相続税節税のために知っておくべき6つの生前&相続後対策

税理士の無料紹介サービス24時間受付

05075866978

  1. 税理士ドットコム
  2. 相続税
  3. 相続税のハウツー
  4. 相続税節税のために知っておくべき6つの生前&相続後対策

相続税節税のために知っておくべき6つの生前&相続後対策

監修: 山本 晃司 税理士

相続税は、正しい対策をすることで大幅に節税することができます。その方法は多岐に渡り、生前に行うものから相続発生後でもできる方法があります。

場合によっては相続税をゼロにすることも可能ですが、やり方を間違えると、反対に多額の税金を納めることになってしまうこともあります。

この記事では、相続発生後でもできる方法をメインに、相続税の節税方法をわかりやすく解説します。

目次

少なくとも3600万円までは相続税がかからない

相続税には、法定相続人であれば誰でも適用される「基礎控除」というものがあります。つまり、遺産総額がこの基礎控除額を超えなければ相続税はかからないのです。

基礎控除額 = 3000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)

法定相続人とは、民法によって定められている相続人の範囲で、配偶者・子ども・父母・兄弟姉妹などが当てはまります。

相続税の節税に重要な2つの「生前」対策

相続税は、正味の遺産額から基礎控除額を差し引いた「課税遺産総額」に課税されます。

正味の遺産額とは、相続や遺贈によって取得したプラスの財産(遺産総額)から、葬式費務などのマイナスの財産額非課税財産額を差し引いた金額に、相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の総額を足した金額です。

よって相続税の節税は、相続する財産に対して生前にどれだけ対策しておけるできるかが重要になります。

方法としては大きく分けて2つあり、「遺産総額を少なくしておくこと」と「不動産を活用した対策をしておくこと」です。

1)非課税制度を活用する

財産を生前に子や配偶者などの相続人に移動しておく(贈与する)ことで相続時の遺産額が減り、相続税の節税につながります。

ただし、年間110万円を超える贈与は贈与税がかかるため、贈与の方法を工夫する必要があります。

方法としては、年間110万円以下の贈与税がかからない範囲で少しずつ遺産を減らすか、贈与税の非課税制度をうまく活用して数千万単位の贈与を一度に行うかのいずれかです。

贈与税の非課税制度

2)不動産を活用する

国税庁のデータによると、土地や建物などの不動産は相続財産の約5割を占めています。そのため、相続税を節税する上で不動産への対策が欠かせません

具体的には以下のような手法があります。

  • 多額の現金は不動産に変える
  • 更地や空き家を賃貸物件にする
  • 不動産管理会社を設立し財産を移行する
  • 「小規模宅地等の特例」を利用する

ここで挙げた例のほかにも、生前にできる相続税対策については以下の記事で紹介しています。

こんなに差が出る!相続税の節税効果

参考までに、相続税対策の有無によって納税額にどれくらいの差があるのかを比較してみます。

相続税の課税対象となる遺産総額が1億円で、相続人は配偶者と子ども2人の計3人というケースを例にシミュレーションしてみます。

なにも対策をしない場合

節税対策をしない場合にかかる相続税

この例では相続税の総額が630万円なので、法定相続分通りに相続した場合、各人の納税額は配偶者が315万円、子が157万5000円ずつとなります。

相続税対策をした場合

節税対策をした場合にかかる相続税

被相続人が3人に対して、2000万円ずつ生前贈与を行っていたとします。

この例の場合は、相続時点での遺産総額が基礎控除額4800万円を下回るため、相続税は発生しません。相続税対策を何もしない場合と比べると、相続税額に630万円の差が生じることになります。

ただし、贈与の方法によっては贈与税がかかるため、実際の節税効果は贈与税も加味して考える必要があります。

「相続発生後」でもできる4つの節税方法

すでに相続が発生した後でもできる節税対策があります。生前対策をほとんどしなかった、という方は以下のような方法を検討してみてください。

  • 葬儀費用を増やす
  • 「正しい土地の評価」をする
  • 土地を分筆し評価額を下げる
  • 適用できる税額控除制度を探す

1)葬儀費用を増やす

相続税の計算において、告別式やお通夜などの葬儀費用は遺産総額から差し引くことができるため、葬儀を豪華にすれば節税対策になるといわれています。

ただし、香典返しに使った費用や生花・お供えにかかる費用などの、葬儀と直接関係ないものは控除対象になりません

葬儀を豪華にすれば、当然相続できる財産も減ることになるので「税金を支払うよりも葬儀にお金をかけたい」という場合はおすすめの方法といえます。

2)「正しい土地の評価」をする

相続税における土地の評価額は、原則として「路線価」を用いて計算します。

路線価とは路線価図に定められている道路ごとの価値のことで、毎年7月1日に国税庁から公表されています。

路線価の評価額は、実際の取引価格(実勢価格)の70〜80%くらいの金額が目安となっていますが、同じ広さの土地であっても、形状や周辺環境などの条件によって実際の価値は異なります

たとえば以下のような土地については、それぞれに定められている補正率を土地の評価額に掛けて減額できます。

  • 地積規模の大きな宅地
  • 線路沿いに位置する土地
  • 無道路地
  • 傾斜地
  • 高圧線が上を通る土地
  • 不整形地
  • 忌み地
  • 庭内神祠のある土地
  • セットバックをした土地
  • 縄伸び・縄縮みしている土地

土地は価額が高いため、この補正を行うかどうかで金額が大きく異なり、納税額にも影響します。

しかし土地評価に関する計算はかなり複雑で、税理士でも計算を誤ることがあります。相続の得意な税理士に相続税申告のセカンドオピニオンを受けたら、土地が高く評価されていたのが発覚し、多額の税金が還付されたというケースは少なくありません。

そのため、特に土地が相続財産に含まれているような場合は、相続税申告の経験が豊富な税理士に業務の依頼をするのがおすすめです。

また、あらかじめ「不動産鑑定士」や「土地家屋調査士」などに依頼して、評価額を正確に算出しておくのも良いでしょう。生前にどのくらいの財産になるかが把握できていれば、前述したような相続税対策もしやすくなります。

3)土地を分筆し評価額を下げる

上述のとおり、土地の評価は利用しやすい土地のほうが高くなります。

そのため、土地を共有相続する場合に、あえて利用しづらいように分筆することによって評価額を下げることができます

土地の分筆とは

たとえば、2つの道路に面する土地があった場合は、道路に面する部分が少なくなるようにしたり、細長い土地に分筆したりすることで評価額が下がります。

4)適用できる税額控除制度を探す

相続税は“富の再分配”という性質のもと課せられる税金ですが、それによって遺された人の生活を脅かすことがあってはいけません。そこで、一定の条件を満たすと相続税が軽減できる税額控除制度がいくつか設けられています。

税額控除は、相続税額からそのまま差し引くことができるため、大幅に相続税を減額することができます。

相続税申告のタイミングで適用できる制度を調べることもできますが、条件は複雑なものばかりなので、生前からどのような制度がどういった条件で適用できるかをあらかじめ把握しておくのが良いでしょう。

相続税の税額控除一覧

控除する順序は決まっていて、以下の順番どおりに控除額を計算します。

  1. 贈与税額控除
  2. 配偶者の税額軽減
  3. 未成年者控除
  4. 障害者控除
  5. 相次相続控除
  6. 外国税額控除

1〜6の順で控除額を計算した結果、税額がゼロまたはマイナスになった場合は、いずれもゼロとなります。

ただし、相続時精算課税制度の贈与税額分がある場合は、(6)のあとにその分を差し引きます。その結果、マイナスになった金額は還付を受けることができます。
※(6)までの計算で算出されたマイナス分は含まれません

税額控除の例

税額控除で相続税がゼロになる場合でも、相続税申告時に手続きをしなければ適用されませんので、忘れないようにしましょう。

相続税の節税は税理士に依頼しよう

これらの対策を自分で行うこともできますが、適用要件などが複雑なため、専門家である税理士に依頼することが一般的です。

そのときに、相続専門と謳っていたり申告実績が年間50件以上あったりするような“相続税申告に強い税理士”であればより安心です。

また、相続税申告を依頼するとなると、遺産や親族の内情などデリケートな話題をすることもあります。そのような話をしても良いと思えるような、相性の良い税理士であることも重要でしょう。

相続税に関する他のハウツー記事を見る

もっと見る
他の税務相談を探す
分野

協力税理士募集中!

税理士ドットコムはコンテンツの執筆・編集・監修・寄稿などにご協力いただける方を募集しています。

募集概要を見る

ライター募集中!

税理士ドットコムはライターを募集しています。

募集概要を見る