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「自筆証書遺言」を自宅ではなく法務局で保管、今年始まった新制度のメリット

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「自筆証書遺言」を自宅ではなく法務局で保管、今年始まった新制度のメリット
写真はイメージです(y.uemura / PIXTA)

今年から新たに、自分で書いた「自筆証書遺言」を法務局で保管してもらえる「自筆証書遺言書保管制度」が創設された。

より公的な手順を踏んで作られる「公正証書遺言」と何がどう違うのか、どの制度を利用すべきなのか、相続事業承継に詳しい実島誠税理士が解説する。

●複数ある遺言書の遺し方

相続の際には、故人の意思が尊重されます。どのように相続を行いたいかを遺族に伝えるには遺言書を遺す必要があり、公的に効力を持つ遺言書の遺し方には以下のようなものがあります。

◆自筆証書遺言:自由度は高い一方、紛失や改ざんのリスクも

まずは自筆証書遺言から説明しましょう。遺言者本人が遺言書を自書することができれば1人で作成することができます。

遺言者自身で作成するため自由度が高く費用はほとんどかかりませんが、法律的に不備な内容になる危険性があり、遺言が無効になってしまう場合もあります。

また、遺言書は遺言者本人の判断で適宜の方法により保管することとなるため、紛失のおそれや相続人等に発見されなかったり改ざんされたりする危険性があります。

なお、遺言書は遺言者本人の死亡後、相続人等が家庭裁判所に検認を請求する必要があります。

◆公正証書遺言:管理に起因するトラブルを回避できる

次は公正証書遺言です。法律専門家である公証人が遺言内容の確認や助言を行い2名以上の証人の立ち会いのもと作成します。

財産の価額に応じた手数料がかかりますが、遺言書は公証役場において厳重に保管されるため管理に起因するトラブルを回避することができます。

病気等のため自書や署名ができなくなった場合でも遺言をすることができますし、公証役場に出向くことが困難な場合には、公証人が遺言者の自宅や病院等へ出張して遺言書を作成することもできます。

また、公正証書遺言に関するデータは一元的管理されており、全国どこで作成されたものであっても検索することができる遺言検索システムがあります。

なお、家庭裁判所の検認は不要となっています。

◆秘密証書遺言:手数料は少ないが、リスクは残る

法律専門家である公証人と2名以上の証人の関与のもと、次に掲げる方式に従い作成する必要があります。

公正証書遺言よりも手数料の負担が少なく、遺言の内容を誰にも明らかにせず秘密にすることができますが、公証人は遺言書の内容を確認できませんので、法律的な不備や紛争に発展する可能性がないとはいえません。

遺言書は遺言者本人の判断で適宜の方法により保管することとなるため、紛失のおそれや相続人等に発見されない危険性があります。

また、自筆証書遺言と同じように、相続人等が家庭裁判所に検認を請求する必要があります。

1 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。

2 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。

3 遺言者が、公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。

4 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。

●自筆証書遺言の保管制度:紛争を防止し、より使いやすく

それでは、今回の本題となる、自筆証書遺言の保管制度です。自筆証書による遺言書は自宅で保管されることが多く、紛失のおそれや相続人等に発見されなかったり改ざんされたりする危険性がある等の問題がありました。

そこで、こうした問題によって相続をめぐる紛争が生じることを防止し、自筆証書遺言をより利用しやすくするため、法務局で自筆証書による遺言書を保管する制度が創設されました。

制度の概要は次のとおりです。

1 自筆証書遺言による遺言書を法務局が保管します。

2 保管の申請は、遺言者本人が法務局に出向いて行います。

3 保管の際は、法務局職員が法律に定める自筆証書遺言の方式について外形的な確認を行います。

4 遺言書の保管申請費用は1件につき3,900円で、遺言書の原本及びデータは長期間適正に管理されます。

5 遺言者の死亡後、遺言書に関する証明書の交付や閲覧等に対応します。

6 家庭裁判所の検認は不要となっています。

●保管制度を利用することでメリットが生まれる人

自筆証書遺言書保管制度を利用することでメリットが生まれるのは、自筆証書遺言の手軽さや自由さを損なわず、問題点を解決するための方策としてこの制度を取り入れることが可能な次のような人であると考えられます。

1 自筆証書による遺言書を自宅で保管することや改ざんされたりすることに不安がある人

2 遺言書の形式的な不備が心配な人

3 遺言書作成費用をできるだけ安く、安全な方法で作成したいと考える人

4 死亡後、相続人の負担となる家庭裁判所での検認の手続きを不要にしたいと考える人

それぞれの遺言書の特徴をよく検討し、自分にあった制度を選ぶようにしましょう。

【取材協力税理士】
実島 誠(みしま まこと)税理士
ワンストップでの中小企業、資産家のサポートに多くの実績がある。税理士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人、司法書士事務所、弁護士事務所、ウェルスマネジメント会社、ITサポート会社などをグループに擁し、相続事業承継、組織再編、M&Aなどに力を入れている。
事務所名 : トリプルグッド税理士法人/トリプルグッドグループ
事務所URL: https://www.triplegood.co.jp/

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