節税にもつながる!子育てサポート企業の証「くるみんマーク」とは?

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節税にもつながる!子育てサポート企業の証「くるみんマーク」とは?

監修: 熊代 克己 税理士

「くるみんマーク」をご存知でしょうか?子育てサポート企業の証である「くるみん」の取得は、働きやすい職場環境が整っていることをPRするだけではありません。企業イメージの向上や人材の確保だけでなく、税制においても優遇措置がとられています。

このページでは、中小企業の方にも是非取得していただきたい「くるみん」に関してまとめました。仕事と子育てを両立しやすいように職場環境を整備し、「くるみん」を取得してはいかがでしょうか。

目次

「くるみん」とは

現在の日本では、少子化対策として、仕事と子育ての両立しやすい環境づくりが、事業主にも求められています。一般事業主行動計画として両立を図るための雇用環境・労働条件の整備を策定、書面にして労働局に届出ることが、従業員数により義務、もしくは努力義務とされています。

「くるみん」は一般事業主行動計画に基づき行動し、さらに複数ある基準を満たし、申請した場合に認定を受けることができます。

認定を受けると使うことのできる「くるみんマーク」は子育てサポート企業としての証です。商品・広告・求人広告などに付け、社外にPRすることができます。

さらに後述しますが、「くるみん」認定事業主は、対象資産を割増償却することのできる優遇税制を利用することができます。

「くるみん」の認定は一般事業主行動計画毎に、何度でも受けることができます。認定回数に応じて「くるみんマーク」の星の数が増えていきます。また、「くるみん」認定事業主のうち、さらに基準の高い取り組みを行った場合には、申請を行うことで「プラチナくるみん」の認定を受けることができます。

「くるみん」の認定基準

「くるみん」の認定を受けるには、次の9つの基準を全て満たさなければなりません。一般事業主行動計画策定の段階から考慮する必要があります。基準を満たすことができるかわからないときは労働局に確認するとよいでしょう。

  1. 一般事業主行動計画の策定にあたり、厚生労働省の定める行動計画策定指針と照らし、適切な目標をたてたか
    行動計画策定指針 の六 一般事業主行動計画の内容に関する事項 1雇用環境の整備に関する事項のうち、未実施のものを1つ以上取り入れます。
  2. 「一般事業主行動計画」の計画期間が2年以上5年以内であること
  3. 計画に定めたとおりに目標を達成したこと
  4. 「一般事業主行動計画」の公表および従業員への周知を行っていること
  5. 計画期間内に育児休暇を取得した男性従業員がいること
    従業員数が300人以下の場合、特例として次の場合でも認められます。
    • 計画期間内に子供の看護休暇を取得した男性従業員がいること
    • 計画期間内に中学卒業前の子を育てる男性従業員が、所定労働時間の短縮措置を利用していること
    • 計画の開始前3年以内に、育児休暇を取得した男性従業員がいること
    • 計画期間内に小学校入学前の子を養育する男性従業員がいない場合、中学校卒業前の子、小学校入学前の孫について、育児を目的とした休暇制度を利用した男性従業員がいること
  6. 計画期間内の女性従業員の育児休暇取得率が75%以上であること
    従業員数が300人以下の場合、計画期間と計画前の最長3年まで合算できます。
  7. 3歳から小学校入学前の子がいる従業員を対象とした、育児休暇や時短に関する制度を導入していること
  8. 所定外労働時間の削減・年次有給休暇の促進・労働条件の整備のいずれかについて具体的な目標を定めて実施していること
  9. 法令を遵守していること

「プラチナくるみん」の認定基準

「プラチナくるみん」は「くるみん」認定事業主が新たに「一般事業主行動計画」を策定し、より高い基準の要件を満たした場合に、取得することができます。要件には「くるみん」の認定要件に加えて、次のようなものが加わります。

  • 男性従業員の育児休暇促進
  • 所定外労働時間の削減・年次有給休暇の促進・労働条件の整備のすべての措置の実施
  • 女性従業員の育児休暇復帰後の在職率
  • 育児休暇復帰後のキャリア形成に関する取り組み

「くるみん」の優遇税制

「くるみん」認定事業主は、一般事業主行動計画に記載し導入した次世代育成支援対策資産を割増償却することができます。この制度を「くるみん税制」といいます。

対象者

青色申告を提出している法人および個人事業主が対象となります。

期間

2018年3月31日までの期間限定です。

「くるみん」の場合
2018年3月31日までに、初めて「くるみん」認定を受けた事業年度1年間

「プラチナくるみん」の場合
2018年3月31日までに、初めて「プラチナくるみん」認定を受けた事業年度から3年間

対象資産

割増償却の対象となる「次世代育成支援対策資産」の代表的なものは次のとおりです。

  • 事業所内の保育施設
  • 事業所内の保育施設に付随する家具・防犯設備・遊具
  • 女性用休憩室(雇用する従業員向け)
  • 多目的トイレ(雇用する従業員向け)

医療・児童福祉・老人福祉・介護・障害福祉を営む事業主については次の資産も対象となります。

  • 乗降補助装置付き自動車
  • 特殊浴槽
  • 特殊寝台
  • 車椅子一体型寝台
  • 移動用リフト
  • 自動排泄処理装置

詳しくは以下の厚生労働省HPをご確認ください。

割増償却率

割増償却はそれぞれ以下の通りです。

「くるみん」認定事業主割増償却率

対象資産常時雇用する労働者が101人以上の場合の割増償却率常時雇用する労働者が100人以下の場合の割増償却率
車両・運搬具及び器具・備品18%24%
建物及び建物付属設備24%32%

「プラチナくるみん」認定事業主割増償却率

対象資産割増償却率
車両・運搬具及び器具・備品12%
建物及び建物付属設備15%

「くるみん」取得の手続き

「くるみん」「プラチナくるみん」ともに、認定の申請は、都道府県労働局雇用均等室基準適合一般事業主認定申請書一般事業主行動計画・認定基準を示す書類を提出します。

「くるみん税制」を受ける場合は、次世代育成支援対策資産一覧表および次世代育成支援対策資産点検表・関係書類(領収書の写し・写真など)も提出します。

書類の不備が無く、基準を満たしていれば認定決定通知書とともにくるみんマーク・押印された次世代育成対策資産一覧表が交付されます。

その後「くるみん税制」適用の申請を受けるには、認定決定通知書・押印された次世代育成対策資産一覧表を税務署に持参します。

おわりに

仕事と子育てを両立できる環境づくりは、これからの事業主にとって必須条件となるでしょう。いまのうちに優遇税制を利用して、環境を整えてはいかがでしょうか。

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