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本当の恐怖は20年後…憧れのタワマンは「時限爆弾」 マンション管理士が警鐘(前編)

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本当の恐怖は20年後…憧れのタワマンは「時限爆弾」 マンション管理士が警鐘(前編)
マンション管理士の宮路幸人税理士(2019年5月16日、税理士ドットコム撮影、東京都内)

かつて高騰したマンションは、なかなか買い手がつかず、苦戦が続いていることが伝えられている。これまで何度も報じられてきた、スキーリゾートの新潟県湯沢町だけの問題ではない。建築から時間が経ち、資産価値がガクンと落ちたマンションは、どこも厳しい状況だ。

憧れを抱いたり、資産性に着目したりして購入に踏み切るマンション。都心部にはいくつものタワーマンションが並び立ち、豪華絢爛な設備や立地を打ち出して、人々の購入意欲をそそっている。低金利が続き、多額の住宅ローンが組みやすいことも、背中を押す一因だ。

ただ、買った後に負担し続ける管理費や修繕積立金は決して軽いものではない。のちの大規模修繕に備えるためだが、入居者による滞納や、相続人の所在がわからず必要な決議が取れないなどの恐れもある。このことはどれくらい意識されているだろうか。

不動産問題に詳しく、自らがマンション管理士でもある宮路幸人税理士はどう考えているか。この前編では、積立金の不足やタワマンの問題などを中心に話を聞いた。

●積立金不足→資産価値が減少→富裕層が物件から消える?

ーー管理費などの滞納は多くのマンション住民にとって身近な問題でしょうか

マンションは建物の維持管理や将来の大規模修繕に備えるため、月々の管理費や修繕積立金を支払う必要があります。築年数が古かったり、戸数が多かったりするほど滞納額が生じやすくなっているのが実態です。

国土交通省の平成30年調査によると、滞納が発生していないマンションは62.7%ということです。

逆に言えば、そのほかのマンションでは程度の差こそあれ、滞納が生じているということですから、マンション住民にとっては他人事ではないでしょう。滞納が生じ始めると、建物の維持管理や将来の大規模修繕の際に必要な資金が不足する危険性があります。

ーー資産価値にも影響を与えそうですね

はい。マンションの資産価値は周辺開発や地価の動向にも左右されますが、その管理状態も大きな要素です。エントランスをはじめとする共用部分が綺麗に保たれているか、照明やエレベーター等の設備が支障なく管理されているかなどが重要です。

管理費の滞納により必要な大規模修繕の資金が不足する場合は、各戸から臨時徴収することになりますが、滞納者が、追加で何百万円というまとまった金額の支払いに応じることは残念ながら考えにくいです。

ーーそうすると、先々の資産価値の減少が現実になりそうですね

そうなります。すると、富裕層など移転可能な人たちは資産価値が減ることを嫌って、そのマンションから出ていくことになるでしょう。こうなると、経済力が弱い人が残り、「負のスパイラル」となって、建物の管理がどんどん悪化していきます。

ーー修繕積立金の月々の支払額が増えていくようなことがあると、収入が一定の人にとっては支払いが難しくなりそうです

はい。ここは、購入する際に見落としがちな部分です。修繕積立金は、段階増額方式を採用している物件が多いのです。

これは新築の時は修繕が必要ないことや、不動産業者がマンションを売りやすくするためですが、年数がたつと修繕積立金が増加していき、将来的には当初の2倍~5倍になるというケースもあります。とくに年金生活者にとっては支払いが厳しくなるでしょう。

●大規模修繕は「12年周期」、2回目以降に積立不足の懸念

ーータワーマンションでの大規模修繕は大きな金額が必要になりそうですね

タワマンは、外壁を修理するときなどは高さがあるため足場を組むことができません(低層階を除く)。そのためゴンドラ方式などを採用することになりますが、期間も費用もほぼ倍かかると思ってください。

エレベ-タ-も多く設置され、その保守管理の費用や給排水設備のメンテナンス、機械式駐車場の維持管理にも多額の費用がかかります。共用部分にたまにしか使わない豪華なジムやプ-ルやラウンジなどがある場合、この維持管理にも多額の費用が発生します。

ーータワマンで大規模修繕があったという実例はまだ少ないのでしょうか

タワマンが多く建てられ始めたのは、容積率が緩和された2000年頃からで、大規模修繕を実際にしたケースはまだ非常に少ないです。どのくらいの金額かなど、実際にやってみないとわからない部分も少なくありません。このため、現時点では問題が顕在化していません。

ーー大規模修繕はどれくらいの周期で行うのでしょうか

大規模修繕はおおむね「12年周期」とされます。1度目の大規模修繕はなんとか乗り切ったとしても、2度目の大規模修繕の頃から、修繕積立金が不足し建物の維持管理が行き届かないなどの問題が生じる恐れがあります。

ゆえに、タワマンの未来については悲観的にならざるをえません。維持管理費用が多額にかかり、戸数が多いので意思決定も難しい。私なら「高く売れるうちに、早めに売ったほうがいい」と考えます。

タワマンを売っている不動産業界の人は、これまで述べたような懸念がわかっているので、自分ではタワマンを買わない人が多いと聞いたことがあります。

【取材協力税理士】
宮路 幸人 (みやじ・ゆきひと)税理士
簿記論、財務諸表論、法人税、消費税、国税徴収法の5科目合格。AFP・宅建士・マンション管理士等保有し、不動産関係が得意。趣味は楽しくお酒を飲むこと。
事務所名 :多賀谷公一税理士事務所
事務所URL:

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