一般社団法人にこそ税理士が必要!その理由や依頼するメリットを解説

一般社団法人は、非営利型法人として認められると多くの税制優遇が受けられます。そのため、一般社団法人に精通している税理士を味方につけることで、節税に有利になります。
そこで、一般社団法人にこそ税理士が必要な理由や、依頼するメリット、どのような基準で選ぶべきかについて、港公認会計士・税理士事務所の井上大輔先生に伺いました。
目次
一般社団法人は顧問税理士をつけるべき?
税理士と顧問契約を結ぶと、当然ながら毎年費用がかかります。また、一般社団法人のうち非営利型の一般社団法人は、非収益事業からの収入は非課税となるため「そもそも税理士が必要かわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。
そこで港公認会計士・税理士事務所の井上大輔先生に顧問税理士をつけるメリットについてお聞きしました。
一般社団法人において顧問税理士をつけるメリットはなんでしょう?
ー 井上 大輔税理士「複雑な会計・税務の支援を継続的に受けられる」
一般社団法人の会計・実務をご自身で勉強することはかなりの時間を要します。本業に専念するためにも、本業と関係性の低い会計・税務業務は専門家へ依頼することをおすすめします。
営利法人であっても、決算作業などは専門性が高くなるため、基本的に税理士の支援を受けることを推奨します。ただし、特に非営利型の一般社団法人においては、会計業務や税務相談を継続的に受けることが必要となります。そのため、決算のみの依頼ではなく、顧問契約をしてしっかりと税理士の継続的な支援を受けることが必須といえるでしょう。
一般社団法人の会計・税務の特徴を教えてください
ー 井上 大輔税理士「営利型・非営利型のどちらに該当するかで会計税務が大きく異なる」
株式会社の場合は、すべての法人が企業会計基準に基づき会計を行います。対して一般社団法人の場合は、企業会計基準や公益法人会計基準などの中から、各法人の判断で適用する会計基準を決定することになります。
税務上は、一般社団法人が「営利型」「非営利型」のどちらに該当するか否かにより異なります。
営利型・非営利型のどちらかについては、非営利性が徹底された法人または共益的活動を目的とする法人のいずれかに該当する場合には非営利型、どちらにも該当しない場合には営利型の一般社団法人となります。
「営利型の一般社団法人」の場合には、基本的に税務上は株式会社などの営利法人と同様に、すべての事業の所得が課税対象となります。営利型の場合でも、株式会社などでは事例の少ない取引(たとえば、寄付金や会費など)があることもあるため、注意が必要です。
一方で「非営利型の一般社団法人」の場合には、事業のうち法人税法上の収益事業に該当する事業から生じた所得のみが課税対象とされ、収益事業に該当しない事業から生じた所得は課税対象となりません。
収益事業に該当するか否かは、物品販売業などの法人税法で規定された34事業に該当するか否かにより判断されます。
一般的に考えられる営利事業・非営利事業とは考え方が異なる部分もあり、また、定款の規定等によるところもあるので、行っている事業が収益事業に該当するか、該当しないかの判断については、公認会計士・税理士を交えて慎重に検討されるとよいでしょう。
さらに、収益事業と非収益事業の両方を営む一般社団法人の場合には、区分経理により、それぞれの事業ごとの所得を計算する必要があることから、会計の方法についても通常の営利法人と異なるため留意が必要です。
一般社団法人に強い税理士の選び方
実際に一般社団法人の方が税理士を探す際に、どのような税理士を選ぶべきかを伺いました。
ー 井上 大輔税理士「自身の類型(営利型・非営利型)で顧問実績のある税理士を選ぶべき」
一般社団法人に強い税理士とは、営利型・非営利型の違いや、収益事業・非収益事業の考え方を理解していることが最低限必要な条件といえます。
できれば、ご自身の一般社団法人に該当する類型(営利型・非営利型のいずれか)の顧問実績のある税理士を選ばれることをおすすめします。
一般社団法人の税理士報酬の相場
一般社団法人における顧問税理士の重要性がわかったところで、気になるのは税理士報酬でしょう。
税理士ドットコムでの実績(※)によると、一般社団法人を営む方が、決算申告のみをスポットで依頼した際の報酬は15万~20万円程度が相場です。
一般的に顧問料は、売上1000万円未満の場合で月額1万〜3万円程度、さらに、確定申告料として月額顧問料の4〜6か月分程度加算されるため、トータルで年間顧問料は20万円程度が相場となります。
ただし、これはあくまで相場であり、実際は税理士に依頼する業務内容によって変わります。契約する前に、事前に詳しい見積もりを出してもらうことをおすすめします。
一般社団法人における税理士費用・顧問料相場については下記の記事で詳しく解説しています。
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