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「マイナンバーカードでマスク購入を管理できる」ってホント? ICチップの活用可能性

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「マイナンバーカードでマスク購入を管理できる」ってホント? ICチップの活用可能性
写真はイメージです(Satoshi KOHNO / PIXTA)

新型コロナウイルスの感染拡大で、マスクの品薄状態が続く中、参議院予算委員会で、平将明副内閣相がマスクの管理について「マイナンバーカードをしっかり普及させれば、技術的に難しくないのでは」と発言しました。

この発言に対し、インターネット上では「新型コロナの混乱に乗じて、国民の買い物を監視する仕組みを入れるなんてやめてほしい」「マイナンバーカード普及に繋げ、市民を管理しようとする姿勢には恐怖すら覚える」などの批判の声が上がりました。

どのような仕組みを使えば、マイナンバーカードでマスクを管理できるのでしょうか。マイナンバーカードの機能や意義とともに考えてみました。(ライター・国分瑠衣子)

●あれば何かと便利、でも普及率はわずか15.6%

毎日新聞の報道によると、3月5日の参院予算委員会で自民党の小野田紀美氏が、台湾ではマスクを実名で買う制度や、購入履歴による買い占め防止策をとっていると説明し、日本政府に導入を求めました。

平氏は「台湾はICチップが入ったIDカードをほぼ全国民が持っている」と、日本とは状況が異なるとした上で「マイナンバーカードが普及すれば、ICチップを使って、(マスクを)一人いくつとかを管理できる」と述べました。

そもそものおさらいですが、マイナンバーとは、日本国内の全住民に12桁のマイナンバーを付番するものです。2015年に家族の人数分の12桁の番号が書いた紙の通知カードが自宅に届いたことを覚えているでしょうか。

マイナンバーの通知後、個人の申請で交付されるのが顔写真とICチップが付いたマイナンバーカードです。自分で居住する自治体の窓口に行って、申請しなければマイナンバーカードは交付されません。

マイナンバーカードがあれば、役所の窓口に行かずにコンビニエンスストアで住民票の写しや印鑑登録証明書を発行できたり、確定申告の時に電子申請したりすることができます。さらに政府のオンラインシステム「マイナポータル」を使えば、自治体によっては、保育園の入園やマラソン大会の申し込みなどができ、活用が広がっています。

しかし2020年3月9日現在、マイナンバーカードの発行枚数は1989万3418枚、普及率はわずか15.6%にとどまっています。早くからマイナンバーの活用を提唱し「デジタル経済と税」(日本経済新聞出版社)などの著書がある、東京財団政策研究所の森信茂樹研究主幹は、普及しない理由について「12桁の番号が知られると、個人情報が漏洩されると誤解している人がいる。日本人の国に対する不信感もあるのではないか」と指摘しています。

あまりにも低い普及率をなんとかしようと、国はあの手この手で策を講じています。2021年3月からは、マイナンバーカードを健康保険証として使えるようになります。オンラインで医療保険の資格を確認できるようになるため、就職や転職で保険証の切り替えを待たずにマイナンバーカードで医療機関を受診できるほか、医療費控除の申告もスムーズになります。

●台湾はIDナンバーでマスク購入履歴を管理

一方、新型コロナウイルスへの対応で評価されているのが台湾です。台湾では国がマスクの製造事業者から全量を買い上げ、指定の薬局などに配給していて、国民が薬局で健康保険証を提示すれば受け取れるようにしています。

台湾の健康保険証はICチップ付きで、日本のマイナンバーに当たるIDナンバーが記載されています。国はこのIDナンバーに紐づけて購入履歴を管理しています。マスクの転売を防げているのは、クラウド上で購入履歴が管理されているからだと言われています。

日本のマイナンバーカードで同じことができるのでしょうか。まずマイナンバーカードの普及率が15.6%と低い時点で、台湾のように実名で購入する制度や、購入履歴を管理することは難しそうです。

それではマイナンバーカードが普及したとして、どの仕組みを使えばマスク管理ができるのでしょう。平氏の発言内容について、内閣府の担当者に聞いてみると、今のところマイナンバーカードのICチップをマスク管理に使う検討はしていないとした上で、「『技術的に難しくないのでは』という副大臣の発言の前後の内容を確認すると、マイナポイントの仕組みを想定した発言と考えられます」と話します。

マイナポイントとは消費増税後の景気促進策で、消費者がマイナンバーカードを使って登録したキャッシュレス決済で、買い物やチャージをすれば、国から最大5000円分のポイント還元が受けられるというものです。

2020年9月から2021年3月までの期間限定の施策です。今のところSuicaやPay Pay、LINE Payなど23事業者が手を挙げていて、今後増える可能性もありますが、使える決済手段は一つです。

●マイキーIDと何を紐付けてマスク購入を管理するのかがネックに

マイナポイントは、マイナンバーカードのICチップの機能を使います。詳しく言えば、マイナポイントを使う時は「マイキーID」と呼ばれる1人1人異なるIDを取得します。マイキーIDは個人を識別するものですが、マイナンバーとは異なる記号です。このマイキーIDにさまざまなサービスを紐付けて、利便性を図ろうというのが政府の狙いです。

例えば、IDとキャッシュレス決済事業者を紐付ければ、買い物の購入額が把握できます。政府が消費増税による消費落ち込みの対策として実施するとしているポイント還元策はこの仕組みを利用します。また、一部の自治体では、図書館の貸し出しカードと紐付けて本の貸し出しを行ったり、クレジットカードと紐付けて、カードのポイントを地域の商店街で利用できるようにしたりしています。

ではマイキーIDでマスク管理ができるのでしょうか。マイナポイントは決済事業者と紐付け、図書館の本の貸し出しは、貸し出しカードと紐付けますが、マスクは何と紐けるのかが課題になります。

キャッシュレス決済で紐づけたとしても、マスク以外の買い物も含まれてしまうので、膨大な買い物のデータが国のクラウドに積み上がることになり、マスクだけ抽出することは難しそうです。マイナポイントの仕組みを使えば、すぐにマスク管理ができるという簡単な話ではないようです。

マイナンバーカードの普及率が15.6%しかないのでは、どんなに良い施策も「絵に描いた餅」で終わってしまいます。日本は、マイナンバーで政府に個人のデータを管理されたくないという不信感が強いと言われています。国はマイナンバーカードで使えるサービスの利便性を高め、マイナンバーカードに対する国民の疑問や不安に丁寧に説明することが必要ではないでしょうか。

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