【平成31年度】業務改善助成金とは?事例や申請期限、流れを解説 - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

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賃金引き上げを行う中小企業を支援!「業務改善助成金」とは

中小企業の「人手不足」が叫ばれる昨今、限られた人材で効率よく業務を行うため、生産性を向上することや、従業員の賃金引き上げを行うことが目下の課題となっています。

そこで厚生労働省では、中小企業や小規模事業者の生産性向上と賃金引き上げを支援する「業務改善助成金」を設けています。

目次

業務改善助成金とは

業務改善助成金とは、賃金(事業所内最低賃金)を引き上げた中小企業・小規模事業者を対象に、生産性向上のために投資した費用を助成する制度です。

生産性向上のために設備や人材育成などに投資した場合、それにかかる経費の一部を助成することで、かわりに賃金引き上げによる負担を軽減させることを目的としています。

過年度に業務改善助成金を受給したことのある事業場も助成対象となるので、繰り返し申請できる点もポイントです。

受給の要件

助成金を受けるにあたっては、以下の要件を満たす必要があります。

  • 事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる「賃金引上計画」ならびに、設備投資等を実施する「業務改善計画」を策定すること
  • 引き上げ後の賃金額を支払うこと
  • 生産性向上に資する機器・設備などを導入することにより業務改善を行い、その費用を支払うこと
  • 解雇、賃金引下げ等の不交付事由がないこと など

対象となる「中小企業事業者」の要件

助成金の対象となる中小企業・小規模事業者は、以下に該当する者となっています。大企業が資本金の2分の1以上を所有しているような、いわゆる「みなし大企業」であっても下記に該当する場合は助成対象となります。

業種資本金額または出資総額常時使用する労働者数
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5000万円以下100人以下
小売業5000万円以下50人以下
上記以外の業種3億円以下300人以下

申請区分

業務改善助成金には「30円コース」「30円コース(800円未満)」の2つの区分があり、それぞれのコースで以下の条件をすべて満たす事業場が対象となります。

【30円コース】

  • 事業所内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内
  • 事業所規模30人以下の作業場

【30円コース(800円未満)】

  • 地域別最低賃金が800円未満である県に所在する
    (青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、鳥取、島根、徳島、香川、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)
  • 事業所内最低賃金が800円未満
  • 事業所内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内
  • 事業所規模30人以下の作業場

助成率と助成上限額

業務改善助成金の助成率は、それぞれのコースで以下の通りとなっており、最低賃金を引き上げる労働者数に応じて助成上限額が決められています。

なお、助成対象となる経費の下限は10万円ですので、助成金は最低7万5千円から、または8万円からとなります。

コース賃金を引き上げる労働者助成上限額助成率
30円コース(800円未満)1〜3人50万円4/5
※生産性要件を満たした場合:9/10
4〜6人70万円
7人以上100万円
30円コース1〜3人50万円3/4
※生産性要件を満たした場合:4/5
4〜6人70万円
7人以上100万円

生産性要件とは

決算を元に、厚生労働省所定の算定シートから算出された労働者1人あたりの付加価値を「生産性」と定義し、業務改善助成金では以下のような「生産性要件」が設けられています。

  • 生産性が3年度前に比べて6%以上伸びていること
  • 生産性が3年度前に比べて1%以上(6%未満)伸びている、かつ金融機関から一定の「事業性評価」を得ていること

上記いずれかの生産性要件を満たした場合、助成率割増などの優遇措置を受けることができます。

業務改善助成金のほかにも、たとえば「労働移動支援助成金」「両立支援等助成金」「キャリアアップ助成金」といった助成金においても生産性要件が設定されています。

助成対象となる費用

生産性の向上を目的とした費用の支出のうち、業務改善助成金の対象となる具体例は以下のとおりです。

  • POSシステム、会計給与システムなどの設備導入にかかった費用
  • 外部講師への謝礼金
  • 人材育成、教育セミナーなどにかかった費用
  • 中小企業診断士などによる経営コンサルティング費 など

ただし、経費削減のための費用や職場環境を改善するための費用、通常の事業活動に伴う費用などは助成の対象外です。

助成事例

厚生労働省ではより具体的な助成事例を公表しており、その一部は以下のとおりです。

  • 書籍小売業/業務改善コンサルティングの実施
    業務改善コンサルティングの実施により仕入れ・検品・出品・発送業務のムダミスが削減された。
  • 飲食業/接客研修の実施、業務マニュアルの作成
    スタッフへの講習会及びマニュアルの作成により、業務への意識の向上と業務の標準化が達成でき、業務の効率化が図れた。販促・集客のための接客法等の講習により、売上増・リピーター増が図れた。

申請手続きの流れ

申請書類は厚生労働省の業務改善助成金のページよりダウンロードすることができます。また、交付要綱、交付要領に詳細が記載されていますので、申請前に必ずよく読むようにしましょう。

業務改善助成金の申請手続きの流れは以下の通りです。なお、平成31年度(令和元年度)分の申請期限は2020年1月31日までとなっています。

1. 助成金交付申請書の提出

業務改善計画(設備投資などの実施計画)と賃金引上計画(事業場内最低賃金の引上計画)を記載した交付申請書を作成し、各地域の労働局に提出します。

2. 助成金交付通知

各地域の労働局において交付申請書の審査が行われ、内容が適正と認められれば助成金の交付決定通知がなされます。

3. 業務改善計画・賃金引上計画の実施

提出した業務改善計画に基づく設備などへの投資、ならびに、賃金引上計画に基づく事業所内最低賃金の引き上げを行いましょう。設備などへの投資は「2. 助成金交付通知」に行う必要があるので注意しましょう。

4. 事業実績報告書の提出

業務改善計画の実施結果と賃金引き上げ状況を記載した「事業実績報告書」を作成し、各地域の労働局に提出します。

5. 助成金額の確定通知

提出した「事業実績報告書」の審査が行われ、内容が適正と認められれば助成金額が確定し、通知がなされます。

6. 助成金の受け取り

助成金額の確定通知を受けたら労働局へ支払請求書を提出することで、助成金が受け取れます。

おわりに

生産性向上のために機器の導入や人材育成への投資、最低賃金の引き上げは、従業員の労働環境や満足度の改善に寄与し、さらなる企業の発展につながります。

申請にあたって業務改善計画や賃金引上計画を作成する際には、施策内容や目的、費用、業務改善効果などを明確にする必要があります。その際には資金調達に強い税理士に相談してみるとよいでしょう。

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