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退職金控除について

DBで受け取る金額に合わせて退職金控除枠に収まる勤続年数を使用し一時金を受け取り、残りの年数をDCおよびその後拠出するiDeCoの年数を加算し、一時金受取の退職金控除の勤続年数として計算するようなことができるのでしょうか?同期の者がDC運営会社(信託銀行)の相談窓口から可能との説明を受けていますが、誤っているように思い質問しております。
2027年3月に定年退職(60歳)し、その後2032年3月(65歳)まで再雇用を予定しています。勤続年数は2027年3月時点で36年6ケ月になり、誕生日は1966年12月9日です。DBが1000万、DCが800万と思われます。DCは60歳で終了のためiDeCoに移管し65歳まで拠出することを検討しています。上記の条件で、DBは2027年4月、iDeCo(DC含み)は2032年1月に受け取る場合、DB1000万が退職金控除枠に収まる年数25年分を使用し、残りの12年分+再雇用5年分の合わせて17年分の所得税控除枠を使用する運用はできるのでしょうか?なおDC運用が始まったのは2008年5月だったと思います。ちなみに小職は25歳からの中途入社、同期は20歳からの新卒入社で勤続年数は40年です。19年ルールの関連で、小職と同期とは異なる税制が摘要されるということでしょうか?

税理士の回答

ご質問のように、DB1,000万円について退職所得控除の「25年分だけを使用し、残りの勤続年数をDC・iDeCoに残しておく」という任意の割り振りはできません。

退職所得控除は、受取額に応じて本人が使用する勤続年数を選択するのではなく、それぞれの退職一時金の計算の基礎となった勤続期間等により計算します。

また、DBを2027年、DCから移換したiDeCoを2032年に一時金で受け取る場合には、両者の加入・勤続期間の重複について、いわゆる19年ルールによる調整を検討する必要があります。

したがって、「DBで25年分を使用し、残り17年分をiDeCoで使用する」という計算にはなりません。

なお、具体的な控除額はDB・企業型DC・iDeCoそれぞれの加入期間や退職金の算定期間を確認して計算する必要があります。

結論から申し上げますと、受取額に合わせて勤続年数を任意に分割(スライス)し、残りの年数を次のiDeCo受取時の控除年数として繰り越す(加算する)運用は、税法上一切できません。 同期の方が聞かれた説明は、税務上の仕組みとして明確に誤りです。

入社年齢(25歳か20歳か)によって税制ルール自体が変わるわけではなく、税法上の「勤続年数の計算ルール」および「重複期間の排除ルール(19年ルール)」が全員に等しく適用されます。

【1】勤続年数を分割・繰り越しできない理由

退職所得控除の計算において、勤続年数は「その退職金の計算基礎となった実際の勤続・加入期間」という客観的事実に基づき計算されます。

・金額に応じた分割は不可:退職金(DB)が1,000万円だからといって「1,000万円を非課税にするために25年分だけ使い、残りの12年分は取っておく」といった選択は認められません。
・控除枠の繰越しも不可:退職所得控除額の使い残した枠(金額)を将来の別の退職金(iDeCo)へ繰り越す制度も存在しません。

【2】ご質問の条件における実際の税金計算イメージ

◆ ① 2027年4月:DB(1,000万円)受取時
・実勤続年数:36年6ヶ月 → 37年(端数切り上げ)
・退職所得控除額:800万円 + 70万円 ×(37年 - 20年)= 1,990万円
・課税対象:1,000万円 - 1,990万円 = 0円(非課税)
※この時点で、37年間の勤続年数に基づく退職所得控除(1,990万円分)を全額行使した扱いとなります。

◆ ② 2032年1月:iDeCo(DC含み)受取時(DB受取から約4年9ヶ月後)
退職手当等(DB)を受け取った前年以前19年以内にiDeCo一時金を受け取る場合、所得税法の規定(19年ルール)により重複期間を差し引いて控除年数を計算します。

・iDeCo通算加入期間:2008年5月~2032年1月(23年9ヶ月 → 24年)
・DBとの重複期間:2008年5月~2027年3月(18年11ヶ月 → 19年)
・iDeCoで使える控除年数:24年 - 19年 = 5年
・iDeCo受取時の退職所得控除額:40万円 × 5年 = 200万円
・課税対象:(想定額800万円 - 控除200万円)× 1/2 = 300万円

【3】同期の方の「誤解」が生じたと考えられる背景

・控除枠の計算式に対する誤解:「37年で1,990万円の控除枠があり、1,000万円しか使っていないから残りがある」と誤認した。
・受取順序に関するルールの混同:iDeCoを先に受け取り後から会社の退職金を受ける場合の受取間隔ルール(※旧5年ルールから現在は「10年ルール(前年以前9年以内)」に変更)と仕組みを混同された。

【4】今後の対策・選択肢

iDeCo(800万円想定)の税負担を抑える現実的な方法として、一時金ではなく「年金形式(分割受取)」を組み合わせ、公的年金等控除(65歳以上は原則年110万円まで控除)を活用する等の検討をお勧めいたします。

ご参考にしていただけましたら幸いです。
内容がお役に立ちましたら、ぜひベストアンサーに選んでいただけますと大変励みになります!

荒川様
詳しい説明ありがとうございます。大変よく理解できました。

ありがとうございます。またご利用ください。

本投稿は、2026年09月30日 13時18分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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