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贈与は0歳の子供にもできるって本当?未成年者への贈与の注意点と節税対策

平成27年(2015年)から相続税の基礎控除額が引き下げられて、相続税の課税対象となる方が増えたことにより、相続対策への関心が高まっています。

子供や孫に早いうちに自分の財産を渡しておくなどして、将来の相続税対策をしたい。と考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、安易な生前贈与は危険です。未成年者への贈与は、通常の成人相手の贈与と少し異なる点があり、やり方を誤ると、贈与が否認される場合もあるので、注意が必要です。

このページでは、未就学児など未成年者への贈与を行う場合の注意点と、節税対策として有効になる贈与の方法を解説いたします。

目次

「あげます」「もらいます」で贈与が成立

贈与が成立するためには、贈与者の意思表示と贈与を受け取る側(受贈者)の受諾が必要です。

ただ贈与者が「あげます」という意思表示を一方的にしただけでは、贈与は不成立となってしまいます。たとえば、実際に口座へ振り込みを行なっていた場合でも、受け取る側の受諾がない場合には、贈与の成立は認められませんので注意が必要です。

つまりは、お互いの「あげます」「もらいます」があって初めて贈与が成り立つということです。

0歳児や未成年者にも贈与ができる

未成年者への贈与はできないといわれることがありますが、これはよくある誤解です。

贈与には年齢制限がありませんので、相手が未成年者でも贈与を行うことができます。また、未成年者の中には、意思表示ができない幼児(赤ちゃん)も含まれます。

未成年者に贈与をするときの注意点

さきほど、贈与は「あげます」「もらいます」で成立すると説明しましたが、自我が芽生えていない赤ちゃんが相手の場合はどうすればよいのでしょうか。

贈与は民法上に規定されている法律行為であるため、未成年者が贈与を受ける場合には親権者の同意が必要です。

したがって、0歳の赤ちゃんのように自ら意思を表示することができない場合や、子どもが贈与の事実を知らない場合でも、親権者が同意すれば、贈与が認められるということです。

しかし、贈与について「本当に贈与が行われたのか」を税務署から指摘されることがあります。

この際、贈与があった事実を客観的に証明することが必要になります。贈与契約自体は口頭でも成立するものですが、贈与の事実を後から証明するためには、以下の対策を講じておくと良いでしょう。

1.贈与契約書を作成する

「贈与契約書」とは、贈与があった事実を客観的に証明するための契約書面です。

口頭のみでの贈与に比べて、贈与の証明が容易くなるため、税務署から贈与の事実を否認されにくくなります。

贈与契約書には、以下の記載が必要です。

  • 贈与者名(あげる人)
  • 受贈者名(もらう人)
  • 贈与の対象(金銭、不動産、株式譲渡など)
  • 贈与の時期
  • 贈与方法

以下の記事や「贈与契約書 ひな形」などで検索するとテンプレートが出てきますので、そちらを利用しても良いでしょう。

また、未成年者の場合には、上記に加えて法定代理人である「親権者の氏名と住所」も必要になるので、忘れないようにしましょう。

2.口座振込による贈与

贈与するものが金銭(現金)であるならば、手渡しよりも「口座振込」を利用することをおすすめします。

なぜなら、口座振込であれば、金銭の移動があった事実が、金融機関の履歴に残るため、贈与事実を証明しやすくなるからです。

未成年者への贈与がなされた場合、親権者が管理を行うことが多く見受けられますが、あくまでも受贈者は未成年者であるため、親権者は安易な使用を行わないようにしましょう。

預金の使い込みは、贈与の事実を否定することにもなりますので注意してください。

また、振り込みを行う口座は親権者名義ではなく、受贈者名義の口座にすることが重要です。

3.定期贈与・連年贈与に注意!

定期贈与とは、定期の給付を目的とする贈与をいいます。

例えば、「500万円を毎年100万円ずつ5年にかけて贈与する」というように、ある金額を何年かに分けて贈与を予定する契約を締結する場合は定期贈与にあたります。

贈与が「定期贈与」とみなされると、毎年110万円(基礎控除額)以下であっても贈与税がかかってしまいます。定期贈与のトータル金額のうち、控除額を超えた部分に応じて贈与税がかかります。

一方で、連年贈与とは、毎年繰り返し贈与を行うことです。そのたびに新たな贈与契約を結びます。例えば、毎年「100万円を贈与する」旨の契約をその都度締結する場合です。

「連年贈与」の場合には、毎年の贈与額が基礎控除額である110万円以下の場合、贈与税はかかりません。

ただし、連年贈与といっても、事前に毎年100万円を5年間にわたって贈与するなどの約束(契約)をしていた場合は、定期贈与とみなされ課税対象となる場合もあります。

いずれの場合も、「毎年100万円ずつ贈与を行う」ことに変わりはないように見えますが、税金の取り扱いが大きく変わるため注意が必要です。

定期贈与にならないためには何をするべきか

贈与が定期贈与とされないためにはどうすれば良いでしょうか。

それは、毎年の「贈与契約書」をしっかりと残すことがとても重要です。

毎年、贈与契約書を書くことで、行なっている贈与が定期贈与ではなく、単なる連年贈与であることを示すことができます。

ここで、前述したような「500万円を毎年100万円ずつ5年にかけて贈与する」旨の贈与契約書を書いてしまうと、その契約書自体が「定期贈与」の証拠となってしまいますので注意しましょう。

未成年でも贈与税を払わないとだめ?

受贈者が未成年者の場合でも、成人の場合と変わらず、贈与税の申告が必要です。

ただし、成人の場合は本人が申告を行うことが一般的ですが、未成年者の場合は本人ではなく、「親権者」が代理で申告を行わなければなりません。

申告は、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までにすることになっています。

申告が必要な場合は、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された額が、基礎控除額である110万円を超えたときです。

贈与税の計算方法

基礎控除110万円を超えた部分の金額に、以下の税率を掛けて、贈与税を計算します。

課税価格 一般税率(※) 一般控除額
200万円以下 10% -
200~300万円以下 15% 10万円
300~400万円以下 20% 25万円
400~600万円以下 30% 65万円
600~1,000万円以下 40% 125万円
1000~1500万円以下 45% 175万円
1500~3000万円以下 50% 250万円
3000万円超~4500万円以下 55% 400万円

(※)なお、20歳以上の者が直系尊属より受ける贈与については、特例贈与と呼び税率が異なります。

例えば、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された額が120万円であれば、「120万円 - 110万円 = 10万円」で10%の1万円が贈与税ということです。

相続時精算課税制度を利用するなら「贈与契約書」が必須

相続時精算課税制度とは、一定の要件を満たす贈与については2,500万円まで贈与税が非課税になる特例です。ただし、贈与者が亡くなった際に贈与として受けた財産を遺産に加算して相続税を計算することになります。

相続時精算課税制度を利用するメリットは、相続時に相続税がかからないと予想される場合、贈与税が実質非課税になることです。

通常、年間110万円以上の贈与を行うと、贈与税がかかります。しかし、相続時精算課税制度を利用する場合、後に相続税として支払うことになりますが、実際の相続の際に相続税がかからない場合は、事実上贈与を非課税で行うことが可能ということです。

一方で、デメリットとしては、一度相続時精算課税制度を選択すると、それ以後同じ贈与者から贈与を受ける場合には、年間の基礎控除額である110万円(暦年課税)が受けられなくなるので注意が必要です。

そして、相続時精算課税制度を利用する場合にも、後々贈与があったことを証明しやすくするために「贈与契約書」を残しておきましょう。遺族による「争族(そうぞく)」を防ぐためにも、口頭ではなく書面としての証拠を残しておくことが望ましいです。

おわりに

贈与は、贈与者と受贈者の双方の意思が重要です。

そして、年齢に関係なく行うことができるため、子や孫にも贈与することができます。

ただし、贈与を行う際には後々のいらない争い(争続)を防ぐためにも「贈与契約書」をしっかりと作成し、贈与があったことの証拠をきちんと残しておくと良いでしょう。

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