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「87億円の新庁舎、建設とりやめ」近江八幡市長が就任直後に通知…税金の有効活用を模索

「87億円の新庁舎、建設とりやめ」近江八幡市長が就任直後に通知…税金の有効活用を模索

総額87億円もの新庁舎はいらないーー。税金をあずかる首長が、就任直後にさっそく税金の使い方を大きく変える行動を起こしたことが注目を呼んでいる。

●就任初日、施工業者に「解除通知」

人口約8万2000人の滋賀県近江八幡市。現職を破り4月25日に市長に就任したばかりの小西理市長が、2018年2月ごろから進んでいた新庁舎の建設工事について、施工業者の奥村組に対して請負契約の解除を通知した。報道によると、奥村組の担当者は「承りました」と応じたという。

また、産経新聞の報道によると、小西市長は「巨大庁舎でなく、最低限のオフィス機能をもった小さな庁舎を市民の意見を取り入れながら計画したい」などと話した。建築費にあてるはずだった予算は、子育てや福祉分野を充実させるために使う意向だという。

2016年度決算ベースでみると、近江八幡市の歳入額は約358億円で、歳出額は349億円。市債(借金)残高は4年前に比べて70億円近く膨らみ、約278億円となっている。市民1人あたり約33万円の借金がある計算だ。こうした財政でありながら、巨費を投じる新庁舎が必要なのかどうか、小西氏は市長就任前から問題提起を続けていたとされる。

今後は、途中で工事を解除される奥村組側が近江八幡市にどの程度の賠償金を要求するか、またその金額を巡ってどのような交渉がされ、着地するかに関心が集まりそうだ。老朽化も指摘される現庁舎は耐震補強を進め、新庁舎を建てるにしても建築コストが下がることを見込んで、東京五輪の2020年以降を視野に入れているとも伝えられている。

今後、どのような展開が予想されるだろうか。突如、ハシゴを外された形となった施工業者との交渉は。ゼネコン大手に勤務経験がある今田健太郎弁護士に聞いた。

●施工業者への損害、賠償が必要

ーー工事はどのような契約となっていると考えられますか

「本工事については、『公共工事標準請負契約約款』に基づき、契約が締結されています。本件の解除は、市(発注者)による任意解除(同約款第48条1項)がなされたものと考えられるため、市は、『受注者に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償』する必要があります(同条2項)」

ーー損害賠償の内容はどのようなものになりそうでしょうか

「あくまで、個別の事情によりますが、工事に着手してすでに3か月程度が経過している状況も踏まえると、一般的には、およそ、以下のような費用が賠償の対象となるものと考えられます。

(1)設計費用(通常、全体の工事価格の10%前後と思われます)

(2)仮設費用(敷地整理、現場事務所設営、仮囲いなどの準備費用等)

(3)工事費用(履行部分の材料費、支払労務費、重機の費用等)

(4)管理費用(現場の労務管理経費、本店など間接部門の経費等)

(5)取引業者に対する支払費用(既発注部分の鉄筋材料などは原則として解除できないので、スクラップ費用を控除した代金額が損害と考えられます。このほか、人員を確保するため協力会社と請負契約を結んでいる場合、元請の責任において支払う必要がありますし、建設機械等もリース会社との契約内容によっては、将来分について負担すべきケースがあります)

(6)逸失利益(本来、工事を完成させたならば、受注者が得られたであろう利益は、法的観点からは賠償の対象となります)などが挙げられます」

ーー具体的な金額はどの程度と見込むことができますか

「これら総額については、事実関係を精査しなければコメントは出来ませんが、いずれにせよ、市としては、相当額の賠償を負担しなければならないことが想定されます。検討に検討を重ねて、正式な契約にまで至った以上、行政といえども、契約の相手方を犠牲にしてまで、簡単に破棄する理由は見当たらないからです。

今後の耐震補強のコストや、縮小案での新庁舎を完成させるために必要な費用などを総合的に検討して、有効な税金の使い方を、改めて議論する必要があると思われます」 

【取材協力弁護士】

今田 健太郎 (いまだ・けんたろう)弁護士

広島県出身。一橋大卒。大手ゼネコン勤務。広島簡易裁判所民事調停官(非常勤裁判官)。平成25年度広島弁護士会副会長。現在、日弁連災害復興支援委員会副委員長。「2010 頼れる身近な弁護士 全国103名リスト」遊学社掲載。広島大学法学部講師。東広島市入札監視委員等歴任。

事務所名   :弁護士法人あすか広島事務所

事務所URL:http://asuka88.jp/

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