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フェイスブックの仮想通貨「リブラ」の衝撃 国家の法定通貨を超える日はくるか

フェイスブックの仮想通貨「リブラ」の衝撃 国家の法定通貨を超える日はくるか
リブラの公式サイト(https://libra.org/en-US/partners/)では、パートナー企業が公表されている

2017年に起こった「仮想通貨バブル」。bitFlyerのデータによると、ビットコインの価格は、2017年12月7日に終値ベースで2,210,000円を記録しています 。その2年前の2015年12月7日の終値は49,250円なので、2年間で約45倍になったことになります。この時期に230万円でビットコインを購入していたら2年間で約1億円になったわけです。

その後、仮想通貨バブルがはじけ2018年12月には36万円まで値を下げました。最近はかなり回復し130万円台まで戻ってきています(2019年6月29日現在)。そんな中、6月18日に、フェイスブックが新たな仮想通貨「リブラ(Libra)」を発表しました 。

リブラは、フェイスブックだけでなく、VISA、MasterCard、Uberなど、名だたる企業30社が参加しています 。この発表を受け、各国の政治家、金融当局、米議会は猛反発をしています 。今回は、そんな話題に事欠かない仮想通貨の最新情報と個人にかかる税金について解説します。(ライター・メタルスライム)

●法定通貨と一定比率で交換できる「ステーブルコイン」

リブラの特徴は、法定通貨と一定比率で交換できる「ステーブルコイン」であるという点にあります。ビットコインとは異なり、資産の裏付けがあり価格が安定しているので、通常の通貨と同じように決済に利用できます。フェイスブックの利用者は世界に約27億人もいるので、これらの人がリブラを使うようになれば、どの通貨よりも利用者が多いことになります。

リブラを使ってあらゆる支払いができるようになれば、自国通貨に両替する必要がなくなります。そうなると、国が発行するお金が必要なくなってしまい、新興国などでは法定通貨以上の信用力を得るようになるかもしれません。

●各国金融当局は否定的な見方

各国金融当局は、システム障害やマネーロンダリングへの対策が十分でないとしてリブラに対し否定的な見方をしています。本音は国家の通貨発行権に対する脅威を感じているのと金融政策が事実上できなくなることへの反発だと思われます。今後、政府や金融当局がどのような規制をしてくるのかわかりませんが、反応の早さを見る限り、危機感は相当なものだと言えるでしょう。

●電子決済サービスと連携、次世代通貨になる可能性

お金の歴史を振り返ると、物々交換から始まり、金や銀などの貨幣が誕生し、その後、金を担保とする紙幣が生まれ、現在は国家の信用を背景にする紙幣に変わっています。ところが、紙幣は国際間取引を想定しておらず、為替変動リスクがあり、送金や両替に高額な手数料が発生します。

そこで生まれたのが「仮想通貨」です。仮想通貨は、瞬時に国際間の決済をすることができ、手数料も安いという利点があります。リブラの登場は、紙幣から仮想通貨への大きな歴史的転換になるのでしょうか。

実は、世界的に見れば、既に紙幣を使うシーンはかなり減ってきています。給与は銀行に振り込まれ、支払いはクレジットカードやPayPalなどの電子決済で支払われるので、紙幣を使う機会はほとんどないと言っていいでしょう。通貨の意味は、商品やサービスの価値を示す尺度にすぎないものになっています。

リブラが注目されるのは、フェイスブックだけでなく、VISA、MasterCardと言った世界最大規模のクレジット会社とPayPalといった電子決済サービスとも組んでいるとことにあります。クレジットカードの加盟店でリブラが使えるようになれば、世界中の店でリブラが使えることになります。また、小規模な店舗でもPayPalのような電子決済は簡単に導入できます。このように支払いの決済手段となっている企業と組んでいるところが次世代通貨となりうる現実味を帯びさせているのでしょう。

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●仮想通貨の税金の取扱い

このように、将来性が期待される仮想通貨ですが、様々な仮想通貨が発行される中、ビットコインのように莫大な利益が出ることもあります。そのような場合に、気になるのが税金です。国税庁は、仮想通貨の取引から生じる利益は「雑所得」に区分されるとの見解を示しています。

日本の所得税は、性質に応じて所得を10種類に区分しています。その中で、「雑所得」というのは、残り9つの所得にいずれにも該当しない所得を指します。つまり、よくわからない所得は全て「雑所得」になります。ただし、事業として仮想通貨を使用している場合には「事業所得」になる場合があります。

雑所得は、他の所得とは損益通算できず、「総合課税」となります。また、損失が出た場合でも、損失の繰り越し控除はできません。総合課税は、所得額に応じて税率が変わるので、最大で45%の税率になります。そのため多額の収益を得た人は、その半分近くは税金で持っていかれることになります。なお、2017年7月には消費税法の一部が改正され、仮想通貨の取引について消費税は非課税となりました。

なお、所得が発生する場面としては、次の4つが考えられます。

① 仮想通貨を売却した場合
たとえば、仮想通貨を50円で買って、100円の時に売るような場合です。売却時の価格100円から取得価格50円を差し引いた額50円が所得となります。

② 仮想通貨で商品などを購入した場合
たとえば、仮想通貨で冷蔵庫を購入したような場合です。冷蔵庫の価格と、仮想通貨の取得価格の差額が所得となります。

③ 仮想通貨を別の仮想通貨と交換した場合
ビットコインをリブラと交換したような場合です。リブラのその時点での取得価額とビットコインの取得価額の差が所得金額となります。

④ マイニングにより仮想通貨を得た場合
仮想通貨の取得価額に相当する金額を収入金額とし、マイニングに要した費用を差し引いた額が所得なります。

ここで、何度も仮想通貨を購入している場合、取得価格をどうするかが問題になります。国税庁の見解によれば、「移動平均法」で計算するのが相当であるが、「総平均法」でも差し支えないとしています 。

移動平均法とは、仮想通貨を購入するたびに購入額と残高を平均する方法で、総平均法とは、1年間の仮想通貨の購入額を平均する方法です。取得単価の計算のタイミングがその都度行うのか、1年間で計算するかの違いだけで最終的な所得に変わりはありません。ただ、所得税は累進課税制度を採用しているので、税率が高い年に取得原価が低くなると納税額が高くなる可能性があります。

雑所得が発生した場合、確定申告が必要になりますが、給与所得者のように確定申告していない人については、利益が20万円以下の場合には確定申告は不要です。

●仮想通貨は現金に勝てるか?

現時点では、仮想通貨が現金を脅かす存在にまではなっていませんが、将来どうなるかは全くわかりません。消費税の増税に伴い、軽減税率の適用(2%の還元)が検討されていますが、政府はキャッシュレスをその条件としています。その狙いは、現金だとお金を使わないから、キャッシュレス化にしてお金を使わせることにあります。しかし、それがあだとなって、リブラなどの台頭を後押しすることになるかもしれません。

仮想通貨で支払うことが当たり前の世の中になった場合、支払履歴などから与信管理もAIで行えるようになり、銀行は不要になります。現金が必要なくなり、紙幣の印刷、硬貨の製造、現金の輸送、ATMなどあらゆるコストが大幅に削減できます。税という側面でも現金に比べ履歴が全て残るので脱税はしにくくなるでしょう。

このようなメリットがある反面、民間企業が通貨発行権のような力を持って良いのか、全ての取引履歴を民間企業が独占することの危険はないのかなど、解決しなければならない問題があることも事実です。今後、仮想通貨がどのような規制を受けるのか、国や中央銀行が自ら仮想通貨を発行することになるのか、これから数年間は目が離せない状況が続きそうです。

<参考情報>
リブラ公式サイト
https://libra.org/en-US/

「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」国税庁
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq.pdf

「フェイスブック仮想通貨Libra 20年、ビザなど30社参加」(日本経済新聞、6月18日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46264260Y9A610C1MM8000/

「Facebookの仮想通貨『Libra』に早くも米議会から懸念の声」(CNET Japan、6月20日)
https://japan.cnet.com/article/35138747/

(税理士ドットコム トピックス)

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