年俸1.9億円ダウンの中田翔、税金は大丈夫? 実際に支払う額を計算してみた
住民税

巨人の中田翔選手は12月7日、都内の球団事務所で臨んだ契約交渉の結果、今季推定年棒3億4000万円から1億9000万円ダウンの年棒1億5000万円で更改したことを明かしました。
大幅ダウンとなりましたが、中田選手は「かなり落ちました。今年は本当に結果を残せていないので仕方ないことなので、また一から頑張ろうという気持ちになりました」と語りました。
よく「年収が大幅ダウンした後は税金の負担感が増す」という話を聞くことがありますが、大幅減俸の中田選手の負担感も増すのでしょうか。蝦名和広税理士に聞きました。
●「住民税が払えない」という話が出るワケは…
プロ野球選手の年俸が大幅にダウンした時に住民税が払えないという話を聞いたことがある人もいるでしょう。
なぜ、年俸が大幅に下がると住民税が払えないのでしょうか。
その理由は、所得税が「その年」つまり1月から12月までの所得で計算されるのに対し、住民税は「前年」の所得をもとに計算されるからです。
プロ野球の選手の場合、所得税は年俸を受け取る時に天引きされており、翌年の3月に確定申告をして精算します。しかし、住民税は前年の所得をもとに計算して6月、8月、10月、翌年1月の4回に分けて納めます。
このために、プロ野球選手の年俸が大幅に下がると住民税が払えないというようなことが言われるのです。
●中田選手が支払う税金は「年俸の約48%(推定)」
では、中田選手が実際に支払う税金はいくらになるのでしょうか。必要経費は25%、所得控除無しで計算してみます。
(1)推定年俸が3億4千万円の場合
「所得税」
340,000,000円×(1-25%)×45%-4,796,000円=109,954,000円
「住民税」
340,000,000円×(1-25%)×10%=25,500,000円
(2)推定年俸が1億5千万円の場合
「所得税」
150,000,000円×(1-25%)×45%-4,796,000円=45,829,000円
「住民税」
150,000,000円×(1-25%)×10%=11,250,000円
中田選手は、来年、年俸1億5千万円に対する税金は計71,329,000円(所得税 45,829,000円+住民税25,500,000円)となり、年俸の約48%を支払うこととなります。
しかし、中田選手のように一流のプロ野球選手であれば、何年も高額の納税をしてきているので、そのくらいの仕組みはわかっているでしょうし、税理士もついていると思いますので、支払いに困るということはないのではないでしょうか。
【取材協力税理士】
蝦名 和広(えびな かずひろ)税理士
特定社会保険労務士・海事代理士・行政書士。北海学園大学経済学部卒業。札幌市西区で開業、税務、労務、新設法人支援まで、幅広くクライアントをサポート。趣味はジョギング、一児のパパ。
事務所名 :Aimパートナーズ総合会計事務所
事務所URL:https://office-ebina.com