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含み益の課税検討で「積立NISA逝く」SNSで拡散 金融庁「関係ないので解約しないで」

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含み益の課税検討で「積立NISA逝く」SNSで拡散 金融庁「関係ないので解約しないで」
拡散したまとめ記事

金融庁の有識者による研究会で出た「含み益に課税を検討する」という意見が発端で、SNS上で「積立NISA」も課税されると騒ぎになっている。最長20年間非課税の積立NISAに本当に影響が出るのだろうか。実際はどうなのか金融庁に聞いた。(ライター・国分瑠衣子)

●発端は金融庁が公開した研究会の議事録

発端は6月上旬に金融庁がホームページで公表した、「金融所得課税の一体化に関する研究会」の議事録だ。金融庁は株式や債券など異なる金融商品の損益を相殺して税負担を軽減する金融所得課税の一本化を求めていて、研究会は租税法の専門家など有識者で構成する。

議事録は有識者の発言が箇条書きで書かれ、「時価評価課税については、対象者全員に強制的に課すべき。一方、含み益に課税されることで、キャッシュフローがないところに課税が生じる可能性がある」などの意見がまとめられていた。

この議事録の公表から、ネット掲示板で、「【積立NISA逝く】金融庁さん、個人投資家の含み益に課税を検討してしまう」と題したスレッドが立ち上がり、さらにまとめ記事が作られ、ツイッターで拡散。2000回近くリツイートされている。これに対するコメントは「NISAに課税するわけないやろ」「これから積立NISA始めようと思って口座開設したのに」など混乱している。

●金融庁担当者は「デリバティブ取引に限定した議論」

金融庁に聞くと、担当者が「【積立NISA逝く】のツイートは、私も見ました」と、騒ぎになっていることを知っていた。積立NISAに関係はあるのか。「全く関係ありません。今回はデリバティブ取引に限定した話です」。

現在、金融商品で損益通算が認められている範囲は、上場株式や特定公社債などで、先物など金融派生商品である「デリバティブ取引」は対象外だ。金融庁は投資家が多様な金融商品に投資して、リスクヘッジできるように「デリバティブ取引」も損益通算の対象にしたい考えだ。

ただ、デリバティブ取引を損益通算の対象にすると、租税回避の懸念が出てくるという。どういうことだろうか。

デリバティブ取引には相反する動きをする「買い」と「売り」を両建てで取り引きする「ストラドル取引」という手法がある。

投資家が、ある年に株式を売却して多額の譲渡益が発生したとする。年末時点で、デリバティブ取引の両建てのうち損失のあった方だけを売却し、実際に損(実現損)を出し、株式の譲渡益と損益通算することで、実質的な損益は出ていないのにもかかわらず課税の繰り延べができてしまうことになる。

このため、時価評価課税を導入し、含み益にも課税することで租税回避を防ごうという狙いだ。米国では既に導入されているという。

突如「積立NISA」が出てきた背景を、金融庁の担当者は「おそらく金融庁が積立NISAを推進していることと、研究会の議事録で出てきた『時価評価課税』などを結び付けてしまったのでは。繰り返しますが、今回の議論はデリバティブ取引に限定した話で、積立NISAとは全く別の話なので、解約しないでほしい」と呼び掛けている。

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