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従業員がいない「ひとり社長」の旅行代やランチ代は「福利厚生費」になる?ならない?

月に1度のランチ代の補助、社宅や家賃補助、見舞金、出産祝い、結婚祝いなど、企業から従業員へ支給される給与以外に設けられている報酬制度のことを「福利厚生制度」といい、このために企業が負担した費用を「福利厚生費」といいます。

福利厚生制度とは従業員のためのもの、となんとなく認識されている方が多いかと思います。

従業員(社員やアルバイト)がいない、社長1人のみのいわゆる一人会社(いちにんかいしゃ)では、福利厚生制度はどのように扱われるのでしょうか。

例えば、社内でのお茶代やコーヒー代、ランチ代や家賃補助は「福利厚生費」として計上して良いのか、また、個人事業主の場合はどうなるのかなど、このページでは、一人会社と個人事業主の方の「福利厚生費」に対する扱いについて解説いたします。

目次

福利厚生制度とは

福利厚生制度とは、企業が従業員の勤労意欲の向上や労働力の確保・定着を目的として、従業員とその家族に対して支給する給与以外の補助やサービスのことです。具体的には住居、保険、年金、部活動や飲食代の補助などが当てはまります。

福利厚生制度は、法律で義務付けられている「法定福利」と企業が独自に設ける「法定外福利」の2種類に分かれています。

法定福利

法定福利とは、主に年金や社会保険、労働保険などの各種保険に関して、法律で義務付けられている社会保険制度のうち、企業が負担するもので、この費用を「法定福利費」といいます。

法定外福利

法定外福利とは、住宅手当や家賃補助、社員旅行や結婚出産祝い、部活動補助など、企業が独自に設ける制度のことで、これらに関して企業が負担した費用を「法定外福利費(福利厚生費)」といいます。

福利厚生費の代表的な例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 通勤費、出張手当
  • 残業食事代やランチ代等の食事代補助
  • 忘年会、新年会、親睦会等の費用
  • 香典、結婚祝い、出産祝い等の慶弔見舞金
  • 健康診断費用、予防接種の費用
  • 社内でのお茶代、コーヒー代、お茶請け代、常備薬代等
  • 社宅や家賃補助
  • サークル、部活動補助、スポーツクラブなどの施設の提供
  • 社内旅行費用

しかし、税務上ではこれらの費用がすべて福利厚生費となるわけではありません。

特定の従業員のみを対象としたものや、すべての従業員に提供されるものでも、企業負担が高額であったり、例えば全員参加の社員旅行でも、5泊6日以上の場合や企業負担がおおむね10万円を超えるような場合などは、福利厚生費として認められないとされています。

明確な金額の規定などはありませんが、企業の負担金額が高額になる場合には、福利厚生として提供しても認められず、その実態の性質により、従業員の「給与」となる場合や、「交際費」や「会議費」に該当する場合もありますので、注意が必要です。

福利厚生費として認められるには、福利厚生を目的として、すべての従業員に公平に且つ、社会通念上妥当な利益であるという3つのポイントをクリアするということが重要です。

一人会社で社長の福利厚生は認められるのか?

福利厚生制度については、お分かりいただけたかと思います。説明から分かるとおり、これらはあくまで”従業員”のために設けられている制度です。

一人会社の場合は従業員が存在しないため、福利厚生という概念は存在しないことになります。また、役員報酬との区別がつきづらい等の理由から、一人会社の社長の福利厚生は認められにくいというのが現状です。

ただし、社会保険料などの法定福利に関しては、企業負担分を法定福利費として計上して問題ありません。

役員報酬やその他の勘定科目を用いる

例えば、一人会社の社長のランチ代や旅行代を、企業負担にしたとします。この場合は、「役員報酬」として扱うのが妥当でしょう。

基本的にこのような費用は、社長のポケットマネーから出すのが一般的ですが、もし企業負担とする場合は、前述の通りに扱います。

もし、ランチ代や旅行代などが取引先との付き合いから生じた費用である場合は、会議費や交際費など、実態の性質に即した勘定科目を用いりましょう。

役員と社長のみの場合は認められない

社長と配偶者(従業員)のみ、社長と役員のみの場合は、福利厚生が認められないことがほとんどです。

配偶者や親族が従業員であっても、それらの人と行った旅行は、家族旅行(個人的支出)なのか、会社の慰安旅行(会社の経費)なのかの判断がつかないので、配偶者や親族以外の従業員がいない場合は、ランチ代や家賃の補助や、結婚出産祝いなどの一般的な福利厚生であっても、福利厚生費として認められない可能性が非常に高いということです。

ただし、夫が社長で配偶者が従業員の会社であっても、会議のためにカフェ等を利用する場合には会議費として処理して差し支えありません。

なお、役員と社長のみという場合は、従業員がいないので、福利厚生という概念もなくなるということになり、福利厚生費として認められないということになります。

このため、このような場合も実態に即した勘定科目を用いて仕訳しましょう。

従業員がいる場合は社長や役員も福利厚生を利用できる

企業で福利厚生制度が設けられており、それがすべての従業員に公平に且つ、社会通念上妥当な利益である場合は、その制度を社長や役員が一緒に利用することは問題ありません。

ただし、社宅や家賃補助については別規定があるので注意してください。

従業員のための制度ですので、個人事業主の方でも、従業員を雇用していれば福利厚生制度を設けることができます。

企業の場合と同様、配偶者や親族の従業員(専従者)のみの場合や、事業主1人の場合は、認められない可能性が非常に高いので注意が必要です。

認められないと言っても、実態が会議費や交際費に該当する場合は、訂正のみで済む場合もありますので、領収書などの保存や、誰とどのような目的で費用を使用したかなどは正確に記録しておきましょう。

なお、個人の場"hl3" class="ttl_bar">個合は会議費、交際費どちらに計上しても全額経費とすることができます。

おわりに

法定外福利については、明確な定めがなく、最終的な判断は税務署が行うものなので、一概にこれは良くてあれはだめといい難いですが、判断に迷うものは税理士と相談しながら、福利厚生費についての扱いを決めていくことをおすすめいたします。

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