田中裕二さん緊急入院で休養発表 芸能人の場合、「傷病手当金」はもらえない?
税金・お金

爆笑問題の田中裕二さん(56)が1月20日、緊急搬送され、前大脳動脈乖離によるくも膜下出血、脳梗塞と診断された。ニュースとして大きく報じられ、話題になった。
所属事務所のタイタンによると、今のところ手術の必要性はなく、入院1週間、休養1カ月となるという。
芸能人は基本的に個人事業主だが、大病を患って長期間休養した場合、雇用されている従業員と手当などの面でどう違うのか。蝦名和広税理士に聞いた。
●一般の従業員が受給している傷病手当金を受けられない
「個人事業主の休業に関しては、一般の従業員などが受給できる傷病手当金を受けることができません。一般的に個人事業主の方は通常会社が加入する政府管掌健康保険には加入できず、市町村が運営する国民健康保険に加入することとなります。
国民健康保険では原則として、傷病手当金のように自営業者が病気やケガで仕事を休んだときの所得補償については手当されません。
傷病手当金は最長1年6カ月、おおよそ休業時の収入の3分の2の手当金が受けられる制度ですので、これが受けられるのとそうでないのとは大きな差となります」
傷病手当金の財源はどうなっているのか。
「財源は本人が給与から天引きして納める社会保険料と、事業主にとっても非常に大きな負担である毎月納める社会保険料によって賄われています」
自ら法人を作ってしまえばいいのではないか。
「確かに、人によっては、個人事務所を法人化することで社会保険に加入していたり、他社でも常勤勤務をすることで社会保険に加入している方もいらっしゃいますが、そうでなければ収入が途絶えて生活に不安が出てくる可能性もあります。
特に企業で働いていた方々が、自営業者や個人事業主として新たな働き方を始める場合、ご自分が適用となる公的医療保険制度や公的年金制度などの社会保障制度の違いについて留意する必要があります。
そういった知識についてはお仕事で関わっている場合や専門家などを除いて学ぶ機会少ない、あるいはほぼないため、自分自身でリテラシーとして学ぶ必要があるのが現状です。民間の所得補償保険を検討する等、さまざまなリスクに対して自分自身で身を守る必要があることは言うまでもないでしょう」
【取材協力税理士】
蝦名 和広(えびな かずひろ)税理士
プロフィール:特定社会保険労務士・海事代理士・行政書士。北海学園大学経済学部卒業。札幌市西区で開業、税務、労務、新設法人支援まで、幅広くクライアントをサポート。趣味はジョギング、一児のパパ。
事務所名 : Aimパートナーズ総合会計事務所
事務所URL: https://office-ebina.com