最近注目の「マイクロ保険」と「ミニ保険」とは? 知っておきたい新しい保険のかたち

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最近注目の「マイクロ保険」と「ミニ保険」とは? 知っておきたい新しい保険のかたち

著者: 工藤 崇 ファイナンシャルプランナー(AFP)

生命保険では加入前に、持病を有していないか、健康状態はどうかなどの健康調査が実施されます。健康調査が問題なしと判断されると、保険ごとに設定された保険料を支払い保障開始となりますが、実際はこの時点の健康状態は千差万別です。

万事健康体の人もいれば、生活習慣病予備軍の人もいるのが実情と言えるでしょう。一律の保険料に納得がいかず、「私だったらもっと低い保険料でいいはずなのに」という声もあります。

このような要望に対応した保険が、最近注目され始めている「マイクロ保険」です。今回は、このマイクロ保険に注目して、これからの保険のかたちを一緒に考えてみましょう。

目次

生命保険と損害保険におけるマイクロ保険

マイクロ保険に属しているある保険では、腕にリストバンドをつけ、血圧や体脂肪、心拍数などを計測します。長期的には体重の推移などを計測することも可能です。

これらのデータはリアルタイムで保険会社に運ばれ、保険会社は健康状態による保険加入の可否を判断します。さらに的確な保険料までも算出してくれます。

当初は「リストバンド等をつけるのには抵抗があるのでは?」という疑問の声もありましたが、Apple Watchなどのスマートデバイスの流行以降は抵抗感が少なくなっているようです。

また、損害保険の事例もあります。アメリカのマイクロ保険は、スマートフォンを活用してリアルタイムな加入を可能にした保険が多く、「オンデマンド保険」とも呼ばれています。

このような例は日本の損害保険にも見られ、東京海上日動の「ちょいのり保険」という自動車保険では1日(24時間)単位で加入できるという短期的な保険の加入を実現しています。

今になってマイクロ保険市場が活性化した理由

では、なぜマイクロ保険はこれまで提供されてこなかったのでしょうか。これには、日本における保険業界のかたちが深く関わっています。

保険業界は、大手の生命保険会社、損害保険会社数社が常に存在感を示してきました。これらの会社が提供する保険は、投下するコスト面から見ても、商品開発の規模感を見ても、ある程度広い市場を抑えなければなりません。その結果、先に取り上げた新しいサービスの柔軟性は持てずに手つかずになっていたといった状況です。

そこにベンチャー企業などが参入し始めてきたのです。

さらに、これらは相乗効果を生みました。大企業は、自社で開発するスタンスに追加してベンチャー企業への出資を検討するようになり、大企業とのベンチャー企業が連携した事例が増えています。双方の資産を活用したオープンイノベーションの保険が、保険業界を変革するかもしれません。

このような環境でマイクロ保険も、今後さらに提供の場を増やしていくことでしょう。

ミニ保険とマイクロ保険は何が違うのか

また、さらに注目されているのが、ミニ保険(少額短期保険)です。

主にペット保険や家財保険などが代表的ですが、従来の火災保険のように包括的ではなく、そのなかの「家財のみ」にかけられる保険や、満員電車で痴漢に間違われたときの弁護士費用なども登場しています。

日常における「まさか」に対してかけられるこれらの保険は、既に多くの企業が参入しています。ミニ保険の市場規模は、2014年末時点で約640億円と、拡大基調にあるのです。 本来は既存の保険の一種であるミニ保険と、ベンチャー企業が主体することが多いマイクロ保険は、厳密にはまったく別物です。

しかし、一般的にはまだ新しい保険として、ミニ保険とマイクロ保険が混在して使われることも多いのが現状です。そのため、これから少しずつ時間をかけて、それぞれの「再定義」が定まっていくことでしょう。

おわりに

現在は、ミニ保険として認識されているサービスも、世の中の認知が進むにつれ数年後にはマイクロ保険として認識されるようになっているかもしれません。いずれにしても、ユーザーの選択肢が広がり、様々な保険が世の中をより良くすることに期待したいものです。

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