顧問税理士に監査役や監事の兼任を頼める?頼んだときの報酬はいくら?

税理士の無料紹介サービス24時間受付

05075867700

  1. 税理士ドットコム
  2. 顧問税理士
  3. 顧問税理士のハウツー
  4. 顧問税理士に監査役や監事の兼任を頼める?頼んだときの報酬はいくら?

顧問税理士に監査役や監事の兼任を頼める?頼んだときの報酬はいくら?

著者: 河野 雅人 公認会計士・税理士

会社には「監査役」や「監事」という役職があります。いずれも、会社経営を適切に行う上で重要な職務です。これらの職務を、普段から会社内の事情をよく知っている顧問税理士に頼みたいと考える人もいるのではないでしょうか。

では、顧問税理士が、監査役や監事を兼任することに問題はないのか。また、料金はどれくらいかかるか気になるところです。

そこでこの記事では、顧問税理士と監査役、監事の兼任、および報酬相場について解説します。

目次

監査役とは

監査役とは、取締役や会計参与など、会社法で規定された役員のひとつです。取締役の職務執行を監督することが主な役割となっており、監査役の職務は次の2種類に分けられます。

【会計監査】
会社が公表する財務諸表など、計算書類が会計基準に準拠して適切に作成されているかをチェックします。その結果を報告することで、計算書類の信頼性が向上し、株主の利益を守ることができます。

【業務監査】
取締役が行う職務が法令を遵守して、適切に行われているかをチェックします。その結果を報告することで、企業不正や不祥事を防ぐことができます。

要は、取締役が権限を利用して不正を行うことを防ぐために、監査役が置かれています。

なお、監査役は以下のいずれかに該当するとき、職務に就くことはできません。

  • 株式会社または子会社の取締役や支配人その他の使用人
  • 子会社の会計参与
  • 子会社の執行役

簡単にいえば、取締役の指示監督のもとで仕事をする人は、監査役になることはできないことになります。これを認めると、取締役に対するチェック機能が無意味になる可能性があるためです。つまり、たとえば会社の従業員を、従業員の地位のまま監査役にすることはできません。

非公開会社の場合は、監査役がいなくても問題ありませんが、公開会社であれば、設置しなければなりません。監査役の任期は原則として4年間ですが、一定の要件を満たせば最長10年まで延長することができます。

監事とは

監事とは、一般社団法人において理事の職務執行をチェックすることが主な業務です。前述の株式会社における監査役の業務とほぼ同じといえます。

監事は法人の運営が適正に行われるよう、一般社団法人の業務や財産の状況を調査する権限が与えられています。監事を置くかどうかは法人の任意となっていますが、理事会を置く場合は、監事を置くことが必須となります。

上で述べた監査役と同様に、理事の不正行為を発見したときや、不正の兆候を認めた場合、理事会に報告しなければなりません。また、監査役の場合と同様に、理事が作成した計算書類や事業報告書などの監査、およびその結果を報告することも職務のひとつです。

また、監事の資格についても、監査役と同様、理事の職務執行をチェックする機能を確保するため、理事や使用人(雇用関係にある従業員)を兼任することはできないこととなっています。

監事の任期は、原則として4年以内ですが、定款により2年に短縮することができます。

監査役や監事は顧問税理士に依頼できる?

では、監査役や監事を設置しようとした場合、顧問税理士に依頼しても問題ないのでしょうか。

法人の顧問税理士は、税務代理や資金繰り計画など、会社の内情をよく知っています。したがって、顧問税理士は監査役や監事に適任であると考えられますが、以下を確認すると監査役や監事は顧問税理士に依頼『できない』と考えるのが妥当でしょう。

「使用人」に該当する

顧問税理士は、法人と委任契約があり、法人から報酬を得ている以上、監査役や監事と兼任が禁止されている「使用人」に該当する可能性があるといえます。

独立の立場に抵触する

税理法第1条においては税理士の役割として「独立した公正の立場」が求められている以上、監査役や監事では、この要求が達成されないと考えられます。

法律の解釈によってはNG

顧問税理士が監査役や監事に就任することは、法令上明確に禁止されているわけではありせん。

しかし、「使用人」などの文言が示す法律の解釈によってはNGとなります。一般的には、顧問税理士に監査役・監事に依頼するのは好ましくないでしょう。

そのため、監査役・監事を依頼する場合は、顧問契約していない税理士などに依頼するようにしましょう

監査役や監事に支払う報酬

監査役や監事の報酬は役員報酬にあたりますので、その決め方は法律により厳格に決められています。つまり、役員報酬は、「定款で定める」または「株主総会または社員総会の決議」によって決定します。

実務では、ほとんどのケースで定款に記載する方法はとらず、株主総会や社員総会の決議によって決定されます。役員報酬額の変更のたびに、定款を変更すると、面倒な手続きとなるためです。

監査役・監事に対する報酬の相場は、法人の規模や職務の内容、従業員や同業他社の給与水準によって違ってくるため、一概にはいえません。将来の事業計画や節税対策など、総合的に検討したうえで決められます。

なお、監査役・監事の職務に対して報酬が不相当に高額な場合は、税務上、法人の経費としては認められないため注意が必要です。

おわりに

監査役・監事を設置すれば、健全な法人経営を行うことができます。また、対外的にも健全な法人であることを示すことができるでしょう。

しかし、監査役・監事の職務を顧問税理士に依頼することは、法令に抵触する可能性があることから、あまりおすすめできません。他の税理士や有識者に依頼するようにしてください。

顧問税理士に関する他のハウツー記事を見る

もっと見る
他の税務相談を探す
分野

協力税理士募集中!

税理士ドットコムはコンテンツの執筆・編集・監修・寄稿などにご協力いただける方を募集しています。

募集概要を見る

ライター募集中!

税理士ドットコムはライターを募集しています。

募集概要を見る