業績の悪化時に使える「雇用調整助成金」の条件・受給額・手続きの流れ - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

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業績の悪化時に使える「雇用調整助成金」の条件・受給額・手続きの流れ

不況により業績が低迷した場合に利用できる助成金があることをご存知でしょうか?従業員を解雇するのではなく、休業や出向という形で雇用を継続する場合に利用することができるのが雇用調整助成金です。

このページでは雇用調整助成金についてまとめました。いつか必要とするときがくるかもしれません。内容を理解しておきましょう。

目次

雇用調整助成金とは

景気変動やグローバル化等により消費動向が変わり、業績が悪化することもあるでしょう。事業の縮小を考える事態に陥った時、余剰となった従業員の解雇も考えると思います。そのようなときに利用できるのが雇用調整助成金です。

雇用調整助成金とは、経営が悪化したときに、従業員を解雇ではなく一時的に休業などの雇用調整によって雇用を維持した場合に受給することができる助成金制度です。対象となる雇用調整は休業教育訓練出向の3つです。

例えば、従業員を休業させる場合ならば、休業手当を支払わなければなりません。雇用調整助成金はその休業手当の一部を助成してくれます。

支給対象

支給の対象となるのは雇用保険の適用事業所です。休業や教育訓練等を行う従業員は、6ヶ月以上継続雇用している雇用保険被保険者が対象となります。

また、条件となる業績不振とは、具体的には以下を満たす場合となります。

  • 直近3ヶ月の生産量・売上高等の生産指標が、前年同期と比べて10%以上減少していること
  • 直近3ヶ月の従業員数(雇用保険被保険者・派遣従業員)が前年同期と比べて増加していないこと

なお、中小企業では、比率として10%以下で3人までの増員、大企業は5%以下で5人までの増員は認められます。中小企業の定義は次の記事をご参照ください。

事故や災害による設備被害を受け、事業を縮小したものは対象外です。しかし、熊本地震の発生に伴うものは特例が実施されました。これに当てはまる場合は、要件・支給額ともに特例として内容が異なります。

詳しくは厚生労働省HP をご参照ください。

支給期間

事業主が指定した1年間が対象となります。再度続けて申請を行うことはできません。1年休止期間を経れば申請を再度行うことができます。

受給額

中小企業の場合の受給額は以下のとおりです。大企業の場合、助成率は2/3ではなく1/2と少なくなります。いずれの場合も、対象従業員1人1日あたり7810円が上限となります。

中小企業の場合
 助成率期間
休業休業手当の2/31年間で最大100日分
休止期間を入れて3年で最大150日分
教育訓練賃金負担額の2/3+1200円(1人1日あたり)
出向負担額の2/3最長1年間の出向期間中

雇用調整の実施について

雇用調整の実施は、労使協定に基づいたものである必要があります。労働組合がない場合には、従業員の過半数を代表する者との間で、書面により休業等協定書を締結します。

雇用調整の方法には、一定の基準が定められています。

休業

休業の基準は以下のとおりです。

  • 所定労働日の全一日にわたるもの
    もしくは所定労働時間内に対象従業員が一斉に1時間以上行うもの(シフト制は除く)
  • 判定基礎期間における対象従業員の休業等の実施の延日数が所定労働延日数の1/20以上(大企業は1/15以上)
  • 休業手当の支払が平均賃金の6割以上であること

※判定基礎期間とは賃金締切日の翌日から次の締切日までのことです。

教育訓練

この期間を活用して従業員の能力を向上させる教育・訓練・講習等を行った場合に、助成金が支給されます。対象となるのは職業の知識・技能・技術の習得および向上を目的としたものです。日常会話程度の語学習得や通常の教育カリキュラムに位置づけられているものは対象外となります。

事業所内において内部講師を利用してもよく、職業訓練支援センター等の外部教育訓練機関に実施を委託することも可能です。

所定労働日の所定労働時間内に実施し、受講者は受講日に業務に就くことはできません。また、受講者はレポートを提出します。

出向

関連事業所への出向も助成金の対象となります。しかし雇用調整を目的とせずに、業務提携や人事交流の為に行われるものは対象外です。3ヶ月以上1年以内に元の事業所に復帰することが条件となります。

その他にも以下の基準を満たす必要があります。

  • 出向従業員の同意を得たもの
  • 賃金の一部を負担していること
  • 出向前とおおむね同額の賃金が出向従業員に支払われるもの
  • 終了後6ヶ月以内に同じ従業員を出向させないこと

手続の流れ

実施の2週間前をめどに、管轄の労働局かハローワーク へ必要書類を提出します。

休業・教育訓練の場合

判定基礎期間を1ヶ月分~3ヶ月分の間で決めます。選択期間ごとに休業等実施計画届を提出します。助成金の申請も、選択期間の終了後2ヶ月以内に行います。主な必要書類は以下のとおりです。

  • 雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書
  • 雇用調整実施事業所の雇用指標の状況に関する申出書
  • 雇用調整助成金休業等実施計画届
  • 休業協定書
  • 教育訓練協定書
  • 教育訓練の状況を示す就業規則等
  • 教育訓練計画一覧表
  • 登記事項証明書
  • 月次損益計算書
  • 従業員名簿

出向の場合

6ヶ月毎に助成金の申請を行います。6ヶ月経過後の2ヶ月以内に申請をする必要があります。主な必要書類は以下のとおりです。

  • 雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書
  • 雇用調整実施事業所の雇用指標の状況に関する申出書
  • 雇用調整助成金休業等実施計画届
  • 雇用調整助成金出向実施計画届
  • 出向協定書
  • 出向契約書
  • 登記事項証明書
  • 月次損益計算書
  • 従業員名簿

売上高や従業員の数を確認できる資料の他、賃金規定に関する資料も必要となります。 窓口に確認をするようにしましょう。

おわりに

雇用の安定とともに、景気回復後の事業展開を支えるために設けられた助成金制度です。この記事が参考になれば幸いです。

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