介護福祉業に強い税理士の特徴は?選び方や顧問料実例を紹介

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介護福祉業に強い税理士の特徴は?選び方や顧問料実例を紹介

取材協力: 上仲 孝明 税理士

介護・福祉事業を営む方の中には、日々の現場対応や事業運営に尽力され、税務・会計については思うように手が回らない、とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

そこで頼りにしたいのが顧問税理士です。この記事では、介護・福祉業における税理士選びのポイントや介護福祉業の会計・税務のポイントについて、上仲パートナーズ税理士事務所の上仲孝明税理士に解説いただきました。あわせて税理士顧問料の実例をご紹介します。

目次

介護福祉業に強い税理士選びのポイント

税理士ドットコムの「税理士検索」では、全国6400名の登録税理士の中から、エリアや業種、仕事内容で税理士を探すことができます。中でも、医療・福祉業界に強い税理士事務所は1800件以上登録されています。

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しかし、いざ税理士を探そうと思っても、「どのような税理士を選べばいいかわからない」と悩む方も多いでしょう。

介護福祉業に強い税理士を選ぶ際には、「介護福祉業特有の税務・会計に精通している税理士」を選ぶ必要があります。その詳細について、上仲パートナーズ税理士事務所の上仲 孝明税理士に伺いました。

Q.介護福祉業特有の会計・税務について教えてください

まず、介護福祉業では「介護会計」と呼ばれるものがありますが、原則的な会計基準とどのような違いがあるのでしょうか。

ー 上仲 孝明 税理士「指定介護事業者は会計の区分が必要」

指定介護事業者は「会計の区分」を行う必要があります。

「会計の区分」とは、たとえば、訪問介護事業(1か所)、デイサービス(2か所)の運営を行っている法人の場合、会計を3つに分けなければならないということです。

また、居宅サービスと介護予防サービスも区分が必要になります。一般企業の会計では、経営管理上部門別に経理を行うことがありますが任意であるため、指定介護事業者の会計とは異なります。

運営基準の「会計の区分」を満たす会計方法は、難易度が高い順に次の4つです。

  • 会計単位分割方式
  • 本支店会計方式
  • 部門補助科目方式
  • 区分表方式

会計方法の選択は任意ですが、原則として毎年継続して同じ会計方法を適用しなければなりません。事業の規模や事務処理能力により適する会計方法が異なりますので、どの会計方法を採用するかは十分に検討しましょう。

ー 上仲 孝明 税理士「経費が個別経費/共通経費に分けられる」

介護会計では、経費は「個別経費」と「共通経費」に分かれます。

個別経費は、特定の施設で購入した介護用品費など、ひとつの施設や事業で発生した経費です。

一方で共通経費は、複数の施設で使用するために購入した消耗品など、ひとつの施設や事業に直接対応することができない経費です。

共通経費は、厚生労働省にて設けられている基準を満たすために、各施設やサービスごとに割り振ります。

共通経費の割り振り方はさまざまあり、たとえば、給食費の場合には、実際食数割合や延利用者数割合を按分基準とする方法が考えられます。給与の場合には、勤務時間割合や職種別人員配置割合で按分するなど、費用によって適切な按分基準を適用することとなります。

按分基準の選択は任意ですが、一度選択したら原則として毎年同じ按分基準を継続して適用しなければなりません。

さらに、介護福祉業は消費税のルールも特徴的です。

介護保険制度における居宅サービス・施設サービスの消費税は非課税となりますが、一部の福祉用具の貸与には消費税がかかるという点などに注意しましょう。

Q.介護福祉業の方はどのような税理士を選べばよいでしょうか?

ー 上仲 孝明 税理士「介護福祉業特有の論点に精通している税理士が良い」

介護福祉業を行う際には、一般企業とは異なる会計処理が必要です。

たとえば、介護保険の入金は2か月後になるため、決算時に未収保険料となる金額は2か月分の金額でなければなりません。

しかし、介護福祉業の経験が少ない税理士の場合、未収金を1か月分としてしまう場合があります。そうすると、介護事業の未収金と売上が過少になるため、納税額に誤りが生じてしまいます。誤りが発覚すると、過少申告加算税が課される場合があります。

そのため、顧問税理士を選ぶ際のポイントとして、区分会計や按分基準など介護福祉業特有の論点に精通しているかどうかを確認しておきましょう

介護福祉業に詳しい税理士に相談することで、事業所の形態や規模に応じた適切な会計方法等の提案を受けたり、会計や税務についての不安を解消したりすることができます。

そして、介護保険事業者の運営基準を満たした事業運営を安心して行うことができます

Q.顧問税理士をつけるメリットを教えてください

また、顧問税理士をつけるか迷っている方のために、顧問をつける具体的なメリットについても伺いました。

ー 上仲 孝明 税理士「会計の状況をチェックしてもらえるので安心」

ここまでで解説したように、介護福祉業界の会計・税務処理は複雑です。

介護保険事業者が誤った会計・税務処理をしてしまうと、所轄庁が行う実地指導で運営基準違反として指導対象や指定の取り消しになってしまったり、税務署から税額の誤りを指摘されてしまう恐れがあります。

また、実地指導では「会計の区分」も確認項目となっています。「会計の区分」を適切に行っていない場合にも運営基準違反とみなされ、指導対象や指定の取り消しになることもあり得るので注意が必要です。

そのような事態を防ぐためにも、税理士と顧問契約を結んで定期的に会計の状況をチェックしてもらうと安心でしょう。

介護福祉業における税理士顧問料の相場は?

介護福祉業に強い税理士と顧問契約を結ぶことを検討する際に、まず気になるのは「報酬金額」でしょう。

税理士ドットコムの「税理士紹介サービス」における相談実績では、介護福祉業を営む方の場合、税理士顧問料の平均は年間約34万円となっています(※)。

こちらはあくまで実績平均であり、実際には売上規模が大きかったり、依頼する業務内容が多い場合は、顧問料が高くなるのが一般的です。

※税理士紹介サービスについてはこちら

実例を紹介!介護福祉業の方のご成約例

それでは実際に、介護・福祉業を営む方がいくらで税理士と顧問契約をしているのか、税理士ドットコムに寄せられた累計約10万件超のご相談の中から、料金例をご紹介します。

実例1)年間顧問料:200,000円

売上高600万円/居宅介護支援事業所(大阪府)

居宅介護支援(ケアマネージャー)の事業所を経営されている合同会社の方からのご相談です。

現在契約中の税理士に対して、対応に不満があるとのことで新たに顧問税理士をお探しでした。

税理士に求める条件として、「積極的に提案やアドバイスをくれる」「介護業の顧問経験がある」の2つをご提示。条件に合う税理士をご紹介し、記帳代行込み年間20万円(税別)でご契約されました。

実例2)年間顧問料:250,000円

売上高1000万円/訪問介護(福岡県)

訪問介護事業を経営されている合同会社の方より、現在契約中の税理士の顧問料が高く事業への理解度も低いので、顧問税理士の変更を検討しているというご相談です。

年間30万円程度のご予算でお探しし、複数名の税理士とご面談されました。その中から面談で好印象だった税理士と記帳代行込み年間25万円(税別)でご契約されました。

実例3)年間顧問料:350,000円

売上高5000万円(見込み)/グループホーム新規設立(広島県)

福祉業(グループホーム)の法人を設立予定の方より、顧問税理士をお探しというご相談です。

節税対策のアドバイスのほか自計化のサポートをご所望する一方、毎月の訪問は不要との条件でした。

ご自身で探された税理士と比較されて、弊社がご紹介差し上げた税理士の方が条件に合うとのことで、記帳代行込み年間35万円(税別)でご契約されました。

実例4)年間顧問料:400,000円

売上高2500万円/介護・有料老人ホーム(愛知県)

介護・有料老人ホーム運営をされている特定非営利活動法人(NPO法人)の方のケースです。先方都合により現在の顧問税理士と契約終了となったため、新しい税理士をお探しでした。

これまで年間50万円で依頼していましたが、顧問料を下げたいとのご意向で、記帳代行、決算申告料込み年間40万円で依頼できる税理士をご紹介し、新たにご契約されました。

実例5)年間顧問料:430,000円

売上高4000万円/訪問介護・居宅介護支援・介護タクシー(岡山県)

複数の介護事業を運営されている株式会社の方より、現在契約中の税理士の対応に不満があるため、変更したいというご相談です。

自計化しているため現在使用中の会計ソフトに対応でき、介護会計にも理解のある税理士がご希望で、3事務所と面談されました。その中で条件に合う税理士と、決算申告料込み年間43万円(税別)でご契約されました。

介護福祉業を営む方へ。税理士探しでお悩みではありませんか?

「今の税理士の対応に不満があるので税理士を変更したい」「顧問料が負担になっているので引き下げたい」「経験豊富な税理士が良い」など税理士探しでお悩みの方は、税理士ドットコムの<税理士紹介サービス>までお問い合わせください。経験・実績豊富なコーディネーターがご要望に合う税理士をご提案します。

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