【就活生向け】就職活動に役立つ財務諸表の読み方

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【就活生向け】就職活動に役立つ財務諸表の読み方

就職活動のスケジュール見直しがなされ、選考が6月から開始されるという方針が打ち出されるも、大学側の反対から再び8月開始になる可能性もあり、2017年卒の皆さまは就活に対して不安を抱いている人もいるのではないでしょうか。

そんな不安を少しでも解消するために、今から就活時に役立つ知識を身につけてはいかがでしょうか。財務諸表の読み方を覚えるだけで企業研究の質が変わってきます。

この記事では、就職活動で企業研究をするのに役立つ財務諸表を見るポイントをピックアップして簡単にまとめました。

目次

財務諸表とは

財務諸表とは、企業の営業成績や財務状況を記した書類のことで、その企業の状況を外部に向けて発信するための計算書類のことを意味します。財務諸表には損益計算書貸借対照表キャッシュフロー計算書と大きく分けて3つの書類で構成されています。

財務諸表は企業が公開している決算短信や有価証券報告書から見ることができます。企業のホームページやEDINETからダウンロード出来るので、就職活動の企業研究として、この記事を参考に、事前に確認すると良いでしょう。

損益計算書を見るポイント

損益計算書とは、その企業の一定期間の収益と費用の状態を表す書類です。この書類からは、その企業の一定期間における営業成績を見て取れます。

損益計算書で重要な6つの項目

損益計算書の中で重要な項目は以下の6つです。

売上高

企業が営業活動によって稼いだお金を売上といい、その合計が売上高となります。売上高でその企業の規模を測ることができます。

売上総利益

売上総利益とは、売上から仕入れなどの費用(売上原価)を差し引いたものです。

営業利益

営業利益とは、売上総利益から経費(販売費及び一般管理費)を差し引いたものです。企業の本業による利益を表しています。

経常利益

経常利益とは、営業利益に企業の本業以外の収支(営業外収益-営業外費用)を加えたものです。

税引前当期純利益

税引前当期純利益とは、経常利益に特別損益(特別利益-特別損失)を足し合わせたものです。

当期純利益

当期純利益とは、税引前当期純利益から税金(法人税等)を引いたもので、この項目の数字が企業の経営活動の成果を表しています。企業が儲かったか否かを判断することができる項目です。

損益計算書から分かること

損益計算書では、その企業の儲けを知ることができます。企業の儲けは企業の成長の指標なので、損益計算書でしっかりと確認しておきましょう。

注意しなければならないのは、売上高は会社の儲けを表しているわけではないということです。売上高が高くても、費用が多ければその企業が十分に儲けているとは言えません。

そこで、売上高利益率という指標に注目しましょう。売上総利益を売上高で割ったものが売上高利益率です。この率が高ければ、収益性のある魅力的な商品を保有しているということになります。

損益計算書の見方の例

以下の表はあくまで例なので、実際の損益計算書よりも区分を少なくし、わかりやすくしてあります。また、計算がしやすくなるよう数字も簡単なものにしました。

この表では、売上高が250億円、売上総利益が50億円なので、売上高利益率は20%となります。一般的に売上利益率が10%を超える企業は儲かっていると言われるので、この企業はかなり儲かっていると言えるでしょう。

貸借対照表を見るポイント

貸借対照表とは、その企業の一定期間の資産、負債、純資産の状態を表す書類です。この書類からは、会社がどのように資金を集め、どのように保有しているかといった企業の財政状況を見て取ることができます。

貸借対照表の重要な5項目

貸借対照表の中で重要な項目は以下の5つです。

流動資産

資産とは、会社が集めたお金を表しています。流動資産はそのうち1年以内に現金化することのできる資産のことを指します。有価証券や預金がこれに当てはまります。

固定資産

固定資産とは、土地など長期に渡って保有するような資産を指します。

流動負債

負債とは、簡単に言えば借金です。流動負債はそのうち1年以内に返さなければならない借金を指します。

固定負債

固定負債とは、1年以後に返済しなければならない借金を指します。社債などがこれに当たります。

純資産

純資産とは、投資家から集めた資金とこれまでの会社の利益の合計です。

貸借対照表から分かること

貸借対照表を見る場合は、負債の項目に注目しなければなりません。いくら利益をあげていても、借金が多ければ経営が圧迫されてしまいます。

ここでは、自己資本比率にも注目しましょう。自己資本を総資本で割ったものが自己資本比率です。この率の高さは企業の安定性を表しています。

貸借対照表の見方の例

以下の表はあくまで例なので、実際の貸借対照表よりも区分を少なくし、わかりやすくしてあります。また、計算がしやすくなるよう数字も簡単なものにしました。

貸借対照表では、負債の部と純資産の部を足したものが資産の部と等しくなります。負債の部と純資産の部を足したものを総資本と呼びます。また、純資産のことを自己資本と呼びます。

自己資本比率を計算してみましょう。総資本が6,500億円、自己資本が1,000億円なので、自己資本比率は約15%となります。一般的に自己資本比率が20%を下回っている会社はリスクがあると言われるので、この会社のリスクは比較的大きいと言えるでしょう。

キャッシュフロー計算書を見るポイント

キャッシュフロー計算書とは、期首にいくらキャッシュがあって、期末にいくらキャッシュが残っているのかを示しています。つまり、ある企業のお金の流れを見て取ることができる書類です。この書類から倒産リスクなどを見て取ることができます。

キャッシュフロー計算書の重要な3項目

キャッシュフロー計算書で重要な項目は以下の3つです。

営業活動によるキャッシュフロー

営業活動によるキャッシュフローとは、本業による収入と支出の差額を表しています。

投資活動によるキャッシュフロー

投資活動によるキャッシュフローとは、株などの取得、売却のお金の流れを表しています。

財務活動によるキャッシュフロー

財務活動によるキャッシュフローとは、お金の不足分をどう補ったのかを示す項目です。

キャッシュフロー計算書から分かること

営業キャッシュフローが少ない、あるいはマイナスである場合、その企業は資金繰りがうまくいっていない可能性があります。

投資活動によるキャッシュフローがマイナスである場合、その企業が設備投資などに積極的に資金を回している可能性があります。成長著しい企業は積極的にお金を借りるため、財務活動によるキャッシュフローはマイナスであることが多いです。

おわりに

財務諸表には様々な情報が記載されているということがおわかりいただけたでしょうか。この記事が、就活を控える皆さまの企業研究の参考となり、最適な就職先を見つけることの一助になれば幸いです。

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