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「パナマ文書」が波紋…富裕層の資産集まる「タックス・ヘイブン」どんな仕組み?

「パナマ文書」が波紋…富裕層の資産集まる「タックス・ヘイブン」どんな仕組み?

世界各国の政治家や著名人が、タックス・ヘイブン(租税回避地)を利用した金融取引などで、資産隠しを行っている可能性を示した「パナマ文書」が世界中で波紋を広げている。

この問題は、パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した文書によって、各国の首脳などがいわゆるタックスヘイブンにある企業を通じて金融取引を行っていたことが明らかになった。文書は、ドイツの新聞社が入手し、世界の報道機関で構成する「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)が分析、公表した。各国の首脳や閣僚が辞任する事態に発展している。

貧困問題に取り組むNGO「オックスファム」は今年1月、租税回避地に流れ込んだ富裕層の資産が、7兆6000億ドル(約830兆円)にのぼるとの試算を公表している。タックス・ヘイブンとは、一体どういう仕組みなのか。富裕層はなぜ、タックス・ヘイブンに資産を移すのか。新井佑介税理士に聞いた。

●「heaven(天国)」ではなく「haven(回避地)」

「タックス・ヘイブンとは、日本語に訳すると『租税回避地』という意味です。よく、ヘイブンを天国の『heaven』と勘違いされて『租税天国』と間違われることも多いですが、正しくは避難所の『haven』です。

ざっくりと説明すると、タックス・ヘイブンは、法人税や所得税などの税金が、一部または完全に免税される国や地域を言います。有名な地域としては、パナマやイギリス領ケイマン諸島などが挙げられるでしょう」

新井税理士はこのように述べる。どんな仕組みになっているのか。

「タックス・ヘイブンには、『オフショアバンク』という外国の資産を預かる銀行があります。このオフショアバンクに、外国法人や富裕層が口座を開設するのです。

オフショアバンクで資産運用して運用益を計上、あるいは子会社を設立して本国の利益をオフショアバンクに集中させることで、結果的に税金を軽減または免税することができるのです。

つまり、端的にいえば、タックス・ヘイブンで税金の軽減や免税の恩恵を受けるために、企業や富裕層はタックス・ヘイブンに資産を移すのです。

グローバル化が進み、金融取引の高度化や情報技術の発達によってヒト・モノ・カネはボーダレスに世界を駆け巡る時代になっています。その際、タックス・ヘイブンを中継することで、取引コストを圧縮できるなどのメリットもあります。企業としては、合理的行動とみることもできます」

●「本来であれば本国で課税され、再分配されるはずだった資産」

海外では、国民からの批判を受けて、首脳や閣僚が辞任する事態にも発展している。

「タックス・ヘイブンそれ自体は違法ではありません。

しかしながら、本来であれば本国で課税され、再分配されるはずであった利益や資産が、タックス・ヘイブンに移転してしまっているのも事実です。

今後は国家の在り方を含めた様々な議論を通じて、より深くタックス・ヘイブンについて考えていく必要があるのではないでしょうか」

【取材協力税理士】

新井 佑介(あらい・ゆうすけ)公認会計士・税理士

慶応義塾大学経済学部卒業。金融機関との金融調整から新設法人支援まで、幅広く全力でクライアントをサポート。趣味はサーフィンとスノーボード、息子との早朝散歩が毎日の楽しみ。好きな言葉は「変わり続ける勇気」

事務所名   : 経営革新等支援機関 新井会計事務所

事務所URL: http://shozo-arai.tkcnf.com/pc/

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