奨学金とマイナス金利の関係って?今だからできる返済で得する方法!?

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奨学金とマイナス金利の関係って?今だからできる返済で得する方法!?

2.6人に1人が借りている奨学金と今話題のマイナス金利政策、一見すると関係のないように思われますが、実は密接に関係しています。

奨学金は社会に出たら淡々と同じ額を毎月払い続けるものなんだから、何も関係ないと思われるかもしれませんが、実は、その時々によって返す金額が変わるケースもあります。

利息付きの奨学金を借入している方、貸与期間の終了が迫り、これから返済方式を選択する方は、このページを参考にしていただければと思います。

目次

  1. 奨学金とマイナス金利ってなんで関係あるの?
    1. マイナス金利によって奨学金返済額が少なくなる!?
    2. 奨学金返済時の金利が下がるのは主に長期金利の影響!?
  2. マイナス金利時の奨学金返済の適切な対応方法は?
    1. 貸与型奨学金の金利は年々下がっている
    2. 今なら「固定方式」で低金利に固定するのがお得!?
    3. できるなら繰り上げ返済をするとお得!?

奨学金とマイナス金利ってなんで関係あるの?

貸与型の奨学金制度を利用すると、社会に出てから奨学金を月々返済していくことになります。この返済する金額には利息が含まれているケースが一般的です。そして利息の金利はその時々の市場金利が影響しています。

現在はマイナス金利政策によって、その市場金利が大きく変動しているため、奨学金の返済額にも影響が出ています。

マイナス金利によって奨学金返済額が少なくなる!?

マイナス金利政策とは、金融機関が日本銀行に預けた預金の金利を一部マイナスにする、つまり預金していると減っていくという政策です。ただし、私たちが普通預金として銀行に預けている分の預金はマイナスになることはないのでご安心ください。

マイナス金利政策の目的は、今まで金融機関が日本銀行に預けていた分の資金を、企業への融資や貸出に回させ流ことで消費を促し、経済を活性化させて物価を上昇させることです。

日本銀行は物価上昇目標2%を2017年度中に達成し、持続させることができるようになるまで、マイナス金利政策を継続すると発表しています。

個人に対しての影響としては、普通預金や国債・民間の資産運用商品の利回りの低下や学資保険の販売中止などのデメリットがある一方、住宅ローンなど返済時の金利の低下というメリットがあります。奨学金の返済についても同様に、金利が下がった分の返済額が減るというメリットが得られます。

奨学金返済時の金利が下がるのは主に長期金利の影響!?

では、なぜ金利は下がっているのでしょうか?

金利には大きく分けて1年未満の短期の金利1年以上の長期の金利の2種類があります。

短期の金利も密接に関わっているのですが、主には長期の金利が、奨学金等を返済するときの金利に関係します。

長期の金利は市場に流通している貨幣の量だけではなく、経済の成長(期待潜在成長率)や物価の変動(期待インフレ率)や将来への不確実性(リスクプレミアム)、経済の安定を図ろうとする金融政策や、国債の値動きなどによって変動します。

一例をあげると、将来インフレになると予想される場合には長期金利は高くなり、デフレになると予想される場合には長期金利は低くなります。

このため、現在はマイナス金利政策によってデフレ化が進むことが予想されるいるので、長期金利は下がっているのです。

マイナス金利時の奨学金返済の適切な対応方法は?

奨学金は、給付型と貸与型に分かれ、企業や自治体などによって運営されています。

なかでも、日本学生支援機構の貸与型の奨学金を利用している方は多いのではないでしょうか。日本学生支援機構は奨学金貸与、留学生支援、学生生活支援を事業とする独立行政法人です。経済的に困窮している大学生、大学院生、高等専門学校生に対して、奨学金を無利息(第1種奨学金)・もしくは年3%を上限とした利息付(第2種奨学金)で貸与する事業です。

貸与型奨学金の金利は年々下がっている

利息付きの奨学金である第2種奨学金の金利は、固定方式利率見直し方式に分かれます。

固定方式は、借入が終了した時に決まる金利で返していく方式で、市場金利が上がっても市場金利が下がっても返し終わるまで金利が変わらないのが特徴です。安定していて返済の計画が立てやすい反面、後々金利が下がると悔しい思いをすることになります。

一方の利率見直し方式は5年ごとに金利が見直され、見直されてからの5年間そ金利が適用されます。市場金利が上がると金利が上がり、市場金利が下がると金利が下がるので、あまり安定していない反面、金利が下がる可能性が高い時には今よりも安い金利で返すことができます。どちらも年利は3%が上限です。

上のグラフは2007年4月から2016年4月までの固定方式と利率見直し方式の月ごとの金利の推移です。水色の線は固定方式を、緑の線は利率見直し方式を示しています。

このグラフからわかる通り、金利は固定方式も利率見直し方式も年々下がってきており、固定方式の方が利率見直し方式と比べて金利は高くなります。利率見直し方式は2014年12月に金利が0.1%になってからというもの横ばいで推移していて、固定方式はマイナス金利政策を受けて、2016年4月に初めて金利が0.1%となりました。

今なら「固定方式」で低金利に固定するのがお得!?

今、利息付きの第2種奨学金を借り入ていて、もうすぐ貸与期間が終了する方は、金利を固定する固定方式を選択するのがよいかもしれません。固定方式の金利は過去9年間でもっとも低くなっていますし、先に金利0.1%になった利率見直し方式の金利が、今回マイナス金利政策を受けても下がっていないことからして、これ以上金利は下がらないと考えることもできるためです。

現在発表されている通りであれば、物価上昇目標2%を達成し、持続させられるようになった段階でマイナス金利政策は終了します。物価が上がるということは、つまりデフレの脱却、インフレの到来につながるので、今度は逆に金利が上がると予想されます。

そうなった場合、利率見直し方式では金利が高くなり、高い金利で返済していくことになる可能性が高まります。そうならないためにも、これから返済方式を選択する方は、固定方式を選ばれる方がよいと思われます。

できるなら繰り上げ返済をするとお得!?

ここまでご説明してきたように、将来は金利が高くなっていく可能性が高いといえます。このため、利率見直し方式で借り入れている方は、もし余裕があるのであれば、できる限り金利が低くなっている今のうちに繰り上げ返済をした方がお得かもしれません。

おわりに

たかが0.数パーセントの差といえど、金額が大きくなればその分の利息も大きくなってくるので、返済額が変わってくる今回のような場合、慎重にご検討ください。この記事が奨学金を借りている方に少しでも参考になれば幸いです。

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