仕訳とは?基礎知識や代表的な6つのパターンの記帳方法を解説

経理の仕事には簿記の知識がかかせません。簿記とは日々の経営活動を記録・計算・整理することで、その基礎には「仕訳」という作業があります。この仕訳は一見難しそうに見えますが、基本をしっかりと押さえれば意外と簡単に処理できるものです。そこでこのページでは、仕訳方法の基本を解説しつつ、代表的な仕訳パターンを紹介していきます。
目次
仕訳とは5つの要素を振り分けて記録すること
仕訳とは簡単に言えば、「一定のルールに則って取引内容を記録すること」です。まずはこのルールについてしっかりとその基本を覚えておきましょう。
取引内容は「5つの要素」に分けることができる
事業では日々、様々な取引が行われて、その結果として現金が増減したり、売上や費用が発生したりしています。
簿記の世界ではこういった取引を「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」という5つの要素に分けて記録をしています。要するに、「資産が増えた」「負債が減った」などを記録することが仕訳です。
各要素には「勘定科目」が設けられている
しかし、「資産」「負債」をそのままで記録しても、具体的な取引内容が分かりません。
そこで「何の取引なのか」をわかるように使用するのが「勘定科目」です。各要素における代表的な勘定科目は以下に挙げるようなものです。
- 資産:現金、売掛金、普通預金、有価証券、繰越商品など
- 負債:買掛金、借入金、未払金など
- 純資産:資本金など
- 収益:売上、雑収入など
- 費用:仕入、地代家賃、広告宣伝費、水道光熱費、通信費、交際費など
帳簿は「借方」と「貸方」に分けて記入する
取引内容を勘定科目に置き換えられたら、あとは実際に仕訳帳に書き込むだけです。仕訳帳は左右に記入箇所が設けられており、要素ごとに場所が決められています。

基本的には借方(左側)には「資産の増加」と「費用の発生」について記入します。一方、貸方(右側)には「負債の増加」「純資産の増加」「収益の発生」について記入します。
ただし、取引によっては「資産や負債が減少する」という場合も考えられます。その時には、借方に「負債の減少」を書いたり、貸方に「資産の減少」を書いたりすることもあるので、あくまでも基本的な書き方として覚えておくようにしましょう。
代表的な6つの仕訳パターン
実際にどのような仕訳が行われるのか、その代表的なパターンと記入例を解説します。
「資産の増加/資産の減少」のパターン
これは簡単に言えば、「ある資産を違う資産へと交換している」ことを意味します。
たとえば、(1)売掛金を現金で回収した、(2)現金を銀行口座へ預け入れた、などです。この場合は借方に「増加した資産」を記入し、貸方に「減少した資産」を記入します。
(1)現金○○円/売掛金○○円
(2)普通預金○○円/現金○○円
「資産の増加/負債の増加」のパターン
これは「負債を増やして、資産を増やしている」ことを表している場合です。
たとえば、(3)銀行から現金を借り入れた、(4)備品を後払いで購入した、などがあります。この場合は借方に「増加した資産」を書き入れ、貸方に「増加した負債」を書き入れます。
(3)現金○○円/借入金○○円
(4)備品○○円/未払金○○円
「資産の増加/純資産の増加」のパターン
これは「純粋に資本金が増えている」ことを表しています。
具体的には、(5)起業にあたり、手持ちの現金を資本金とする、場合にあてはまります。この場合は借方に「増加した資産」を、貸方に「資本金」を書き入れます。なお、日常の取引ではあまり目にしません。
(5)現金○○円/資本金○○円
「資産の増加/収益の発生」のパターン
これは「売上が発生している」ことを意味します。
具体的には、(6)売上金を現金で受け取った、(7)売上金をツケておいた、などがあります。基本的には貸方に「売上」が当てはまりますが、どのような取引をしたかで借方の勘定科目が変わってきます。
(6)現金○○円/売上○○円
(7)売掛金○○円/売上○○円
「負債の減少/資産の減少」のパターン
これは「負債を減らすために、資産を減らしている」ことを表している場合です。
たとえば、(8)銀行に現金で返済をした、(9)未払金を普通預金から支払った、などがあてはまります。記帳方法は「資産の増加/負債の増加」と逆にすれば大丈夫です。
(8)借入金○○円/現金○○円
(9)未払金○○円/普通預金○○円
「費用の発生/資産の減少」のパターン
これは「資産を減らして、費用を支払っている」ことを意味しています。
このなかには(10)ツケで仕入れした、(11)水道光熱費を現金で支払った、(12)家賃が口座から引き落とされた、などが該当します。日常的によく見る取引なので、仕訳する回数も多いパターンだと言えるでしょう。
(10)仕入○○円/買掛金○○円
(11)水道光熱費○○円/現金○○円
(12)地代家賃○○円/普通口座○○円
おわりに
初めて仕訳帳を見ると「難しそう」と思うかもしれませんが、基本を押さえればあとはルールに則って処理を行うだけです。ただし、実務では複雑な取引があったり、仕訳内容から決算書を作成したりする必要があります。まずは基本を押さえて、さらにステップアップしていきましょう。
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