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  1. 「脱税捜査」クラウドメール押収、夜間の強制捜査も可能に…どんな変化があるか?

税務調査

「脱税捜査」クラウドメール押収、夜間の強制捜査も可能に…どんな変化があるか?

「脱税捜査」クラウドメール押収、夜間の強制捜査も可能に…どんな変化があるか?

脱税調査が大きく変わるかもしれない。財務省と国税庁が脱税調査に際し、クラウドなどインターネット上に保存されているメールの押収や夜間の強制捜査を可能にするなど、国税の査察権限の強化について検討を始めたと日本経済新聞(10月10日)で報じられた。国税反則取締法を68年ぶりに改正し、国税通則法に編入することも検討する。

記事によれば、現在はIT関連の機器に保管される情報は、任意での提出だ。これを法改正により、査察官がパソコンを差し押さえ、被疑者の同意がなくてもデータの複写ができるよう法的権限をもたせるほか、クラウド上のデータも、運営主体の企業に開示を要請して収集できるようにする。

時代にあわせて、大きな改革が行われようとしているようだ。税理士は今回、検討されている法改正をどう見ているのか。島田弘大税理士に聞いた。

●条文はカタカナ、文語体の「国税犯則取締法」

国税犯則取締法は、国税に関する犯則事件に関する調査の手続き等や収税官吏の権限等を定めたものです。いわゆる「マルサ(国税局査察部)」による強制捜査も、国税犯則取締法に基づくものです。

この法律は、68年間、変えられていません。明治33年にその前身である法律が施行され、昭和23年に調査権限の一部改正が行われ、名称も現在のものに変更されました。しかしそれ以降、ほとんど形を変えずに現在に至っているのです。

条文もカタカナ、文語体のままであり、また22条で構成される短い法律です。

そのため、法律の内容が現在の状況に即さず、国税査察官が脱税調査、摘発を行う際に、支障が出る可能性がありました。被疑者から必要な情報が得られないほか、実務的にも犯則調査手続全般に渡って、時代にあわせた詳細な規定の整備が必要だと指摘されていました。そのような背景があり、必然的に今回の改正の話が出たと考えられます。

●増える「国際的な税逃れ」にも対応できる法改正を

「パナマ文書」で注目されたように、脱税の手法は、日本国内だけで完結せず、海外の租税回避地(タックスヘイブン)などを利用した国際的な税逃れが増えていくとみられています。

今回検討されている改正が施行されれば、国際的な税逃れを防ぐための、各国との連携強化にもつながる可能性もあります。

たとえば、海外の税務当局から現地の被疑者の情報について照会があった場合に、その被疑者との関係が疑われる日本の企業や個人に関するIT情報を収集し、その情報を円滑に海外の税務当局に提供することができるようになる可能性もあります。

●世界で、時代にあわせた税逃れ対策が整備中

なお今回、検討されている法改正は、国際的な税逃れ対策の一連の流れの中にあります。2014年には、OECD(経済協力開発機構)が、共通報告基準に基づく「非居住者に係る金融口座に関する自動的情報交換」を策定しています。

日本でも平成27年度税制改正において、国内に所在する金融機関から口座保有者の氏名、口座残高、利子・配当等の年間受取総額等の情報を報告させる制度が導入され、2017年1月1日から施行されます(初回の情報交換は2018年9月30日までに行われる予定)。

この制度により、国税庁が日本所在の金融機関における非居住者情報を提供する一方で、国税庁も外国税務当局から、日本の居住者がその外国の金融機関に保有する口座情報の提供を受けられる可能性があることになります。

このように、今回検討されている国税犯則取締法の改正だけでなく、時代の流れに合わせた税逃れ対策が国際的にも着々と整備されています。一方で、利用者のプライバシー保護を十分に考慮する必要もあるため、バランスをどれだけ保った整備がされるかが重要ではないでしょうか。

【取材協力税理士】島田 弘大(しまだ・こうた)

税理士海外取引のある中小企業支援に特化した税理士事務所を運営。税務申告だけでなく、中小企業が日々直面する海外取引に係る国際税務コンサルティングを強みとする。シンガポールを中心に東南アジア進出支援の実績多数。

事務所名 : 島田&アソシエイツ国際税理士事務所

事務所URL: http://shimada-associates.com/

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