不動産投資でよく聞く「利回り」って何?失敗しないために知っておくべき3つのポイント

2020年の東京オリンピックが決定して以降、東京都心の不動産を中心にプチバブル状態になっていることをご存知でしょうか。最近では、銀座の山野楽器銀座本店の1平方メートルあたりの単価が、5,050万円と過去最高を記録したことは、まだ記憶に新しいところです。
不動産投資をしている人であれば、日常的に耳にする「利回り」ですが、間違った認識から、賃貸経営に失敗するケースも少なくないようです。そこで今回は、「利回り」に関する重要な知識について、解説します。
目次
「利回り」の意味と計算方法
アパート経営など不動産に投資をする際に、まず考えなければならないことは「利回り」です。利回りとは「年間収益の投資額に対する割合」のことを言います。もう少し具体的に言うと「1年間の家賃収入の購入金額に対する割合」のことです。
計算式にすると以下の通りです。
利回り=年間の合計収益÷購入金額×100
仮に年間家賃収入100万円の物件を1,000万円で購入したのであれば、利回りは10%ということになります。
100万円÷1,000×100=10%
利回りは不動産に投資した金額を、どの程度の効率で回収していけるのかを見る重要な指標です。利回りが高くなればなるほど、それだけ投資効率が良く、投資する価値があるということになります。
そのため、賃貸物件を購入または建設する際には、必ず利回りを事前にシミュレーションした上で、投資すべきかどうかを慎重に判断する必要があります。利回りについては、通常、収益物件の募集図面や建築会社の営業資料に記載されています。
「表面利回り」と「実質利回り」を勘違いすると危険!
さて、ここまでの知識については、アパート経営をしている大家さんや不動産投資家の方であれば概ねご存知でしょう。ただ、利回りはもう少し奥が深く、認識を誤解すると大損する可能性もあるため、ここから少し注意が必要です。
というのも、賃貸経営においては家賃収入などの収益だけではなく、一定の経費がかかります。例えば、投資用のワンルームマンションであれば、管理費や修繕積立金といった維持費が毎月かかり続けます。
これらの経費を考慮して算出した利回りを「実質利回り(ネット利回り)」といいます。
これに対し、経費を一切排除して計算した利回りを「表面利回り(グロス利回り)」といいます。
この2つの利回りには、それぞれ役割があります。
実質利回り
実際にその物件を購入した場合に得られる、現実のキャッシュフローに限りなく近い利回りです。ローン返済のシミュレーションを作成する際などについては、必ず実質利回りをベースにして検討する必要があります。
表面利回り
経費を一切排除して単純計算しているだけなので、実際のキャッシュフローとは違ってきます。表面利回りは、投資物件を選ぶ際の「目安」としての役割があります。
このように、どちらの利回りなのかによって、意味が大きく異なってきます。ところが、不動産会社の募集図面や営業資料には、単に「利回り」としか書いてないケースが多く、ほとんどの場合「表面利回り」であることが多いのです。
利回りについて深く理解していない方の場合、利回りと聞くと実際のキャッシュフローである実質利回りだと無意識に思い込む傾向があります。表面利回りと実質利回りを混同してしまうと、予想外に苦しい資金繰りに陥ってしまいますので、十分注意が必要です。
不動産会社との会話の中で出てくる「利回り」については、概ね表面利回りのことだと考えれば良いでしょう。
利回りが高い理由をしっかりとチェック!
利回りについては高いに越したことはありません。ただし、利回りが高い「理由」をしっかりと検証しないと、思わぬ損をする可能性があります。
そもそも、利回りが高いということは、「家賃が相場より高い」か、「安く購入できた」かのどちらかです。相場よりも安い金額だったのなら良いのですが、現状の家賃設定が相場よりも高い場合は要注意です。
特に中古物件の場合、昔から住んでいる入居者の家賃は高く、万が一退去してしまうと現在の相場家賃に下方修正することになります。ですから、もしも利回りが高い物件を見つけたら、今の家賃が相場の家賃とかけ離れていないか、事前に確認すると良いでしょう。
利回りには「税金」が含まれていないことに注意!
ちなみに、実質利回りだとしても、盛り込まれていない出費があることをご存知でしょうか。それは「税金」です。
賃貸経営は利益が出やすい事業のため、アパートやマンションを所有しているとある程度の不動産所得が発生します。そして登場してくるのが、所得税や住民税です。この2つの税金は不動産所得以外の所得情報も加味しないと、正確な税額が導き出せないため、利回り計算には基本的に考慮されていません。
また、木造アパートの場合は、22年で減価償却が終わるため、そこから一気に税金が高くなります。このように、不動産と税金は切っても切れない、非常に重要な関係にあります。
おわりに
2つの利回りの違い、高い利回りならその理由を確認することはしっかり覚えておきましょう。また、長期的に安定した賃貸経営をするためには、税理士の力を借りて所得税や住民税も考慮に入れて、正確な利回りをシミュレーションすることをおすすめします。
もっと記事を読みたい方はこちら
無料会員登録でメルマガをお届け!