大家さん必見!家賃滞納を劇的に減らす3つのポイントと滞納家賃の会計上の処理方法

アパート経営をしている大家さんにとっての最大の悩みの種といえば「家賃滞納」と言っても過言ではないかもしれません。
「どのタイミングで督促した方が良いのか」「保証人には電話した方が良いのか」など、家賃督促に慣れていない方からすれば、どのように督促したら良いのか判断がつかないこともあるでしょう。
そこで今回は、初心者でもできる家賃滞納の対処法と、その際の会計上の処理の仕方について解説します。
目次
家賃滞納を劇的に減らすための3つのポイントとは?
管理会社に賃貸管理や家賃集金を委託している場合でも、家賃滞納が発生した場合については基本的に大家さん自身で督促をしなければなりません。
家賃督促は管理会社がやってくれると思っている方もいるかもしれませんが、厳密に言うと家賃督促は債権回収業務であるため、不動産会社が行うと非弁行為に当たります。
したがって、大家さんである以上は、家賃滞納が発生した場合は、必ず自分自身で督促して回収するという意識を持つことが大切です。
では、家賃滞納を劇的に減らすポイントを3つ解説します。
滞納したら即電話する
大家さんの多くは、家賃の督促に慣れていないため、たとえ滞納状態が発生しても、すぐに本人や保証人へ連絡をしようとしません。場合によっては、何もしないまま1週間以上待っているような大家さんもいるようです。
家賃滞納を劇的に減らすためには、賃借人に意識付けをすることが何より大切になります。そのためには、滞納したら遅くとも翌日には本人に電話をして家賃を支払うよう督促しましょう。
実は家賃滞納者の多くは、実際は支払うことができるにも関わらず、他の借金の返済を優先しているケースが良くあります。これは、賃借人の中で家賃の優先順位が低くなってしまっているために起こります。
滞納発生後すぐに督促をすれば、「家賃は真っ先に支払わなければならない」という意識付けができるため、次回以降の滞納発生率が大幅に抑制されます。
遅延損害金は必ず請求する
賃貸借契約書の約款には、たいてい遅延損害金の記載があります。
例えば年14.6%だとしても、ワンルームの家賃であれば数日程度の遅れで200〜300円程度ですから金額としては請求しなくても良いような気もします。
ですが遅延損害金をきっちり請求することで、賃借人に家賃滞納が悪いことで、約束を破るとペナルティがあることをわからせることができます。
契約時にしっかりと説明しておく
実は家賃滞納の発生率が一番高いと言われているのが、入居直後1回目の支払日における滞納です。契約を結んですぐは、賃借人がいつ、どこに、いくら振り込んでいいかわからなくなっている方が大勢います。
そこで、賃貸契約を結ぶ際に、最初の家賃はいつまでにいくら支払うのか、専用の書面などを作って不動産会社経由で本人に渡しておいてもらうと良いでしょう。
これら3つのポイントは、特に難しいことはありません。大家であれば誰でもできることですが、やっているかやっていないかで家賃滞納の発生率が格段に変わってきますので是非実践してみてください。
家賃は滞納しても会計上は売り上げになる?

さて、そうは言っても時には家賃滞納が発生してしまうことがあります。その時には速やかに督促することが重要ですが、会計上の処理についても注意しなければならないことがあります。
家賃が滞納してすぐに支払われなければ、当然売り上げは減ります。仮に3か月家賃が滞納すれば、回収できるまでは家賃3か月分売り上げがマイナスになります。
ところが、大家さんの会計上は家賃滞納が発生したとしても、すべて売り上げとして計上しなければならないのです。(※現金主義会計の場合は例外あり)
ということはどうなるのかというと、滞納家賃が回収できていなくても売り上げとして計上することになるため、税金はしっかり課税されてしまうのです。つまり、もらってもいない家賃でも課税対象になってしまうのです。
だからこそ、家賃滞納は素早く対処する必要があるのです。
回収の見込みがなくなった場合の会計処理について
このように、家賃滞納が発生しても会計上は売り上げとして計上して確定申告をすることになります。
もしも家賃滞納者が自己破産などして退去した場合、実質的には回収できる見込みはなくなってしまいます。この場合、今度は「貸倒損失」として家賃滞納分を経費として計上する処理ができるようになります。ただ、すでに確定申告は終わっているため、「更正の請求」によって申告して、多く納めた税金を返してもらうことになります。
なお、貸倒損失が認められるためには、回収不能であるとする明確な根拠が必要になりますので覚えておきましょう。
おわりに
このように、家賃滞納が万が一発生してしまうと、もらってもいない家賃に税金が課税されるという最悪の事態に陥ります。家賃滞納はちょっとした工夫で格段にその発生率を抑えることができますので、今回解説した3つのポイントを中心に、日頃から素早い対処を心がけましょう。
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