大谷はエンゼルス残留するも移籍問題は消えず…年俸が高騰したら税金はどうなる?
税金・お金

トレードが注目されていたエンゼルスの大谷翔平投手のトレード期限を迎えたが、移籍しなかった。今シーズンは引き続きエンゼルスで戦うことになる。
報道によると、ヤンキース、パドレス、ホワイトソックスなどがオファーを出していたが、結局はエンゼルスが手放さなかったという。
ただ、今後、オフには再びエンゼルスと契約を結び直すか、移籍するかの決断があり、残留したとしても、来オフにはFAになり争奪戦の可能性があるそうだ。
そこで気になるのが、大谷の年俸がどこまで跳ね上がるのかだが、米メディア「ESPN」のジェフ・パッサン記者が以前、独自に妥当な年俸を試算して話題になった。
パッサン記者の試算では、投手としては、マックス・シャーザー(メッツ)の年俸4330万ドル、打者としての実力はマット・オルソン(ブレーブス)の年俸2100万ドルと比べて、大谷はこれを合わせた6400万ドル以上の価値がある、としている。
もし、大谷が現在の年俸の550万ドルから、6400万ドルに跳ね上がった場合、税金も超高額になりそうだが、どれくらいなのか。福留聡税理士に聞いた。
●米国所得税はどうなる?
前提として、独身でカリフォルニア州(アナハイム)在住として、年俸=事業利益として所得税を算定します。
550万ドルは1ドルおおむね131円のため、7億2050万円、6400万ドルは83億8400万円になります。
米国在住183日以上で米国所得税の申告義務者になります。なお、カリフォルニア州は住んでいる間の所得全てに対して州税がかかります。
ちなみに、大谷選手は日本の所得税法上は非居住者のため(国内に「住所」があり、または、現在まで引き続いて1年以上「居所」がある個人である居住者以外を非居住者と言います)、国内源泉所得(日本国内で獲得した所得)のみ所得税率20.42%で日本の所得税が源泉徴収されますが、今回のケースでは、日本での収入はないものと仮定し日本の所得税は0と仮定します。
大谷選手の現在の米国連邦所得税は550万ドル×37%(最高税率)=203.5万ドル、1ドルおおむね131円のため、米国所得税はおおむね2億6658万円になります。
6400万ドルに上昇した場合は、6400万ドル×37%(最高税率)=2368万ドル、1ドルおおむね131円のため、米国所得税はおおむね31億208万円になります。
●カリフォルニア州税はどうなる?
さらに、カリフォルニア州税は、最高税率の12.3%が適用されます。計算式は、60,789.92ドル + 12.3%×(625,369 ドルを超える部分)となります。
現在の年俸の550万ドルを当てはめると、60,789.92ドル+12.3%×(5,500,000ドル-625,369ドル)=660,369.533ドル、1ドルおおむね131円のため、カリフォルニア州税はおおむね8,650万円になります。
所得税+州税を合計すると、おおむね3億5308万円になります。
上昇した場合の年俸6400万ドルを当てはめると、60,789.92ドル+12.3%×(64,000,000ドル-625,369ドル)=7,855,869.533ドル、1ドルおおむね131円のため、カリフォルニア州税はおおむね10億2911万円になります。
所得税+州税を合計すると、おおむね41億3119万円になります。
【取材協力税理士】
福留 聡 (日本・米国ワシントン州)公認会計士、(日本・米国)税理士、行政書士
監査法人で上場企業の監査業務等を経験後、IPO支援、決算支援、IFRS導入支援、日米の法人の税務顧問等を行っている。本、雑誌、DVD等で約50の出版をしており、代表的な著作として『7つのステップでわかる税効果会計実務入門』がある。
事務所名 : 福留聡税理士事務所、福留聡国際会計アドバイザリー株式会社、福留聡クラウド会計給与合同会社
事務所URL:http://www.cpasatoshifukudome.biz/