若者にホームレス化のリスク、「住宅すごろく」崩壊…稲葉剛さんが警鐘 - 税金やお金などの身近な話題をわかりやすく解説 - 税理士ドットコム

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若者にホームレス化のリスク、「住宅すごろく」崩壊…稲葉剛さんが警鐘

若者にホームレス化のリスク、「住宅すごろく」崩壊…稲葉剛さんが警鐘
稲葉剛さん

東京など首都圏で家賃が高すぎる問題は、一人暮らしで低所得の若者の生活を苦しくするだけでなく、その後の結婚や出産を踏みとどまり、人生設計にも影を落としかねない。前編(https://www.zeiri4.com/c_1076/n_762/)に続き、一般社団法人「つくろい東京ファンド」の代表理事をつとめる稲葉剛さんに聞く。

稲葉さんは「貧困状態になれば生活保護制度がありますが、その手前で住宅費用の部分だけ支援する仕組みが必要です。欧米では住宅支援を少子化対策として行なっており、次の世帯形成につながるという考え方があります」と言う。

●「住宅すごろく」は成り立たない

日本の住宅政策は、なぜ社会保障と結び付けられないのだろうか。

単身のアパート暮らしから始まり、結婚後は賃貸マンションをへて、最終的には郊外に一戸建てを購入するーー。「住宅すごろく」とも例えられる戦後の日本の住宅政策は、住宅ローン減税や補助金などにより「中間層」の持ち家取得を支援するものだった。

稲葉さんは「終身雇用・年功賃金の日本型雇用システムと密接に結びついており、長期間の住宅ローンを続けられるという前提があったからこその政策だった」と話す。

しかし、バブル崩壊に伴う不景気やリーマン・ショックなどを経て、「住宅すごろく」の前提であった日本型雇用がほころびを見せても、日本人は未だ「住宅すごろく」に囚われているのかもしれない。稲葉さんは、日本人の「住宅に関する自己責任論」が政策転換が進まない理由の一つだと指摘する。

「日本型雇用システムは崩れているのに、人々の住宅に関する意識は変わっていません。日本の住宅への意識は、自由診療を前提とするアメリカの医療に対する考え方と似ていて、住宅は自助努力で獲得するものであり、個人の甲斐性の問題という考え方が強くあります。だからこそ、国による支援が必要だという発想につながらないのです」

●低所得の若者「ホームレス化のリスク」

公営住宅も「東京では宝くじが当たるようなもの」で、セーフティネットとして十分機能していない。そうした中、稲葉さんが期待するのは、2017年10月に施行された「住宅セーフティネット法」だ。

民間の空き家などを、低所得者や高齢者、障害者らの入居を拒まない住宅として登録するというもの。国交省は、2020年度末までに17万5000戸の登録を目標とするが、2019年3月末時点での登録数は8279戸にとどまっている。制度自体の認知度が広がっていないなど問題点もあるが、稲葉さんは「発想自体は悪くない」と評価する。

1994年から路上生活者の支援を始めた稲葉さんは、生還困窮者の支援に住まいの確保を最優先で行う「ハウジングファースト」を訴える。

「日本は家族主義が強い社会。政策もその考え方に基づいているところがあるが、低所得の若者の場合は、自分で親元から出て家を借りること自体がホームレス化するリスクを抱え込むことになる。今や『住宅すごろく』に乗れる人はマイノリティなんです」

【プロフィール】
稲葉剛(いなば・つよし)。1969年、広島市生まれ。東京大学教養学部卒。1994年に路上生活者の支援活動をはじめ、2001年、湯浅誠さんらとともに、自立生活サポートセンター・もやいを設立。2014年には空き家を活用した住宅支援に取り組む一般社団法人「つくろい東京ファンド」を設立した。立教大学大学院特任准教授。

ネットカフェなど不安定な居どころから抜け出せない「ホームレス」など様々な背景をもつ「今夜、行き場のない人」に対し、緊急時の宿泊支援のための基金「東京アンブレラ基金」の設立支援をクラウドファンディング(https://camp-fire.jp/projects/view/127236)で呼びかけている。

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