「ふるさと納税で親孝行」草むしりなど代行…返礼品競争のアンチテーゼ
税金・お金

年の瀬も押し迫り、ふるさと納税をどうしようかと考えている人もいると思います。さまざまな返礼品がありますが、中には「親孝行」という変わり種も。年末年始も含め、帰省がむずかしいという人は検討してみると良いかもしれません。
大手ポータルサイトで「親孝行」と検索すると、数十件の返礼品がヒットします。
たとえば、大分県大分市では「親孝行支援サービス」として、1万円を寄付(ふるさと納税)するとシルバー人材センターによる3時間の「草むしり」などのお礼があります。
「シルバー人材センターから事業者として応募があり、協議のうえでサービス内容を決めました。毎年、『お墓掃除』を利用してくださっている県外の方もいます」(大分市)
同センターによると、2017年は5件ほどの依頼があったそうです。
「地域のお年寄りとの結びつきができればと思って、やっています。会員は60歳以上。利用者さんと歳が近いので、話が盛り上がることもあります」(同センター)
●利用者数はまだまだ少なそう
また、新潟県柏崎市は、地元の「柏崎タクシー」と提携し、3万円を寄付すると、18枚の補助券がもらえます。免許を返納した高齢の親御さんに喜ばれそうです。
熊本県人吉市は、地元で100年以上続く「宮山時計店」と提携し、補聴器をわたしています。地元企業を生かした返礼品もあるようです。このほか、空き家の管理(京都府亀岡市)などもありました。
なお、「親孝行」のほかにも「見守り」で検索すると、郵便局と提携した月1回の訪問&生活状況の報告サービスなどがヒットします。
ただし、返礼品の豪華さが競われる中、親孝行系のサービスが選ばれることは少数なようです。たとえば、寄付へのお礼として、親孝行代行サービスをしている福岡県によると、利用者はまだゼロとのことです。
ちなみに記者の実家がある自治体では、こうした「親孝行」サービスは取り扱っていないようです。仕事柄、なかなか帰省できないので感謝されるなら使ってもいいかなと思っていたのですが…。
ただ、よく考えたら両親はまだ60代前半。同じふるさと納税なら、食料品でも贈ってこいと怒られそう。利用するとしても、サプライズにするのではなく、事前に承諾をとった方が良さそうです。