引き下げが検討されている「法人税」 そもそもどんな税金なの? - 税金やお金などの身近な話題をわかりやすく解説 - 税理士ドットコム

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引き下げが検討されている「法人税」 そもそもどんな税金なの?

引き下げが検討されている「法人税」 そもそもどんな税金なの?

来年度の税制改正に向けた議論が、政府・与党内で本格的に始まった。自民党の税制調査会は10月23日、税制改正に関する勉強会をスタートさせた。その議論のなかで、焦点の一つとなっているのが、法人税の引き下げだ。

法人税の引き下げは、消費税増税後の景気対策として、安倍首相が意欲を示しているが、財政健全化の観点から自民党内には慎重論も強く、議論の行方が注目される。

ところでこの法人税は、約7割の企業が払っていないとされるが、そもそも法人税とは、会社の何にかかるどんな税金なのだろうか。また、法人税が引き下げられると企業活動や従業員に対して、どんな影響があるのだろうか。税理士の山口拓也氏に解説してもらった。

●法人税は「法人の所得」に課税するもの

「個人の所得に対して課税されるのが所得税・住民税、法人の所得に対して課税されるのが法人税・住民税・事業税になります。一般的に新聞などで呼ばれる法人税は、この法人税・住民税・事業税の3つの税金を合わせて法人税と言っています(記事によっては法人税等と記載してあるものもあります)。

法人の『所得』とは何か、ということですが、簡単にいうと収入から経費を引いた利益のことをいいます。ただ、課税の公平性の観点から全部が全部経費として認められることはなく、交際費や減価償却費には、経費にできる金額に一定の制限がついているものもありますので、交際費でバンバン飲食代を払えるか?というと、そういうわけではありません」

●法人税の「実効税率」は約35%

「このようにして計算した法人の課税所得に法人税の税率をかけて法人税を計算します。法人税単体の税率は原則25.5%です。ただし、資本金が1億円以下の一定の中小企業の場合には、年800万円以下の所得については15%となっています。この法人税単体の税率に、住民税と事業税が加わりますので、法人税の『実効税率』は現行では35%となっています。この35%という実効税率が他国と比べて高いので、法人税の税率を引き下げよう、という議論になったわけです。

また、東日本大震災の影響から、平成24年4月から3年間は、法人税に一定の割合の復興特別法人税が追加で課税されています。しかし、これについては1年間前倒しで廃止するかどうかが議論されています」

●なぜ7割もの企業が法人税を払っていないのか?

「冒頭の文章に7割の企業が法人税を払ってないと記載がありますが、これまでの説明のように、法人に『利益』がないと一部の住民税を除き、法人税がかからない仕組みになっています。また、繰越欠損金の繰越控除という制度があります。

これは過去にでた損失を当期の利益からマイナスすることができる制度です。具体的には、過去の9年分の損失を当期まで、繰り越すことができます。大企業の場合には、制限があり、利益の80%までマイナスできることになっています。

このように法人税は、法人の利益に対して課税されることとなりますが、経費については一定の制限がある、という厳格な部分と、過去の損失を繰り越せるという有利な部分があります」

●税制改正の動向に注目しよう

「平成26年度税制改正については、民間の投資を活性化させる内容の大綱が10月1日に与党から発表されました。通常、税制改正の大綱は年末12月に発表されるものですが、例年よりも前倒しになっていることから、安倍首相の意気込みが感じられます。

具体的には、生産性向上のために設備投資をしたときの税額控除や特別償却のほか、従業員に前年より給与を多く支給した場合の税額控除などがあります。税額控除は、法人税を直接減らす制度であり、特別償却は、減価償却費を通常よりも多く計上でき、利益を減額できる制度です。

来春に予定される消費税増税の影響で、今後、投資や個人消費が冷え込むことが予想されますが、来年度の税制改正では、法人税率の引き下げや所得拡大促進税制などで、従業員の給与を増やし、個人消費が冷え込まないようにするための改正項目が議論されています。今後の税制改正の動向に注目しましょう!」

【取材協力税理士】

山口 拓也(やまぐち・たくや)

2007年9月入所。相続・事業承継部に勤務し、主に資産税や事業承継対策、法人顧問の税務に取り組んでいる。大原簿記学校での非常勤講師としての経験を活かし、金融機関でのお客様セミナーや、行員勉強会の講師もしている。

事務所名:辻・本郷税理士法人

事務所URL:http://www.ht-tax.or.jp/

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