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格安「10万円」物件続出、越後湯沢のリゾマンで見た「希望」 地元「負動産にはしない」

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格安「10万円」物件続出、越後湯沢のリゾマンで見た「希望」 地元「負動産にはしない」
湯沢町の中でもリゾートマンションが集中する岩原高原エリア

スキーブームの象徴とも言える、リゾートマンションが林立する新潟県湯沢町。バブル崩壊やスキー人口の減少とともに、マンションの資産価値が下がりゴーストタウン化しているという報道を目にします。一方で、最近はリタイアしたシニア世代が移住して、マンション人口は20年前の6.7倍にも増えています。湯沢町や地元のマンション事情に詳しいマンション管理士に今の状況を聞きました。(ライター・国分瑠衣子)

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●“終の棲家”として移住、観光やランチを満喫

2月上旬の月曜日、JR越後湯沢駅は平日にもかかわらず、多くのスキー客でにぎわっていました。駅周辺で話を聞くと、暖冬や新型コロナウイルスの影響で例年よりもスキー客は少ないと言いますが、駅前から出発するスキー場行きのバスは満員で、次のバスを待つスキー客の姿も。しかし、駅から車で十数分の場所に立つ高層のリゾートマンションは駅前のにぎわいが嘘のようにひっそりとしています。

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付近のリゾートマンションに暮らす83歳の女性が、生活の様子を話してくれました。東京出身の女性は2016年に、40数年暮らした都内のマンションから夫婦で引っ越して来ました。夫に視野狭窄症の持病があり、エレベーターがない東京のマンションの生活に不安を感じたといいます。何度か湯沢町のリゾートマンションに住む友人を訪ねたことがあり、土地勘があったことも移住を決断した理由の一つです。

移住後は、マンション内の温泉を楽しみ、地元紙を隅から隅まで読み、気になった県内の観光地を訪ねています。女性は「新聞で見付けた近隣の町のパソコン教室にも通い、インターネットができるようになりました。駅周辺でのランチも楽しんでいます」と話します。通院やスーパーへの買い物は、マンションの循環バスを利用しています。

女性は「私は高齢なので、町や県に貢献できることが少ない。せめて新潟県内の観光や、地元のスーパーを使うことで少しでも町にお金を落としたい」と話します。

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●「実質0円でも買い手がつかない部屋もある」

湯沢町のリゾートマンションには、この女性のように「終の棲家」としてマンションを選んだ人が多く居住しています。湯沢町税務課によると、2020年1月末現在、湯沢町のリゾートマンションは57棟15,000戸があります。湯沢町の人口8212人のうち、マンションで生活する人は、1293人と20年前に比べ約6.7倍も増えました。このうち65歳以上が占める割合は45%に上ります。

なぜこんなに移住者が増えているのでしょうか。リゾートマンションの一つを見学しました。温泉やスポーツジム、温水プールや、眺望の良い談話室に図書室、ビリヤード室といった充実した設備が備わり、快適な印象を受けます。廊下などの共用部も掃除が行き届き、築25年以上とは思えません。東京から新幹線で1時間半と交通の利便性が良いことも人気の理由です。

マンションの価格が急落し、買いやすくなっていることも理由です。湯沢町によると、リゾートマンションの建設が始まったのは1983年で、ピークはバブル期の1990年から1992年にかけてです。多くが実需や投資用に数千万円で販売されました。しかし、バブルがはじけ、価格は暴落しました。

地元の不動産業者は取材に応じませんでしたが、湯沢町のリゾートマンションに詳しく、自身もリゾートマンションで生活するマンション管理士の大竹久美さんは「価格が売り出した当時の10分の1に下がったり、10万円の部屋、立地によっては実質0円でも買い手がつかないというところもあります」と明かします。実際、湯沢町の複数のリゾートマンションの周辺を歩きましたが、外から見ても人の出入りが少ない場所が目立ちました。

駅前の不動産会社の前に張られている物件情報を見ても、1LDKで75万円など100万円を切る価格でリゾートマンションが販売されています。マンションの本体価格は手ごろですが、他に管理費や修繕積立金、固定資産税がかかってきます。

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実際、湯沢町のリゾートマンションの固定資産税は東京より高いと言われています。湯沢町税務課の担当者は「マンションは豪雪地帯向けの仕様で鉄筋が多く使われていて、共用部分も広い。このため居住部分が同程度でも東京で50,000円だった固定資産税が倍になるケースもあります」と説明します。完成当初よりも固定資産税が6割ほど下落しているマンションもありますが、物価の上昇率も加味するので、納税者が考えるほど下がっていないといいます。

2018年度の湯沢町の固定資産税は28億5,000万円で、町税収入の約8割を占めています。このうちリゾートマンションの固定資産税の割合は約3割です。マンション管理組合からは「実際の取引価格に応じた、固定資産税の評価額にしてほしい」と要望がありますが、町税務課は「総務省の評価基準で算定する現行を変える計画はありません」と回答しています。

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●「“負動産”にしない」官民で対策

「マンション内で高齢の一人暮らしの方が亡くなり、親族を呼んで火葬を済ませたのですが、マンションに骨つぼを置いて帰りました」。大竹さんは昨年、町とリゾートマンション管理組合の会議を傍聴し、あるマンション管理組合の報告に大きなショックを受けました。マンションに住む人の高齢化が進み、認知症のケアも課題になっています。

大竹さんは「湯沢町は温泉もスキー場もある素晴らしい町。リゾートマンションを“負動産”にしてはいけない。マンション管理組合が中心になり、マンションの質を高めることで、資産価値を下げない工夫はできる」と強調します。

その第一歩として、大竹さんは国土交通省の補助金を活用し、町などと連携しながら、今年1月にマンションの入居者に向けた冊子を作成しました。冊子には災害に備え、用意したほうが良い物品のリスト、部屋を売却する時の留意点、入居者の判断能力が不十分になる前に財産管理や手続きを委任できる「財産管理委任契約」などの制度についても説明しています。

今は一部のマンションのみの配布ですが、今後は湯沢町や全国のリゾートマンションで活用してもらう考えです。大竹さんの取り組みのほかにも、湯沢町ではリゾートマンションの一部を民泊施設として活用し、外国人観光客を呼び込もうという新たな動きも出ています。

湯沢町以外にもバブル期に建設されたリゾートマンションは全国にあります。再生への“特効薬”はないのかもしれませんが、官民が連携して、資産価値を下げない地道な努力が求められています。

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