エンディングノートって何? どんなことを書けばいいの?

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エンディングノートって何? どんなことを書けばいいの?

著者: 棚田 健大郎 行政書士・ファイナンシャルプランナー・相続アドバイザー

「エンディングノート」をご存知でしょうか?

遺産の取り分をめぐって遺族が争う、俗に言う「争族」を回避するために、遺言書を書く人が多いようですが、最近では遺言よりも相続対策として有効であると言われ始めてきている「エンディングノート」を残す方が増えているようです。

そこで今回は、このエンディングノートの特徴と、どのようなことを書けば良いのかについて、具体的に解説します。

目次

エンディングノートとは?

自分の死後は、残された家族が本人の残したもの、お金、データ、書類などなど、あらゆるものを整理、処分、継承していかなければなりません。

相続というと、相続人間の財産の配分ばかりがクローズアップされがちですが、実はそれ以外の遺品整理や諸手続き全般にかかる労力というのは、相続人にとって想像以上に大きなものです。

エンディングノートとは、残された家族が本人の死後に必要となるあらゆる手続きがスムーズにできるように、本人の情報や希望を書き記したノートのことです。

遺言書とエンディングノートは何が違う?

書く内容としては、遺言書エンディングノートは非常に似ています。

ただし、遺言書の場合は民法にも規定されている正式な書面なので、相続発生時において原則として遺言書の内容に沿って遺産分割をするという一定の拘束力があります。

法的な文書であるだけに、書き方や記載事項についてもある程度形式が決まっているため、記載しても法的効力がない内容についてはあまり書くことができません。

遺言書を残す一番の目的は、遺言書の内容通りに財産を分配することにあります。

これに対しエンディングノートについては、法律に規定されている正式な文書ではないため、特別な法的効力もありません。よって、本人の意思で自由に書くことができます。

では、エンディングノートには具体的にどのようなことを書くのでしょうか。

エンディングノートに書くべきこと

エンディングノートには、遺言書には書き切れない次のような点について書くと効果的です。

公的証明書等の保管場所

本人の死後、残された家族は各種証明書関係の返還など様々な手続きをしなければなりません。その際に手続きがスムーズにできるよう、次のようなものの保管場所を書いておくと良いでしょう。

  • 運転免許証
  • 健康保険証
  • パスポート
  • マイナンバーカード
  • 年金手帳
  • 高齢者医療被保険者証
  • 身体障害者証
  • 各種会員証
  • 各種資格証

これらについては本人の死後に所定の解約手続き、脱退手続き、返還手続きが必要となります。本人が元気なうちは自分で身の回りのものを管理できますが、体調を崩して入院したり、痴呆や認知症にかかったりしてしまうと、自分でもどこに何があるのかわからなくなる場合もあります。

残された家族に手間をかけさせないためにも、本人が元気で健康なうちにこれらの保管場所について書いておくと良いでしょう。

重要な財産とその連絡先

本人の財産に関する情報は、遺言書に財産目録として記載することもありますが、エンディングノートではさらに詳しい情報を書きます。

詳しい情報とは、「連絡先」です。例えば、次のような財産については、本人の死後に名義変更など所定の手続きが必要になります。詳しいことがわからなくても、取引先の連絡先がわかれば、あとはどうにかなるものです。

  • 取引先銀行
  • クレジットカード会社
  • 保険会社
  • 不動産の管理会社
  • 証券会社
  • 信託会社
  • 法律事務所(遺言書を預かってもらっている場合など)
  • 消費者金融

これらについて生前に取引がある場合は、その連絡先を書いておくと、相続が発生した際に手続きがとてもスムーズです。

ログインIDやパスワード関係

ログインIDやパスワードについては、本人しか知らないことが多く、本人の死後、家族がいくら探してもそれらしい情報が出てこないということが良くあります。

最近では、ことあるごとに会員登録をすることが多いため、それらを本人の死後、解約、退会する場合、ログインIDとパスワードがわかるとわからないとで、手続きに要する時間と労力が格段に変わります。

特に、以下のサービスを利用している人は、エンディングノートにその情報を記載するか、情報を記録してある媒体の保管場所を明記しておきましょう。

  • ツイッター
  • フェイスブック
  • LINE
  • その他SNS関係
  • インスタグラム
  • youtube
  • ホームページ関係
  • ブログ関係
  • パソコンのログインID

ログインIDやアカウント、パスワードなどの情報がわからないと、本人の死後もネット上にそのまま写真や動画などの情報が出たままになってしまいます。きちんと退会手続きをしてもらうためにも、これらの情報については必ず書き残しておきましょう。

おわりに

エンディングノートは本人が自由に書くことができるので、遺言書には書けない気持ちや想いを書くことも大切です。家族への感謝の言葉を丁寧に書き記すことで、きっとその想いは伝わるはずです。想いが伝われば、自然と争族にはなりにくいものです。

そして何より、エンディングノートを書くことで、これまでの人生を客観的に見直すことができ、残された人生の生き方を改めて真剣に考え直すきっかけとなるのです。皆さんもぜひエンディングノートを作ってみてはいかがでしょうか。

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