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養育費の「一括払い」は贈与税に注意!専門家が説くリスク回避の重要性

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養育費の「一括払い」は贈与税に注意!専門家が説くリスク回避の重要性
viola / PIXTA

離婚自体は決して珍しくない今の時代、大きな懸念事項のひとつとして「子どもの養育費」がある。厚生労働省が行っている「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」によると、母子世帯において、実に56.9%が「養育費を受けたことがない」と答えている。

このように養育費の不払いが社会問題となる中、確実に全額を受け取るために「一括払い」を希望するケースも少なくない。

背景の一因は、離婚後は双方がやり取りするのを避けたいという理由のほか、将来への不安もあるようだ。毎月の「都度払い」では、支払い側の経済的要因により、将来支払いが滞る可能性もある。また、受け取り側が再婚して子どもが再婚相手と養子縁組をした場合、元配偶者からの養育費が減額・打ち切りになるリスクもある。こうした事態を避けるため、離婚時にまとめて確保しておきたいという切実なニーズがあるようだ。

しかし、良かれと思って選択した「一括受取」が、思わぬ税金の負担を招くことがあるので注意が必要だ。そのしくみやリスクを回避する方法などについて、税理士と弁護士の両資格を持つ菊地正志税理士に聞いた。

●多額な金銭を受け取ると「過大な生活費」と評価され、贈与税の対象になるおそれも

ーー養育費を「一括」で受け取ると贈与税の対象となるのでしょうか?

原則として、生活費を受け取ったとしても贈与税の対象外です。そのため、必要な範囲であれば「養育費も生活費の一部」として贈与税の対象にはなりません。

しかし、一括で多額な金銭を受け取った場合、税務署から過大な生活費との評価を受けた上で贈与と認定され、贈与税の課税対象となるおそれがあります。

ーー贈与税を回避するために「財産分与」や「慰謝料」の名目で受け取るのは有効ですか?

税務署は受け取った金銭の実態に基づいて判断します。実態が子どもの養育のための費用であれば、形式的に「財産分与」や「慰謝料」と名目を変えても、過大な金額であれば前述のように贈与税課税のリスクは残ります。

形式面は、実態がなんであるかを推測する判断材料に過ぎません。

●受け取った金銭の根拠と妥当性を明確にしておく必要がある

ーー慰謝料の名目で多額の養育費を受け取った場合、慰謝料の相場を超える金額だと贈与とみなされることはあるでしょうか。

はい、受け取った慰謝料が社会通念上の相場を大きく超える場合、その超えた部分は実質的な贈与とみなされるおそれがあります。税務署からの指摘に備え、「何のための支払いなのか」という根拠と、「なぜこの金額にしたのか」という妥当性を明確にしておくことが重要です。例えば、この2点を合意書に記載しておくという方法が考えられます。

●4月から、財産分与の請求期限が「2年から5年」に延長

ーー2026年4月1日施行で財産分与の請求期限が「2年から5年」に延長されますが、これにより離婚時のお金の受け取り方はどう変わりますか?

財産分与の時間的余裕が生まれるため、離婚時に財産分与額を定めず、とりあえず離婚を優先したというケースでも、その後の状況に応じて財産分与の交渉ができるという柔軟性が高まります。

とはいえ、離婚時に取り決めをしないと、相手と連絡がつかなくなったり、相手の経済状況が悪化するというリスクがあるため、離婚と同時に財産分与を受けることの重要性に変化はないと考えます。

【取材協力税理士】
江戸川葛西税理士事務所
菊地 正志(きくち まさし) 税理士
江戸川区西葛西駅前に事務所を構える弁護士、公認会計士準会員、宅地建物取引士。その豊富な知識と経験を駆使して、クライアントの多様なニーズに対応。税務申告ができる弁護士は希少な存在であり、失敗しない相続、事業承継、企業の税務及び法務における専門的なサポートを強みとしている。
江戸川葛西税理士事務所:https://ek-tax.jp/

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