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感染リスク減る「キャッシュレス」、店の資金繰りに悪影響? 決済事業者の救済策も

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感染リスク減る「キャッシュレス」、店の資金繰りに悪影響? 決済事業者の救済策も
写真はイメージ(Ushico / PIXTA)

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府の専門家会議が5月上旬に提言した「新しい生活様式」。日常生活で気を付けるポイントがまとめられていて、買い物では紙幣や硬貨の接触による感染リスクを減らせるとしてキャッシュレス決済の利用を勧めています。

買い物をする側にとっては便利なキャッシュレス決済ですが、中小事業者から見ると、手数料や導入費用、入金サイクルで負担がかかる面もあります。新型コロナで資金繰りに困る事業者への対応策として、キャッシュレス事業者も救済策を取り始めています。私たちが小さな店舗で買い物やサービスを受ける時に、気を付けるポイントは何でしょうか。(ライター・国分瑠衣子)

●「今後、キャッシュレス決済ばかりになっては困る」

東京・高円寺の地中海料理店「イトマ モーニング&ナイト」は、店名の通り、午前8時から国産レモンとスパイスを組み合わせたレモンサワーが楽しめる珍しいお店です。モーニングの時間帯は、17㎡のこぢんまりとした店内に朝日が差し込み、夜勤明けの人などがレモンサワーや、スープとパンの朝食を楽しみます。

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通常、お店の営業はモーニングと夜の時間帯ですが、新型コロナウイルスの影響で、モーニングとテークアウトのランチに切り替えました。1人で店舗を切り盛りする野生真弓さんは「夜の営業をストップしているので、売り上げは去年の同じ月と比べて半分以下に減りました」と話します。中小企業や個人事業主への「持続化給付金」も申請しました。

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同店ではクレジットカードと、スマートフォン決済を導入しています。キャッシュレス決済は今、導入している決済事業会社がキャンペーン期間中のため手数料はかかりませんが、キャンペーンが終われば別の決済事業者に切り替えることも考えています。

飲食店の中には、家賃や従業員への給料の支払いのため、来店客に現金での支払いをお願いする店舗も出てきているという報道もあります。

野生さんは「うちはモーニングやランチのテークアウトなど金額がそれほど高くないからか、高円寺という土地柄なのか理由はわかりませんが、現金で支払う人がほとんどです。今は現金がなくて困るということはありませんが、今後キャッシュレス決済ばかりになっては困ります。でもまずは客足が戻ることが一番です。忙しくなって私も100%の力を出して働きたい」と話します。

●コロナ拡大前でも約2割が「入金サイクルの変化で資金繰りに困る」

日本は欧米や韓国、中国に比べて「キャッシュレス後進国」とされてきました。しかし、2019年10月の消費増税に合わせて、中小や小規模の小売店でキャッシュレス決済で支払えば、決済金額に対して5%の還元が受けられる景気対策が取られると、キャッシュレス決済を使う人が増え始めました。

キャッシュレス推進協議会が今年1月、店舗を対象に行った調査では、5%還元事業に参加した事業者のうち、約7割が還元事業をきっかけにキャッシュレスを導入したり、キャッシュレスの手段を増やしたりしています。また、売り上げに占めるキャッシュレス決済の比率も平均27%から同34%と、約1.25倍に増えています。

一方で、約2割の事業者が「キャッシュレスによる入金サイクルの変化で、資金繰りに困ることがある」と回答しています。キャッシュレス決済は、レジ締めなど事務作業の負担が軽減される反面、決済手数料の負担や、客がキャッシュレスで支払った代金を店が手にするまでに時間がかかるといった面もあります。調査は新型コロナウイルスが拡大する前に行われたため、現在の状況はさらに深刻とみられます。

●「LINE Pay」250円かかる入金手数料を無料に

決済事業者も中小事業者に向けた支援策を取り始めています。スマホ決済サービスの「LINE Pay」は、1回当たり250円かかる入金手数料を6月末まで無料化しました。通常は月末締めの翌月末の振り込みですが、早ければ即日に振り込む対応もとっています。

同社によると、初日の4月8日には通常の約5倍の入金申請があり、その後も約1.5倍の申請があります。業種を見ると、飲食店と理美容業界が全体の35%を占め、塾や予備校、化粧品などの美容用品販売なども目立ちました。

「メルペイ」も決済手数料を0%にするキャンペーンの期間を6月30日まで延長しています。クレジットカード会社の一部にも契約店の個別事情に応じて対応策をとる動きが出ています。

経済産業省は5月11日に、日本クレジット協会とキャッシュレス推進協議会に、新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた加盟店への入金時期や手数料について柔軟に対応するよう要請しました。また、入金サイクルの短縮や手数料の無料化などの対応策をとっている決済事業者をホームページで公表しています。

使う側にとっては便利で、感染リスクも減らせるとされるキャッシュレス決済ですが、小規模なお店にとっては負担が増す側面もあります。代金を支払う時に店主に確認するなど、買い物をする店舗によって臨機応変にキャッシュレス決済と現金を使い分ける気遣いが大切です。

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