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2度目の給付金、やるならどんな方法がいい? 麻生氏「一律10万円はない」と否定的

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2度目の給付金、やるならどんな方法がいい? 麻生氏「一律10万円はない」と否定的
麻生太郎財務相(政府インターネットテレビより)

菅首相は、感染が拡大しているにも関わらず「Go Toキャンペーン」の継続に固執し、結果的に「ステージ4」相当のレベルに引上げ、2度目の緊急事態宣言を発出するにまで至りました。しかし、政府は反省もせず、「20代から30代の無症状の若者が感染を拡大させている」と、若者のせいにするばかりです。

帝国データバンクの資料によると、2021年1月20日現在で、新型コロナウイルスに関連して倒産した数は、全国で916件となっています 。また、野村総研の調査によると、女性のパートやアルバイトで仕事が半分以下に減り休業手当も支払われない「実質的失業者」が、2020年12月時点で90.0万人にのぼると推計されています。

このような深刻な状況から、前回の緊急事態宣言後に行われた一律10万円の特別定額給付金について、再度給付をして欲しいという声が挙がっています。これに対して、麻生財務大臣は、1月19日の閣議後の会見で、「一律10万円のような給付金をやるつもりはない」と発言したことから、若者を中心に反発を買っています。2度目の給付があるとしたら、どのような方法がよいのでしょうか。(ライター・メタルスライム)

●国民への支援、5つの方法

国民への支援の方法はいろいろありますが、有力なものとしては、次の5つの方法が考えられます。

(1)無条件の一律給付
1回目の緊急事態宣言後に支払われた「全国民一律10万円の給付」がこれに該当します。全ての国民に無条件で支給するので、非常にわかりやすく、迅速に支給される方法です。条件の審査が必要ないので役所の負担が少ないのも特徴です。ただ、実際には役所のデジタル化が進んでおらず、オンラインでの入力内容を住民台帳と職員が手作業でチェックするという非効率な作業が発生し、給付がかなり遅れるという問題が発生しました。

【メリット】
・シンプルでわかりやすい
・申請手続きが簡単
・支給が早い

【デメリット】
・デジタル化が進んでおらず、住民台帳との突き合わせが必要
・不必要な富裕層に対しても支給されるためバラマキと批判される
・支給対象者が多く、支払い事務の負担が大きい

(2)一定の条件を満たした者への給付
前回の緊急事態宣言の際に当初政府が考えていたのがこの方法です。前回は、生活困窮者への1世帯30万円の給付が検討されていました。支払対象者が限定されるので、財政負担が少なくて済みます。ただ、前回もそうですが条件を高く設定することで、ほとんどの人が受給できないようにすることも可能であり、政府がポーズとして利用する可能性があります。

【メリット】
・困っている人に手厚い給付をすることができる
・一律給付より財政負担が少ない
・不必要な人に対する支給をしなくて済む

【デメリット】
・条件のハードルを高くして、給付を出し渋る可能性がある
・条件の確認に手間が掛かる
・申請において条件を証明する書面を準備するのが大変

(3)給付付き税額控除
給付付き税額控除とは、簡単に言うと税額控除額より算出税額が少ない場合には税金の還付をするというものです。たとえば、税額控除額を20万円と設定しておいて、算出税額が5万円だった場合、5万円の納税は免除され差額の15万円は還付(現金支給)するというものです。

つまり、この説例の場合、算出税額が20万円よりも少ない人は現金支給を受けられるということです。現行制度では、税額控除によって納税額が0円になることはあっても、差額が還付されることはありません。それを税制改正して、給付付き税額控除とすることで、低所得者に対して現金給付をすることができるようにするということです。

【メリット】
・正確に所得状況を把握して給付することができる
・真に困っている人に支給されるため公平性が高い
・市役所等に負担がかからない
・一律給付に比べ財政負担が少ない

【デメリット】
・制度が複雑なので国民に理解してもらうことが難しい
・確定申告をしないと還付(現金支給)を受けられない
・税制改正が必要で検討に時間を要する
・企業や税務署の負担が増える
・すみやかな支給ができない

(4)所得連動型現金給付
所得連動型現金給付は、税務署に申請があった人に、たとえば毎月10万円を現金で給付し、後で所得が多かった場合には税として徴収するという方法です。「給付付き税額控除」が後で現金を給付するのに対し、所得連動型現金給付は、先に仮払いし、後で精算するようなイメージです。所得が多い場合には税という形で徴収するので確実に回収することができます。

【メリット】
・すぐに給付ができる
・真に困っている人に支給されるため公平性が高い
・市役所等に負担がかからない
・申請手続きが簡単
・必要な人以外申請しないので財政上の負担が少ない

【デメリット】
・税務署の負担が大きくなる
・税制改正が必要で検討に時間を要する
・財務省や国税庁が導入に抵抗する

(5)無担保・無審査融資
無担保・無審査融資は、政府が直接貸し付けるか政府が金融機関に債務保証することで、無担保、無審査で生活困窮者に生活資金を供給する方法です。とりあえず、現金を融資して、確定申告や源泉徴収票において収入が少ないことが確認できたら債務を免除するという方法です。実際に収入が得られた場合には融資として返済をしてもうことになるので、財政負担は少なくて済みます。ただ、回収を確実にするために、マイナンバーと紐付けることを必須の条件にすべきでしょう。

【メリット】
・すぐに給付(融資)ができる
・無担保・無審査のため手続きが簡単
・必要な人以外申請しないので財政上の負担が少ない

【デメリット】
・事後に行う所得の確認作業が大変
・一定の回収業務が発生するので負担が大きい
・借入れに抵抗がある人がおり、必要な人に行き渡らない可能性がある
・マイナンバーの提供に抵抗を示す人がいる

●「一定の条件を満たした者への給付」と「無担保・無審査融資」に実現可能性

コロナの影響が長期化し、失業や廃業などにより、多くの生活困窮者が発生しています。そのような人には、できるだけすみやかに何らかの給付を行うことが必要だと思います。ただ、2回目の緊急事態宣言は、1回目に比べると制限が少ないので、給付の方法は柔軟に考える必要があります。

「無条件の一律給付」は、支給対象者が多く、住民基本台帳との突き合わせ作業が必要なことから給付が遅れるという問題が発生しました。すみやかに現金を支給できないのと、2回目の緊急事態宣言は飲食店を中心とした制限なので、公務員や富裕層も含めた全国民に給付金を支給する必要はありません。そのため、この方法はベストとは言えないと思います。お金をもらえることは誰でもうれしいですが、財政負担を将来の国民に負わせることになるので、慎重に考える必要があります。

「給付付き税額控除」は確定申告などにより還付(現金支給)がなされるものなので、この方法もすみやかに現金を支給することはできません。制度改正にも時間が掛かることから、この制度を利用することはできないでしょう。

「所得連動型現金給付」は、すみやかに現金給付をすることができ、事後的に所得調整が行われるので、簡易版ベーシックインカムとしてコロナに限らず導入が期待されるものです。しかし、財務省と国税庁が猛烈に抵抗することが予想され、実現可能性は極めて低いと思われます。

残るのは、「一定の条件を満たした者への給付」と「無担保・無審査融資」ですが、このどちらかで支援するのが良いと思います。

「一定の条件を満たした者への給付」は、前回も導入が検討されたくらいなので、導入の可能性は高いと言えます。しかし、前回は条件が複雑で受給を受けられる人が極めて限られる内容だったので、その点の改善は必要です。限られた人に支払うというより、無条件一律給付から富裕層など給付が必要のない人を廃除するというような条件にすればよいと思います。

「無担保・無審査融資」については、新型コロナに関して失業した人への貸付として、既に「生活福祉資金(総合支援資金)」の特例貸付があります。しかし、この貸付は、審査が厳しく、融資期間も原則3カ月と短いという問題があります。申請は殺到しているようですが、知らないという人も多いのではないでしょうか。

一から、制度を作るのは大変なので、この貸付制度を改正し、無審査にして、期間を長くすればよいのではないかと思います。その上で、事後的に所得を確認して少なければ免除すればよいのではないかと考えます。もっとも、厚労省は相当抵抗してくることが予想されるので、それこそ、菅首相の得意の人事権を使って改正を断行すればよいのではないでしょうか。

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