2021年3月までに延長!設備投資で税金が安くなる「中小企業投資促進税制」とは?

設備投資すべきか悩んでいる事業者の方、「中小企業投資促進税制」をご存知でしょうか?「古くなってきた設備を買い換えたいが、お金のことを考えると数年後になってしまう」「新しく設備を入れて生産性を高めたい」といったお悩みを抱えている事業者の方にとって、とても役立つ制度です。
このページでは、2021年3月31日まで延長された「中小企業促進税制」に関してまとめました。
目次
中小企業投資促進税制とは?
中小企業が機械装置等の対象設備を取得した場合に、特別償却や税額控除の適用を受けることができる、期間限定の措置です。さらに、対象設備が生産性を向上すると認められるときには、より優遇されます。
対象期間
2021年3月31日までに対象の設備を取得して、指定事業の用に供した場合が対象となります。
対象となる事業者
青色申告を提出する中小企業者等が対象となります。中小企業者等とは以下の事業者が当てはまります。
- 資本金または出資金の額が1億円以下の法人
- 資本金又は出資金をもたない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
- 常時使用する従業員数が1,000人以下の個人事業主
- 農業協同組合等
ただし、大規模法人から2分の1以上の出資を受ける子会社と、2つ以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける子会社は適用対象外です。
対象設備
措置の対象となる設備は、以下の通りです。中古品は対象外となります。測定工具・検査工具の項目が税制前と変わっているので注意してください。
対象設備 | 要件 |
---|---|
機械装置 | 160万円以上/台 |
測定工具・検査工具 | 1台120万円以上 または1台30万円以上かつ複数合計120万円以上 |
一定のソフトウェア | 一つのソフトウェアが70万円以上 または複数合計70万円以上 |
貨物自動車 | 車両総重量3.5t以上 |
内航船舶 | 取得価額の75%が対象となる |
償却及び控除の割合
資本金3000万円を超える法人は、税額控除の適用は受けることができません。後述しますが、上乗せ措置の対象であれば控除を受けることができます。
個人事業主 資本金3,000万円以下の法人 | 資本金3,000万円超 | |
---|---|---|
特別償却 | 取得価額の30% | 取得価額の30% |
税額控除 | 取得価額の7% | 適用なし |
「上乗せ措置」について
2017年の税制改正により、上乗せ措置は「中小企業経営強化税制」という制度に改組されました。対象範囲を広くすることで、サービス業を含めて広く中小企業の生産性の向上をできるようにするためです。
手続き方法
適用を受けるためには、確定申告に必要な事項を記入または書類を添付します。これらは、法人と個人事業主で以下の通り異なります。なお、いずれの場合も、上乗せ措置を利用する場合には、証明書又は確認書を添付する必要があるため、事前にその発行手続きを行いましょう。
法人の場合
特別償却の申請時には、確定申告に特別償却の付表(中小企業者等又は中小連結法人が取得した機械等の特別償却の償却限度額の計算に関する付表)と適用額明細書を添付します。
税額控除の申請時には、確定申告書に別表(中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除に関する明細書)と適用明細書を添付します。
個人事業主
特別償却の申請時には、青色申告の減価償却の計算欄に記載します。
税額控除の申請時には、中小企業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除に関する明細書を確定申告に添付します。
おわりに
期間の限られている制度です。支払いが完了していなくても、習得・稼働していれば適用することができます。利用を考えている人は、早めに検討しましょう。
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