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メルカリ、赤字覚悟で広告費を巨額投入…狙う「アメリカ制覇」は視界良好?

メルカリ、赤字覚悟で広告費を巨額投入…狙う「アメリカ制覇」は視界良好?

6月19日、フリマアプリなどを手掛ける「メルカリ」(東京・六本木)が、東京証券取引所マザーズ市場に上場しました。上場の規模はマザーズ市場としては最大級、おまけに上場が予定より半年延期になったという経緯もあり、投資家の注目株となりました。

公募価格が3,000円のところ、ものすごい人気で一時は株価が6,000円まで急騰しましたが、その後、4,000円台で落ち着きを見せています。賛否両論が飛びかう中、マザーズ市場最大といわれるこの上場株の中身をちょっとのぞいてみてみましょう。(ライター:公認会計士・石川博子)

●誰がこの株を買ったのか?

メルカリは今回の上場で、約1,816万株を発行しました。そのうち約211万株を国内で、約1,605万株を海外で募集、海外の割当比率が国内を大きく上回りました。これが今回の面白いところ。海外の割当比率が高かったことで、「ほしいのに買えない!」というムードがさらに国内市場を過熱させ、応募倍率は約50倍となりました。

専門家によって練りに練られた公募価格ですから、市場の特別な反応がなければ株価が2倍になんてならないはず。国内はこんな状況でした。また、海外でも機関投資家からの力強い需要があり、異例の約20倍という人気となりました。

●上場の狙い

企業が上場する目的は、概ね資金調達か知名度アップです。メルカリの場合は、その両方でした。メルカリはこれまで知名度アップのために、巨額の広告宣伝費を費やしてきました。

決算報告(単体ベース) によると、国内で費やした広告宣伝費は、2016年6月期は売上122億円に対し44%の54億円、2017年6月期は売上212億円に対し50%の102億円です。広告宣伝費を莫大にかけて知名度を上げ、毎期売上げを2倍にしてきたのです。広告も非常にうまかったのでしょうが、その金額には驚かされます。

さらによく見てみると、直近2018年6月期の第3四半期は、売上246億円に対し37%まで下げています。これは、国内の知名度はある程度納得いくものになったと判断していると推測できます。

では、どこでの知名度がほしかったのか。実は、新株の割当の多くを海外向けにすることで、海外での知名度アップを狙ったのだと思われます。

そして、もう一つ、上場で調達した資金の使い道はというと、プレスリリースでは297億円を借り入れの返済に、113億円を国内及び海外での広告宣伝費にあてる、としています。広告宣伝費調達のために行った巨額の銀行借入をぱっと返して、残った資金を惜しみなくまた広告に費やすというのは、なんとも大胆です。

●メルカリはどこへ行く?

メルカリは、「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」ということをミッションに掲げています。  

上場の目的は、グローバル化(海外での知名度アップ)と海外事業の拡大のための資金調達にあったと思います。では今、メルカリの海外事業はどういう段階にあるのでしょうか。

そこで、メルカリが発表している営業利益を分析してみます。まず、海外事業を含めた連結ベースの営業利益は、2016年6月期はトントン、2017年6月期は▲27億円、2018年6月期第3四半期は▲18億円です。つまり、直近2期はいずれも営業赤字です。

これに対し、国内の事業のみの場合は、2016年6月期は+31億円、2017年6月期は+36億円、2018年6月期の第3四半期は+50億円と、継続的に黒字を拡大させています。つまり、国内は儲かっていて真っ黒で、海外事業を含めると真っ赤っ赤、しかも、海外事業は国内の利益を食いつぶすほどの大赤字というわけです。

メルカリの海外事業は、現在アメリカとイギリスの2国であり、アメリカへの進出は日本より1年遅れて2014年、イギリス進出は2017年です。なぜよりによって進出が難しいとされるアメリカなのか。それは、メルカリ式の中古品のリサイクル事業は、先進国でないと拡大しにくい事業なのです。なぜなら、リサイクル・リユースの環境保護意識が高く、「物流」と「決済」が整備されている場所であることが条件だからです。

日本はもうすぐ5周年、たった5年で事業を金のなる木にしましたが、アメリカは4年目でいまだ大赤字。さあ、これをどう見るか。

これは、いろいろな見方があるようですが、巨大かつ多様性に富んだ人種基盤においてニーズを適時に反映させることができるか、地理的規模と人口密度を考えた配送の方法は何がベストか。日本での成功のカギとなった「簡単・安全・安心・楽しい」という命題の前にアメリカ固有の問題が山積しているのかもしれません。

しかし、メルカリはやってくれるでしょう。アメリカでの戦略は日本とは同じではないようです。これまでのイメージを赤から青に一新、一瞬でブランドイメージを理解できるようリブランディングも行いました。いつ海外事業が黒字になるかは現段階では未定との発表ですが、今回の株式上場は、すでに光を見出しているよ、というメルカリの意思表示なのではないかと期待しています。

【ライター】石川 博子 (いしかわ・ひろこ)公認会計士

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