で、それに先立ち同年3月には初の海外拠点としてマレーシアに現地法人「IU INTERNATIONAL SDN.BHD.」を設立。母体である税理士法人で培った確かな実績と経験、そして信頼できる外部専門家パートナーとの連携により、海外移住をはじめとするグローバルなライフスタイルの実現をトータルに提案・サポートしている。

・グループサイト:https://bs.taxlawyer328.jp/
・採用サイト:https://iu-recruit.taxlawyer328.jp/
・サービスサイト:https://bs.taxlawyer328.jp/service/overseas-relocation-concierge/

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