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「名義預金」に要注意!相続で気をつけるポイントと対策

相続税の税務調査で問題になりやすいものの1つに「名義預金」があります。相続税にあまり詳しくない人の場合、「自分名義の預金なのだから、相続財産にはならないだろう」と思いがちです。しかし、管理者が別である名義預金は、管理者の相続財産とみなされるため、相続税の課税対象となってしまいます。

そこでこの記事では、税務調査で見られるポイントと、名義預金とみなされないための生前贈与の方法などを解説いたします。

目次

「名義預金」とは

「名義預金」とは、名義人と管理・所有者が異なる預金のことをいいます。

子どもや孫に言わずに、本人名義の銀行口座を開設して預金している、また専業主婦が夫から得た生活費の一部を自分名義で預金しているということは、よくあることです。

しかし税法上では、誰が名義人かということは重要ではなく、そのお金がどこから捻出されたものなのかということが重要になります。

相続税の課税対象となる

名義預金は管理・所有者の相続財産となるため、名義人が生前にもらったものとして相続税申告をしないでいると、申告漏れとして相続税の税務調査で指摘されます。

税務調査で名義預金を指摘されると「修正申告」が必要になり、さらに延滞税や過少申告加算税、重加算税などが課せられます。

そのため、相続税の節税を見据えた生前贈与を行う上では、名義預金について正しく理解しておくことがとても重要となります。

贈与と相続での税金の違い

生前贈与と名義預金では、最終的な税額に大きな違いが生じます。

具体的な例を挙げて、どのくらい差があるかを見てみましょう。相続人は子ども1人、財産が1億円あって、「100万円を20年間“生前贈与”していた場合」と「100万円を20年間“名義預金”していた場合」の税額は以下のとおりです。

100万円を20年間“生前贈与”していた場合

  • 基礎控除以下なので贈与税額0円
  • (相続財産1億円 - 基礎控除額3600万円) × 税率30% - 控除額700万円 = 相続税1220万円
  • 贈与税0万円 + 相続税1220万円 = 合計税額1220万円

100万円を20年間“名義預金”していた場合

  • 相続財産に加算される金額2000万円
  • (相続財産1億円 + 名義預金2000万円 - 基礎控除額3600万円)× 税率30%-控除額700万円 = 相続税1820万円
  • 合計税額1820万円

譲渡した金額は同じですが、名義預金とみなされた場合は、生前贈与の場合に比べて600万円を多く納めることになります。

実際の納税額は、贈与金額、遺産総額、相続人の人数などの個々のケースによって変わりますので、シミュレーションは目安としてご覧いただければ幸いです。

具体的に計算したい場合は、税理士に生前贈与や贈与税申告の相談をするようにしてください。

遺産分割の対象財産になる

本来は贈与が成立していれば、受贈した財産は受贈者の固有財産になります。よって、相続発生後にその財産を分けるということはしません。

しかし、名義預金は管理・所有者の相続財産となるため、遺産分割の対象になるのです。

相続人が1人だけだったり、相続人同士の関係が円滑で円満相続になれば、特別大きな負担は生じません。もしも円満に解決しない場合は、名義預金を分割することになります。

そうなると、譲渡したかった相手に財産を残せないということになってしまうのです。

税務署が見るポイント

名義預金の対策の前に、税務署が「なにを見て名義預金と判断するのか」というポイントをおさえておきましょう。

ポイントは大きく分けて3つあります。

預金の原資は誰の資産?

名義預金と判断されるかどうかは、口座の名義ではなく、預金の原資が誰の資産かが重要になります。

たとえば、口座の名義が子ども(相続人)でも、預金が亡くなった父(被相続人)の資産から捻出されている場合は、その預金は父の財産として扱われます。

そのほかにも、口座の名義人が専業主婦であるのに、預金残高が数千万円もあるような場合では、夫の資産を原資とした名義預金だと疑われる可能性があります。

ただしその預金が、生前に贈与されたことを証明できれば、名義預金ではなく相続人の固有財産として扱われますので、相続税が課税される心配はありません。

どちらか分からないと税務署が判断すると、「資金の出どころ」を調べるために、被相続人・相続人の収入や財産などを調査することもあります。

受贈者は預金の存在を知っている?

贈与契約は受贈者と贈与者の合意があって成立します(民法第549条)。

そのため、贈与を成立させるには、受贈者が預金口座の存在を知っている必要があります。もし、受贈者が自分の名義の預金口座があることを知らない場合は、ほぼ間違いなく名義預金とみなされるでしょう。

預金の管理・所有は誰が行っている?

その預金が受贈者のものならば、所有者本人が自由に引き出すなどの管理を行える状態でなければいけません。

預金の印鑑や通帳、キャッシュカードなどを贈与者が管理・所有していると、受贈者本人のものとは認められず、名義預金とみなされる可能性が高くなります。

名義預金とみなされないための対策

税務調査では、贈与であること(名義預金ではないこと)を客観的に証明しなければならないため、以下のような対策が必要になります。

銀行振込で贈与する

名義預金ではないことを証明するのに最も簡単な方法は「銀行振込」を利用することです。贈与が行われたことについて、客観的に記録することができます。

その際には贈与を受ける側が普段から使っている預金口座へ振り込むようにしてください。贈与専用の口座を作ってそこに振り込むと、名義預金とみなされるリスクが高くなります。

預金の管理は受贈者が行う

預金口座の通帳やキャッシュカード、印鑑などは、贈与を受けた人が管理します。受贈者が自由に預金口座を使えることで、名義預金ではない(贈与されたもの)と判断されます。

なお、子どもが未成年の場合は、親は親権者として子どもの財産を守る必要があるため、親が預金口座を管理しても問題ありません。ただし、子どもが成人した段階で、通帳やキャッシュカードを渡し、以後は子どもが管理できるようにする必要があります。

暦年贈与で贈与し直す

将来的に名義預金と扱われる可能性のある預金口座がある場合は、いったん解約して、その分を改めて暦年贈与で贈与し直すことも考えましょう。

暦年贈与の場合、贈与税が非課税になるのは年110万円までです。非課税で贈与するには、金額によっては時間が必要になりますが、名義預金として扱われるリスクを抱えたままよりも、安全に贈与を行うことができます。

なお、1000万円を10年に分けて贈与するというような内容で贈与契約をすると、計画的な贈与である「定期贈与」とみなされて、贈与合計額に対して贈与税が課税される可能性があるので注意しましょう。

あえて贈与税を納税する

あえて基礎控除額以上の贈与を行って、贈与税を納税するという手段もあります。なぜなら、贈与税の確定申告を行うということは、受贈者が「贈与の事実を認識している」ことを示すことになるからです。

確定申告と納税の手間はかかりますが、手段のひとつとして覚えておいても良いでしょう。

「贈与契約書」を作る

「贈与契約書」とは、贈与の事実を証明する書類のことです。

この書類を作成しておけば、名義預金でないことを証明する書類とすることができます。また、定期贈与として扱われるリスクも少なくなりますので、贈与するたびに贈与契約書を作るようにすることをおすすめします。

被相続人が亡くなってから発覚した場合

もし被相続人が亡くなったあとに預金の存在が見つかったら、先に挙げた「税務署が見るポイント」を確認しながら、その預金が「生前贈与に該当するのか」を確認しましょう。

名義預金の口座が見つかった場合は、相続財産に含めて相続税申告をすることを忘れないでください。いくら相続人が「生前贈与だ」と主張しても、証明できなければ税務署の判断を覆すことはできません。

税務調査時には、メモやメールのやり取りなど、少しでも贈与を証明できる証拠を集めて、あとは専門家である税理士に任せることをおすすめします。

生前贈与をするときの注意点

名義預金以外にも、生前贈与で注意すべき点がいくつかあります。この記事では、特に注意していただきたい3つの事項を紹介します。

「定期贈与」とならないようにする

すでにお伝えしたとおりですが、暦年贈与が定期贈与とみなされると、贈与税の負担が多額になるため注意が必要です。

定期贈与とは、あたかじめ贈与する金額を決めて、定期的に(計画的に)贈与を行うことをいいます。定期贈与とならないためには、そのつど贈与の契約を行うことが必要となります。

相続発生の前3年以内の贈与は相続税の対象に

被相続人が亡くなる前3年以内に行われた贈与は、相続税の課税対象となる決まりがあります。

これは、年間110万円まで贈与税が非課税になる「暦年贈与」で贈与された財産も対象となります。相続はいつ発生するかを予測することはできません。そのため、もともと生前贈与をするつもりならば、早めに行っておくのが無難といえます。

なお、すでに贈与税を納付している場合は、その分は相続財産から控除することができます。具体的には、相続開始前3年以内の贈与分を相続財産に加算し、相続税を決定した上で、そこから納付済みの贈与税を差し引いて、相続税を納付します

高額プレゼントやみなし贈与に注意

現金だけでなく、個人間のプレゼントも贈与税の対象になることがあります。

たとえば、車やブランド品、貴金属、不動産などの高額なプレゼントは、贈与税の基礎控除額を超える金額であれば、贈与税申告が必要です。ただし、誕生日プレゼントなどで渡すなど、社会通念上相当であるという場合は、非課税で贈与することができます。

また、生前贈与の際には「みなし贈与」にも注意が必要です。みなし贈与とは、市場価格と譲渡した価格に差があると、その分を贈与したとみなすという決まりのことです。

たとえば1000万円の価値がある土地を100万円で譲渡した場合などは、差額分の900万円が課税対象となります。

おわりに

良かれと思って子ども専用の「預金口座」を、子どもに内緒で作っている人も多いかと思います。

しかし、子どもがその口座の存在を知らずにいたら、毎年少しずつした預金でも「名義預金」として扱われて、将来多額の相続税に悩まされることになってしまうかもしれません。

生前贈与や相続、税務調査は税理士の専門分野なので、困ったことがあるときはお近くの税理士に相談してみると良いでしょう。

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