「兄弟それぞれが相続したら」「分与時の評価額がわからない」…。不動産相続の注意点を税理士がアドバイス
相続税
相続財産の中で、もっとも大きな割合を占めることが多いのが「不動産」です。現金や預貯金とは異なり、不動産は「分けにくい」「評価が難しい」「売却に時間がかかる」といった特性があるため、事前の知識なしに相続を迎えると、思わぬ税負担や親族間のトラブルを招くことがあります。
一方で、不動産には適用可能な節税ルールも存在します。これらを賢く活用できるかどうかが、最終的な納税額を大きく左右すると言っても過言ではありません。
今回は、税理士に無料で相談できるQ&Aサービス「みんなの税務相談」から、不動産相続にまつわる10個のケースを厳選しました。専門家のアドバイスを参考に、ご自身の状況と照らし合わせてみてください。
●Q1.相続財産のほとんどが両親が住む家の場合
父が他界し、相続が発生しました。家族構成は母、兄、私です。兄と私は家庭を持っており、持ち家があります。相続財産のほとんどは両親の住んでいる不動産なのですが、引き続きそこに住む母が相続したほうがいいのでしょうか?
ーーA.二次相続を踏まえて納税シミュレーションを行い検討がベター
今回の相続税だけでみれば、お母様がより多く相続されるのが結果的に納税額が最も少なくなると思いますが、次にお母様の相続が起こった時(二次相続)の税金も考えて、色々な分け方でのシミュレーションを行い検討することが、全体での節税につながります。/回答:服部誠税理士
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●Q2.小規模宅地等の特例について
父が他界しました。母は健在ですが高齢のため、私(長男)名義で相続を行います。現在の住宅は土地は父名義、建物は父と私(長男)の共同名義です。住民票上、親世帯と子世帯で別世帯となっていますが、同居しております。この場合、土地の相続額については、小規模宅地等の特例(相続税評価額が最大80%減額)が適用されるでしょうか?
ーーA.小規模宅地の減額の特例が適用できる
被相続人と同居していて、建物が区分所有(マンションなど独立している)でなければ、特定居住用の小規模宅地の減額の特例が適用できると思います。/回答:髙橋一彦税理士
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●Q3.土地と不動産を別々に相続する場合
父親の死去により賃料収入のある不動産を兄弟で相続することになりました。土地は弟が相続し、不動産は私(兄)が相続する予定です。弟には毎月地代を払います。このような相続の仕方は何か問題があるでしょうか?
ーーA.不動産の相続では、一般的には所有者を分けないほうがい
ご質問の件で問題があるわけではありませんが、将来、不動産を処分する必要が生じた場合、所有者間で意見の相違が起こる可能性があることにご留意ください。/回答:行方康洋税理士
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●Q4.祖父母、父、母と相続してきた不動産は長期譲渡所得に該当する?
1人暮らしの母が亡くなり、家屋を解体し、私が土地を相続し売却しました。土地はもともと祖父名義で、平成8年に祖父が亡くなり父親が相続、平成30年に父親が亡くなり、母親が相続しました。この場合、長期譲渡所得に該当しますか?
ーーA.長期譲渡に該当する
長期譲渡に該当します。長期譲渡に該当するかどうかの年数のカウントは、相続・贈与ではクリアされず、一族の方が最初に外部から購入した時点からカウントします。/回答:米津良治税理士
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●Q5.財産分与された不動産価格はどう調べればいい?
母が離婚時に父から分与された不動産を、子である私が相続し、売却した際の税金についてです。税務署では、「分与をされたときの不動産時価と売却価格との差額(利益分)について税金が発生する」と説明されました。当時の不動産時価がわからないのですが、どのように調べたらいいでしょうか。
ーーA.分与時の不動産の時価の調べ方は3通り
実務的には以下の資料から推測します。
①固定資産税評価額証明書(当時の評価額を取得)
②路線価図(当時の相続税評価額を算定)」
③不動産業者の取引事例データベース(レインズ等)(当時の売買相場を確認)
税務署は「客観的に合理性のある評価方法」を求めるので、固定資産税評価額や路線価を基準にするのが一般的です。/回答:猿渡哲税理士
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●Q6.相続した不動産を私名義の会社に貸して賃貸に出す場合
副業で株式会社を設立し、賃貸業をしています。この度亡くなった祖父が一人で住んでいた自宅の土地と建物を相続しました。この土地と建物について次のような活用方法を考えていますが、税務上問題はありますか?
①私が会社に土地と建物を貸して賃貸収入を得る
②会社の負担で建物をリフォームする
③会社が第三者に土地と建物を貸す
ーーA.リフォーム部分の所有権を明確に決める必要あり
税務上の問題だけではなく所有権の問題に関して、②に不具合が生じる可能性があります。他人から借りた建物をリフォームするということは通常できないでしょう。リフォーム部分の所有権を明確に決め、その結果によって、税務上の取り扱いも変わります。/回答:土師弘之税理士
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●Q7.相続した不動産の売却に関して
父が亡くなり、土地を相続しました。従兄弟への売却を検討していますが、節税する方法はないでしょうか?
ーーA.空き家特例が利用できる可能性がある
相続した土地の上に建物もあって、お父様が相続開始の直前までその建物と敷地を居住の用に供していた場合で、相続後一定の期間内に売却したときには、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」を適用できる可能性があり、譲渡所得の計算上最高3000万円の特別控除ができます。/回答:加門成昭税理士
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●Q8.収益不動産を代償分割で相続する際の価格算定方法について
収益不動産(マンション1室)を私が相続することとなりました。相続人は計3名で、残り2名には代償分割として現金で分ける予定です。不動産価格の算定方法について、査定依頼先は銀行、ネットの無料査定会社、不動産会社、税理士等があると思いますが、どこが一番正確かつ公平でコストが掛からないしょうか?
ーーA.時価で算定するのが一般的
不動産を取得しない他の相続人からすれば、不動産を取得する相続人がすぐに売却することも考えられるので、時価で算定するのが一般的です。いくつかの不動産業者に無料査定をしてもらってはいかがでしょうか。/回答:中田裕二税理士
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●Q9.母の不動産を最終的には甥に相続させたい場合
母(80代)は約9000万円の不動産資産(都心のビル)を保有しています。父は既に他界していて、法定相続人は私(長男)と弟(40代、子あり)です。母が他界した場合、節税の観点からどの方法で相続するのがいいでしょうか?
①母→私へ相続→弟へ相続→弟の子供(甥)へ相続
②母→弟へ相続→弟の子供(甥)へ相続
③母→弟の子供(甥)へ相続
ーーA.相続税の2割加算制度を避けるのがセオリー
節税的観点であれば、②がよいかと思われます。「相続税の2割加算制度」により、①の場合、相続税が2割増しになるので、これを避けるのがセオリーです。/回答:青木幹雄税理士
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●Q10.相続税の配偶者による代理支払いについて
相続財産が不動産なので、相続税を支払う現金がありません。夫から現金を借りて、不動産の持分で返済しようと考えていますが、問題ないでしょうか。
ーーA.不動産の持分による返済は譲渡所得の対象に
不動産の持分での返済では、譲渡所得の対象になります。そのためご主人から借入された方が良いと考えます。夫婦間でも、金銭消費貸借契約書を作成されたら良いでしょう。/回答:山中雅明税理士
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不動産の相続には、特例の適用可否や将来を見据えた分け方など、慎重な判断が求められるポイントがたくさんあります。
相続税申告の際には税理士に依頼するケースが多いかと思いますが、事前の対策やちょっとした疑問など、判断に迷った際はぜひ「みんなの税務相談」でお気軽に専門家へ相談してみてください。















