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「バブル遺産」と言われた湯沢リゾートマンション人気再燃の裏側…。不動産鑑定士が教える築古物件の落とし穴とは

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「バブル遺産」と言われた湯沢リゾートマンション人気再燃の裏側…。不動産鑑定士が教える築古物件の落とし穴とは
Mugimaki / PIXTA

かつて「負動産」の代名詞とも言われた新潟県のリゾートマンションが、今、新たな局面を迎えている。

「マンションレビュー」(ワンノブアカインド)の「2026年1月 全国中古マンション相場推移」によると、新潟県内の中古マンション平均価格は、この10年で約1.8倍に上昇。これは東京都(約2.2倍)に次ぐ全国トップクラスの上昇率だ。その牽引役となっているのが、湯沢町のリゾートマンションである。

コロナ禍を経て二拠点生活やリモートワークが定着した今、東京から新幹線で1時間15分〜20分程度というアクセスの良さが、合理性を重視する層に改めて脚光を浴びているのだ。

湯沢町には現在、57棟・約15,000戸のリゾートマンションが建ち並ぶ。バブル期のスキーブームで供給が急増したが、その後の崩壊で価格は暴落。一時は「10万円」で投げ売りされる物件も珍しくなかった。しかし、温泉やサウナ、ジムといった豪華な共用施設を備えながら、なおも割安感のある物件に人気が再燃している。

一方で、維持費や将来の資産価値を冷静に見極める必要性は、以前にも増して高まっている。観光需要の復活も追い風となる中、二拠点生活や移住を目的として、これら「築古リゾートマンション」の検討にあたり注意すべき点はどんなところだろうか。不動産鑑定士の資格も持つ冨田建税理士に詳しく聞いた。

●経年劣化の状況ほか、将来課せられる負担、管理体制など検討すべき点は山ほどある

ーー湯沢町のリゾートマンションは、東京など首都圏と比べて価格が非常に安く、魅力的に映ります。いずれのマンションも「築古」となりますが、検討時にチェックしておくべきことなどを教えてください。

チェックすべきポイントは、ざっと以下のような項目が挙げられます。

・前所有者の管理費や修繕積立金等の滞納の有無
・ひび割れや床の凸凹の有無などの経年劣化の状況
・購入条件がリフォーム済みか否か
・一棟の建物の他の所有者がどのような人か
・大規模修繕等、近いうちに発生が予測される所有者に課される負担の有無
・そもそもそのマンションが住民でにぎわっているか
・管理会社の管理体制の如何
・購入した後で、自己が想定する使用方法(リモートワークなど)が実際にできるか否か
・事故物件ではないかの確認
・害虫等が発生する等の、住環境を害する要素はないか

●「スキーヤー向けリゾートマンション」以外での活用には向かない可能性も

ーー不動産鑑定士として、湯沢町のリゾートマンションが、他の地域のリゾートマンションと「異なる」という点をお教えください。

「湯沢町のリゾートマンション」という一つの個性が形成されている点でしょう。スキーヤー向きですが、その他の時期に有効活用をしているとの話をあまり聞きません。

国土交通省の不動産取引価格情報を検索したところ、2021年以降で湯沢町地内での中古マンションの取引事例が15件検索されましたが、1,000万円超えのマンションは135㎡の面積がある1件のみで、500万円にすら満たない取引が12件という状況です。

一つの自治体で、これだけ「低い価格」でマンションの相場が形成されている地域について、私の知る限りでは聞いたことがありません。

独自の相場が形成されている点、それだけに供給過多である点、スキー以外のリゾートの話をあまり聞かない地域である点は留意すべきでしょう。

●独自の相場が形成されていて、実勢価格>相続税評価額とは限らない

ーーリゾートマンションを保有している場合、相続発生時に注意すべき点などについてアドバイスをいただけますでしょうか。

相続税の評価は、通常は相続税財産評価基準の規定に従って評価される「相続税評価額」に基づきますが、特にマンションの場合は、相続税評価額と実勢価格が大きく異なります。

東京のマンションの場合は、通常は実勢価格より相続税評価額が低いですが、湯沢町の場合は、不動産取引価格情報の検索結果でも前述の状況であるため、実勢価格より相続税評価額が安いか断言できない状況です。

故に、これらのマンションを相続した場合の相続税評価額や、これに基づく相続税負担の増加がどの程度なのかは意識すべきでしょう。

また、相続税とは別の次元で、実際に相続した場合の使途や、維持管理に要する固定資産税や修繕積立金等の各種負担が賄えるのかは十分に留意すべきです。場合によっては、他の相続人がいる場合は、他の相続人に委ねる(あるいは相続放棄を検討する)のも一つの選択肢といえるでしょう。

【取材協力税理士】
冨田 建(とみた・けん)税理士・不動産鑑定士・公認会計士
43都道府県で不動産鑑定業務の傍ら、各種講演・執筆も行う。令和3年に「不動産評価のしくみがわかる本」(同文舘出版)を上梓し増刷。令和7年に改定版を発売。令和5年春には不動産の税を解説する「図解でわかる 土地・建物の税金と評価」(日本実業出版社) を上梓。
事務所名:冨田建不動産鑑定士・公認会計士・税理士事務所、冨田会計・不動産鑑定株式会社
事務所URL:https://tomitacparea.com

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