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相続後に遺品を売ったら思わぬ金額に……税金ってどうなるの?

監修: 山岡 輝之 税理士

被相続人(故人)から相続する財産は、預現金や不動産などだけではなく、美術品や骨董品などのコレクションや家財や雑貨などの動産(生活用品)を引き継ぐこともあります。

相続当時は、引き継いだ遺品には価値がなく、相続税の対象にはならなかったけど、「数年後に価値がついて高値で売れた。」相続から何年かしたあとに、「父の遺品を売ったら思わず高額になった。」こんな経験がある方もいるのではないでしょうか?

本記事では、相続後に遺品を売却したときの税金について解説いたします。

目次

相続後に遺品を売ったら税金はどうなる?

一般的に遺品とは「故人が残した品物」のことをいいます。たとえば、電化製品、家具、貴重品、衣服、楽器、書籍といったものです。ただし、現金や不動産といった価値ある資産は「遺産」として扱われるため、遺品とは区別されることに注意しなければなりません。

それでは”相続後に遺品を売却する”となると、どういった税金が関係するのでしょうか。

売却益があると「所得税」の対象に

遺品を相続後に売却する場合は、すでに所有権が相続人に移っているため、相続税が課される心配はありません。ただし、遺品を売却したことで売却益が生じた場合には、「譲渡所得」として所得税と住民税がかかります。

売却益とは、売却金額から取得費用などを差し引いたお金のことで、売却益から控除額を引いて残った金額に対して課税され、譲渡所得として確定申告が必要になります。

なお、事業あるいは営利目的や継続的な取引として遺品売却を行う場合は、「事業所得」として所得税や住民税の対象となるのでご注意ください。

土地や建物などの不動産

土地や建物などは遺品ではなく、正確には「遺産」に当てはまります。そして、これらは基本的に相続税の課税対象です。したがって、遺産総額によって異なりますが、相続時点で一度、これらの資産に税金を課されたという方もいらっしゃいます。

しかし、一度税金を払ったとしても相続後に不動産を売却した際は、所得税などが課される可能性があります。これはすでに説明したとおりですが、「売却益」が譲渡所得として扱われるからです。なお、売却益がなければ、所得税などの税金は課されないで済みます。

不動産における取得費は、一定期間内の売却であれば相続税も含めることができます。その他にも手数料や登録免許税など、不動産を所有するにあたって支出した費用のほとんどは取得費に含めることが可能です。

コレクション品や宝石などの貴金属

生前、亡くなった方が美術品や骨董品などが好きだったということもあるでしょう。また、指輪やネックレスなどの宝石のついた貴金属を相続する場合もあるはずです。これらを相続後に売却した場合も譲渡所得として扱われます。

ただし、課税対象となる譲渡所得は税法上、「1個または1組の価額が30万円超のもの」とされています。

金やプラチナなど地金

金地金(インゴット)などを売却した場合も譲渡所得としては扱われますが、貴金属とは違って、「30万円超かどうかの基準がない」ことに注意しなければなりません。

株式などの有価証券

中には被相続人が株式などの有価証券を持っているケースもあるかもしれません。

有価証券は価値ある資産であり、売却後に「売却益」が生じた場合には譲渡所得として扱われます。但し、株式等の譲渡による譲渡所得の金額は、「上場株式等に係る譲渡所得等の金額」と「一般株式等に係る譲渡所得等の金額」に区分し、他の所得の金額と区分して税金を計算する「申告分離課税」となりますのでご注意ください。

取得費がわからない場合はどうする?

売却益を計算するには、取得費がいくらかを知ることが必須ですが、取得したのが数年前ともなるとそれを知ることが困難な場合もあります。

その場合は、売却額の5%相当額を取得費とすることができます。

服や家財道具などの生活用品の売却は非課税

遺品には宝石やコレクションなどもあれば、洋服や家財道具などさまざまなものがあります。こういった通常生活を送るうえで必要になる動産は、生活用動産といい「基本的に譲渡所得の対象にはならない」と税法によって決められています。

ただし、貴金属や美術品などで、「1個または1組の価額が30万円を超えるものは譲渡所得の対象になる」とも定められています。そのため、高額な買取金額がついた場合には、確定申告をする必要がある可能性があるので注意をしておきましょう。

かかる税金はいくら?具体的なケースで解説

もし相続によって骨董品や美術品などを手に入れ、それを売却するとなった場合、具体的にいくら税金がかかるのでしょうか。いくつかのケースを挙げて確かめてみます。なお、ここでは取得費などを考慮しないものとします。

骨董品Aの売却金額が10万円だった場合(価額が30万円未満)

もし骨董品の売却金額が10万円だった場合、これは1個または1組の価額が30万円を超えないため譲渡所得の対象にはなりません。

骨董品Bの売却金額が40万円だった場合(特別控除の範囲内)

骨董品の売却金額が40万円だった場合、これは譲渡所得の対象となってしまいます。ただし、譲渡所得には特別控除が50万円あり、売却益より特別控除額を差し引いた金額が「課税譲渡所得金額」となります。したがって、このケースでは税金が課されることはありません。

骨董品Cの売却価格が90万円だった場合(特別控除の範囲外)

骨董品が90万円で売却できた場合も当然、譲渡所得の対象となります。そして、特別控除の50万円を差し引いても、課税譲渡所得金額として40万円が残ってしまいます。ただし、譲渡所得には長期譲渡所得と短期譲渡所得があり、所有期間によって所得額などが変わります。

  • 長期譲渡所得:所有期間が5年超のものであり、課税譲渡所得金額を2分の1にして扱う
  • 短期譲渡所得:所有期間が5年以内のものであり、課税譲渡所得はそのまま扱う

そのうえで、骨董品の場合は総合課税が採用されるので、他の所得と合算したのちに所得税と住民税の金額を算出することになります。また、税率は所得税だけでも5%から40%となり、加えて住民税も発生することになります。

遺品は相続前と後どっちに売ったほうが良い?

税金面からみて、骨董品や美術品などは相続前と相続後のどちらで売った方がいいのでしょうか。

結論をいうと、遺品が高額なものでない限りは、相続前でも後でも、税金に与える影響はそれほど大きくはないと考えられます。

ただし、相続が円満に進めばいいですが、必ずしもそうなるとは限りません。あらかじめ現金化できる遺品は現金にしてから、実際に相続手続きを行うという考え方もあるでしょう。また、相続人同士でよく話し合ってから決めることが無難です。

おわりに

遺品の中には骨董品や美術品などの価値ある資産が眠っている可能性があり、それを売却したら金額次第では譲渡所得の課税対象となってしまう場合もあります。もし遺品整理にあたり、税金面で気になる点があれば税理士に相談するのもおすすめです。

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