AIによって2018年以降の「保険」の「相談」は変わる!?メリットとデメリットとは?

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AIによって2018年以降の「保険」の「相談」は変わる!?メリットとデメリットとは?

著者: 工藤 崇 ファイナンシャルプランナー(AFP)

世の中のありとあらゆるものに「人間」を介さないことが「進歩」と捉えられる今日ですが、これは人々の生活に欠かせない「生命保険」にしても例外ではありません。

十数年前から、保険会社の営業マンと契約するのが当たり前だった生命保険は、銀行の担当者から申し込むことができるようになりました。そして、インターネットによるダイレクト型生命保険が誕生しました。いわば第三の波というものです。

そして2018年は、AIの波が訪れようとしています。果たして、保険周りのすべての事柄を「AI」にすることは正解なのでしょうか。

目次

AIが省人化を進める保険の手続き

AIを導入する最大の効果は「省人化」です。保険においては、「保険に加入しようかな」と考えた段階で、顧客に「どの保険を選択するか」の選択権が生まれます。

疑問点を担当者にぶつけ、返ってきた回答で検討を進め、加入の可否を決める。そして加入する場合は、具体的な商品を決める。こういった人と人とのやり取りによって、ものごとが進んでいくわけです。

一方で、その後のプロセスは、具体的な手続き、加入時期、最初の保険料支払いといった部分になります。顧客からの質問もほぼ予測が付くため、感情的なクレームになる恐れもありません。

つまり、AIによって省人化することができる部分もあれば、まだ「人の手」を必要とする部分もある、というのが実際のところなのです。

AI が人間に取って代わるのはもう少し先?

「AIは人間の脳を代替する」と考えている人もいますが、それはもう少し後の時代に期待したほうがよいかもしれません。

たしかに、顧客に行った手続きを、別の顧客に「応用」する技術は群を抜いています。保険の選択についても、過去のバックグラウンドをもとに選択肢を覚え込ませれば可能かもしれませんが、やはり2018年現在の段階では、まだ属人的には及ばないのが実際のところです。

実際の保険相談の最前線でAIが人間に取って代わるのは、もう少し先といえるでしょう。

言い換えれば、「まだ人間の方がいいなあ」という現状を一気に塗り替える技術を提供できるサービスが台頭すれば、それが一気に主役に躍り出る可能性もあるということです。

顧客サイドから見たAI相談のメリットとデメリット

このAI相談について、顧客サイドから見てみましょう。

やはり2018年現在では、「まだ直接人に相談するのがベター」と判断する顧客の方が多いように思えます。そのうえで、顧客サイドから見て保険相談がAIに変わる理由は、「速さ」「センシティブ」の2つの要素と考えられます。

まずは速さ。保険相談に人間が介入すると、やはり手続きや質問の回答に時間がかかってしまいます。これをAIが担うことで顧客満足度が上昇すれば、AI導入が進む大きな理由にはなるでしょう。

この10年でインターネットのスピードが格段に上がり、クラウド化によって整理された情報が瞬時に手に入るようになりました。しかし、導入コストを踏まえると、現時点の「インターネット+人」の構図がすべてAIに切り替わる可能性は低いといえるでしょう。

そこで注目されているのが、もう1つの理由である「センシティブ」の視点です。

保険相談は個人情報をやり取りします。そのため、金融機関の店舗の一角で「どんな保険に加入しているのか」「いくら保険料を支払っているのか」という情報を話すことに抵抗を覚える人もいるでしょう。

この場合、店舗へ来る前にある程度の情報を入力しておき、その情報に対してAIが簡単なアドバイスをできるようになれば、顧客満足度は上昇するかもしれません。

特に保険は保障や(非課税枠を活用した)相続とも深い関りのあるものです。たとえば、保険の加入状況をスマートフォンに記入し、クラウドを通して保険会社に取捨選択した情報を伝える時に、Chatbotのようなもので簡単にアドバイスを貰えるサービスがあれば、高い支持を得られる可能性があるでしょう。

「まだ人間の専門家に相談したい」、原点回帰の流れとは?

これまで、保険の相談においては「人間の専門家に相談したい」というニーズが維持されていました。しかし、数年前からAIが急激な進歩を遂げ、「人間の専門家は不要となる」「そもそも店舗が必要なくなる」という指摘が増えたわけです。

ただし、実際にAIを導入するには、多大なコストがかかりますし、同時に既存の相談スタイルを撤去するにもお金がかかります。

そういう意味では、現在は人間の専門家に相談する原点回帰の段階といえるでしょう。

おわりに

インターネットが人間にとって「あたりまえのツール」になることを予測できなかったように、何かのきっかけを基に、AIが保険の相談現場を変えていく可能性も十分にあり得ます。2018年にそれが起こるかどうかは何とも言えませんが、いつの時代も大きな変革は周囲の驚くスピードで進んでいきます。

今後、保険がどのような変化を遂げるにしても、その時に保険を検討する「当事者」たちの気持ちが最優先されることを願いたいものです。

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